明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



当初感度が低くて引き延ばしができないオイルプリントのため入手した大判カメラで、人形の撮影を止めてからから随分になる。人形を人間として撮りたい私には、縮尺的にカメラが巨大過ぎるのか、納得できたことがない。 続けていると必要な物とそうでない物が判ってくる。自分のいいたいことを伝えるのが重要であり、よけいなところに力を入れるものではない。たとえば物凄い描写をするレンズを持っていたとして、そのレンズは私が研磨したというならまだしも、そこに感心されても困る訳である。描写が硬くなければ結構、と人形撮影には旧東ドイツ製のスクリューマウントレンズを使用している。数があるので安価である。気に入って使っているのはもちろんであるが、私の意図が放っぽらかしにされ、名レンズの描写に感心されずには済むであろう。 ジャズ、ブルースシリーズを作っていた頃は、人形がもっている楽器を褒められても嬉しくなかったし、そもそも作家シリーズに転向したのは、初めて人形とともに写真を発表した時、ある編集者が写真作品を、人間を撮った実写と勘違いしたことがきっかけであった。そんなつもりで作ったのではない。私が作った、と判る物でなければならない。

個展『ピクトリアリズムⅡ』のレビューを飯沢耕太郎さんに書いていただきました。 artscape

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )