明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



禅師二人目は始める始めると言いながら1人目を触ってしまって、ようやく二人目に取りかかる。 私はいったい何を作っているのだ?と思う時、言い知れぬ幸福感に満たされる。粘土と竹を削ったヘラとアイスクリームの木のスプーン。実に安上がりな幸福である。しかし今回この幸福感に貢献していると思われるのは、七百数十年前に創建された寺のホームページのトップに掲げられている、中国(宗代)より来日し、寺の開山となった木像に対し、実像はこうだったのではないか?という物を作ろうとしている事になる。これはもう、ひとえに養老孟司氏いうところの〝人間は頭に浮かんだ物を作るように出来ている”という仕組みのせいである。再び礼拝物不敬罪で武装集団に銃口を向けられる夢を見るかもしれない。 たまたま重文である件の木像が、某博物館で公開中と知った。さすがに考えたが、結局見に行かないことにした。大谷翔平は良いことを言った。「憧れるのは止めよう」。独学我流者の勘もそういっている。



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