明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



元々の始まりは高校の時のブルースブームであった。雑誌で見たブルースマン一覧の面構えに釘付けとなった。その頃はまだ巨匠がかろうじて生きていた。その後、作家シリーズに転向した。中年〜老人ばかり作って来たが、いずれの業界も、時代と共に容貌の個性が薄くなっていくように思える。そうこうして昨年、高僧を描いた頂相あるいは頂相彫刻が、人像表現の究極と思うに至った。数百年前の高僧の面立ちはいずれも個性的である。また霊力を伴った超現実的エピソードの数々。河井寛次郎の〝鳥が選んだ枝、枝が待っていた鳥”のように、そのために用意していたかのような、陰影を排除した手法。こんなことをさせる、ヘソ下三寸の私を全面的に信頼している。しかし、需要という物を全く考慮せず、ブレーキを備えていないので、性能の悪いもう一人の私は「何だか判らないけど作っちゃいました。」という顔をしている訳にはいかないので、最近入手した文献を熟読するのであった。

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