半僧坊の写真作品は、東シナ海の荒海の船上の帆柱の先に立つ、初登場のシーンの設定である。半僧坊の厄難消除のご利益でも、海上安全となった理由だが、もう一つ、代表する霊力、ご利益は火災消除である。そこで立体像としての半僧坊は、燃え盛る炎に囲まれ火伏せの霊力を発しているところにしよう、と台座に不動明王の背中の火焔状の物を配することにした。ヘソ下三寸の私は、こうして思い付いては仕事を増やしてくれる。しかし完成作を想像すると、炎に囲まれている像は知らないし、火伏せの神らしくて良い。と結局従うことになる。 ただし、台座まで作るのは、完成直前の状態で待たされている連中を仕上げてからだ、と肝に命じた。
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