高校野球を見たら、その昔、高校2年の修学旅行で、喧嘩を売ってきた高校が出ていた。当時も野球で有名だったと思う。 九州を回り、帰りの京都駅だったろう。昼間、土産物屋で、一部の生徒同士で悶着があったらしく、夜、たまたま両校が集合している広場で10メートルおいて睨み合った。といっても睨んでいるのはあちらばかりで、教師も抑えられないようで、恥ずかしそうに見て見ぬ振りをしていた。その時、我が校の英語のH先生が、一人、間に進み出て、相手校で、もっともいきり立っている生徒に向かい、その詰襟の制服を指さし、「君、ホックがはずれてるよ」。 この先生は陸軍中野学校出だという噂があったが、“鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックがナチスの将校でなかったように、歳を考えればありえないのだが、そのくらいの迫力の持ち主であった。ノーモーションから繰り出すビンタの威力。 「ホックがはずれてるよ」の一言で事を収めてしまった一件は、私も含め全員目にして、しばらく語り草になったものだが、あまりの名場面に、今になると本当だったのだろうか、という気さえする。その夜寝台車で寝ていると、担任のK先生が、一人々のカーテンをめくり、「お前ら舐められやがって、さっき、なんで行かなかったんだ」と低い声でいって回った。今思うと20代のはねっかえり教師であったが、しばらくすると学年主任のI先生に説教され、うなだれているのがカーテンの隙間から見えた。I先生はK先生とは人品レベルが違い、翌年私の担任となり、大変お世話になった。先月電話をいただき、数十年ぶりにお話させていただいたが、定年を向かえ3年だそうである。お元気でなによりであった。
01/07~06/10の雑記
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