英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

都市部と地方の教育格差

2016年11月09日 | 指導現場にて
先取り学習で中2の教科書を使って勉強をしている中1生に
respect ~ = look up to ~
despise ~ = look down on ~
の4つを教えました。長野県の公立中学では respect を中2で習いますが、それ以外の3つのイディオムや単語を中学生に教える指導者は少ないと思います。でも、私は教えます。
大学受験においては知っていて当然のこの4つの単語とイディオムを、センター試験が2ヶ月後に迫ったこの時期に、地元の進学校に通う高3生でもスッと言える生徒は2割にも満たないのは、指導経験から分かっています。これが、地方の進学校に通う生徒の現実なのです。情けない話だけど事実だから仕方がない。

駒場・開成・麻布・灘・ラサール・早稲田など都市圏の私立中高一貫校に通う生徒たちは、この程度のことは早々に覚えて、レベルの高い実践的な勉強を高校3年間で行っています。そんな彼らと、大学受験では同じ土俵で戦わなければならないという現実を、地方の公立高校に通う生徒たちは気づいていません。

私自身の中学時代を振り返ってみると、高校受験や更にその先にある大学受験がどのような仕組みになっているか、また、都市圏と地方での教育実情にどのような違いがあるかなど知る由もなく、とにかく「地元の進学校に合格できれば、その後は安泰」としか考えていませんでした。

私が知ろうとしていなかったのもありますが、親や教師などの周りの大人達も現実を教えてくれませんでした。大学受験浪人を経験して初めて、都市圏の強者達と闘わなければならない現状を知った時は、愕然としました。

地方のゆったりした雰囲気が好きだからこそ、私は生まれ育った信州に暮らしています。でも、勉強に関しては常に高いところに意識を置き、遠慮なく高度な知識を吸収していくべきだと感じています。少しでも早く世の中の現実を理解し、対策をしていく。上述の中1生にももちろんこの話をしました。結果、高校入試はゴールではなく通過点、日々の勉強もその過程であり、もっと先を見ていこうとする姿勢に変わりました。

私立と公立の格差を環境のせいにするのではなく、その現実を認め現状をありのままに子どもたちに伝え、やる気向上の一つにするのは大人の役目。それは子どもたちの勉強に対するモチベーションにさえなりえます。


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