英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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推薦合格者、なぜセンター受験?

2020年02月06日 | 指導現場にて
昨日の信濃毎日新聞朝刊の教育面に「推薦合格者、なぜセンター試験受験?」という特集が載っていました。ウェブ版の記事がないので、そのすべての記事を載せられませんが、主旨は以下のようになります。
高校側:「卒業まで学習をしてもらいたい」
生徒側:「教科書を広げることだけが勉強?」

大学進学者の約45%が推薦入試で合格している現状を鑑みると、もっと議論されていいテーマです。

文部科学省 大学入学者選抜関係資料より

ある実業高校では推薦入試で大学合格が決まった3年生たちに、本人の意志とは関係なく、センター試験を受けさせています。それは、「大学に合格したからといって遊んでいいわけではない。大学では一般入試で大学合格した生徒たちと過ごす訳だし、学力を少しでも伸ばしてもらいたい」という、高校側の親心からでしょう。

しかし、私が指導している実業高校3年生から聞いた話では、彼の友人はセンター試験一週間前の連休中、スノボに明け暮れていたらしい。

センター試験の結果が、推薦で大学合格したという事実に影響を及ぼすことは一切ない。しかし、そんな態度に、私は甚だ疑問に感じた。いや、それを通り越して、怒りにも似た感情を抱いた。指導経験上、高校進学時点で英語力は英検4級程度で止まっており、高校でも英語は深く勉強しないので、その実業高生が大学受験に必要な英語力が皆無なのは容易に想像できる。

5文型、準動詞、関係詞、仮定法の基本すら分かっていない者が大学に進学する。じゃあ、せめてもセンター試験を目標に勉強して、大学生になるという自覚を持とうとするのが、本来あるべき姿ではないのか?

センター試験検定料18,000円を払っているのは誰なのか。その金額を稼ぐために、親がどれだけの時間を労働に充てなければいけないのか分かっているのか。そもそも、何のために大学に行くのか。

推薦入試であろうと一般入試であろうと、大学合格という事実に差はない。推薦入試で合格した生徒は、学校の成績もある程度よくなければいけないし、実業高校の生徒は専門科目や資格試験などの勉強を通して、普通科の生徒にはない知識を有しているかもしれない。しかし、一般入試で合格した生徒の方が学力が高いのは、否定できない事実。

勉学全般に対する姿勢は、今後の人生に大きな影響を及ぼす。大学や就活で苦労する、または、社会人になってから苦労する。そんなことを気づかせてくれるのも大学入試なのに、その機会を逸してしまっているその高3生が、哀れに思えてならない。

以上のことは、全ての実業高生に当てはまることではありませんし、推薦入試での大学進学を否定するものではありませんので、誤解しないでいただきたい。事実、私が今指導している実業高校3年生は、既に英検2級に合格しており、推薦ではあるが某有名国立大学に合格。センター試験に向けての勉強も真摯に取り組んだものの、やはり思うような点数は取れなかった。しかし、その生徒はこう言ってくれました。「私はセンター試験を受けて良かったです。なぜなら、自分の現在地点がわかり、この状態で大学に入ったら相当苦労するのが分かったからです。だから、もっと勉強してやろうっていう気持ちになりました」

要は、生徒の勉学に向かう気持ちと姿勢をいかに醸成していくか?生徒本人と、保護者や指導者など周囲の大人たちの責任です。


コメント
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