帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

グルメ番組 「うう・・・気持ち悪い」

2009年12月22日 | Weblog
自分がどうしても好きになれない番組の中に、グルメ番組というのが有ります。

舌の肥えたレポータなんぞが出てきて、あちらこちらの絶品料理を評価(宣伝)するものから始まって、お笑い系の漫才トリオなんぞが出てきて、お金をかけて「あーだこうだ」と騒ぐというくだらない番組まで多種多様ですが、どれをみても、なぜか受け付けない・・・・

というのは、自分にとってグルメとは普通の庶民が普通の価格で食べられる物であり、またそうであってこそ初めて絶品の料理等といえるのではないか?と考えている(というより思い込みー!)事から来ています。

やれトリュフだ、フォアグラだ、キャビアだといわれても、「ハイそうですか」と一皿何千円だ何万円だといわれても、たんに供給量の少ない高級食材をたまたま口に入れりゃ誰でも旨いわけで、「はたしてこれのどこがグルメ料理なのだろうか?」と考えてしまう。

さらにいうなら、番組の中でいくら「舌がとろけるだ」、「ジュッ!とくる」だと盛上がっても、それを観ている側はけしてそれを食する事ができないし、こうした番組を見つめるその姿たるは、あたかも よだれ垂らしてご主人が食べている物をじっと見つめる犬そのもので、少なくとも自分は犬ではなくて人間だ。

そりゃ料理を提供する料理店やシェフは番組通して自分たちの料理を紹介でき、それにより利益を得られるのだから、いくらでもお金をかけた料理を提供するでしょうが、正直こうしたものと自分が縁をもったことは無いし、一度だけ記憶に残るものはあれども自分から能動的に食べに行ったわけではなく、たまたま縁があっただけのこと。

大き目の皿にほんの一口程度の料理をのせ、適当に形を整えてその上からこれまた高級ソースなどを芸術的?にたらして、これで3000円なんて請求されようものなら、正直腹が立って仕方ない。

こうした番組を見ていると(というか他の人が観ているので目に入る)、「本当にこれが高級な食材なのだろうか?」と 考えさせられてしまうものが多い。

例えるなら、高級和牛とか言われるもので、その生の切れ端をカメラがズームアップしたのを見るたびに気分が悪くなる。

そこに映し出されているのは、脂肪をぶくぶくに含んでピンク色となった、しかもその全体をこれまた脂身ぶつぶつだらけの幅2センチ長さ5センチ程度の物体。

それを焼いて芸能人が口に入れるやいなや「舌に乗せただけでトロケルー!」なんてはしゃいでいるのだが、加熱したラードそのものを食べているのだからそうなるのは当然。

「うう・・・気持ち悪い」 (――“)

本来牛肉の味は、硬くて歯ごたえのある弾力性と前歯で肉を切り裂く独特の感覚、うっすらとひろがるミルクの香りに焼く事で引き出されるアミノ酸の旨みを感じる事。

いうなれば油の味じゃーなくて、噛む感覚と、香り、肉から染み出す肉汁が口の中でミックスすされるからこそ、美味いのではないだろうか?

この感覚はジンギスカン料理等のマトンもそうであり、ところが面白いのは同じ羊でもラムとなると似て非であり、非であって同じという食材もあり、これの上手さは独特の匂いと赤ワインやビールと共に食することで口の中で香と味にダイナミックな変化があるからで、それが旨さでもある。

これも脂肪の塊を口に入れて広がる油の味じゃー無い。

こういった???を感じる番組は肉だけにとどまらず、海産物等でも同様で、そこに映し出される高級マグロなんかを見ると、これもまた吐き気を催すわけですが、

オオトロ、オオトロと騒いで映し出される物は、先の高級和牛と同じくただやたら脂肪分を含んだ、単なる魚油そのものの味でしかなく、ほんらいマグロという魚のもっている味はその部分だけをもって騒ぐようなものではなく、なぜこの油の多さを旨さの象徴とするのかが自分には分からない。

自分も最高級といわれるオオトロを食べた経験があるけれど、正直口の中に広がる脂の味に不快感を覚えたのみで、これを「旨い旨い」と口にするグルメの大家とやらは、正直舌がどこかおかしいのではないか?と思ってしまう。

それが分かるから通なんだという人もいるが、自分は極普通の舌の感覚しかないし、おかしなものを旨いと平然と言える通になりたいなんぞさらさら思わない。

つまるところ、自分にとってこうした番組は単に自分の店の宣伝と収益を上げたい者と、出来るだけ制作費を安く上げたい放送局側の利益が合致して構成され、それだけじゃ仕方ないのでグルメな人間とやらを作り出し、その味オンチな舌で得体の知れない表現をさせ、

得体の知れない感想と食べるのを見せ付けられた貧乏人(もちろん自分もその一人)達が、頭の中で味を創造して食べた気になるという、非常に視聴者をバカにした内容そのものではないか? なんて思ってしまう。

「ひねくれものでーす」 (^^:) へへ

最後に自分にとって最高の料理とは、なんだろうか?

そう思って考えると、まず利益何ぞとはまったく無縁であり、作る側の心が感じられるもの、極普通の食材で作られたこれまた極普通の料理、穏やかな心と気のあう仲間、もしくは家族との楽しい食事。

時にはアウトドアで、焦げたり辛くなってしまったり、また失敗したり。
でもそうした過程の最後に、口の中へ広がってくる味、これこそが最高の料理なのではないか?

そう思うのです。