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10月

2005-10-03 17:59:32 | アート・文化
10月は私の誕生月だ。10月という響きには秋を感じる。

そういえば数日前、モズの声をきいたな。

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玄関に立つとどこからか馥郁たる香りが流れてくる。「いい香り!」もしかして、と金木犀に目をやると、果たして蕾が色づいている。きっといくつか花を開かせているのだろう。夜になるとさらに香りが増した。
モクセというと、どこにでも植えられているキンモクセイを思い浮かべるが、ギンモクセイの方がもともとのようだ。キンモクセイは変種みたいだ。
図鑑の説明を見ると、「モクセイ(木犀) 中国原産の常緑小低木。高さ3~6mになり、よく分枝し、葉は長楕円形で、長さ8~15cm、先が急にとがる。花は10月ごろ、散形状に束生し、白色で香気がある。変種をふくめ、ひじょうに古い時代から各地で広く栽培されているので、自然分布の区域ははっきりしていない。日本には、雄株だけが植栽されていたが、近年、中国から種子が導入され、実生もそだっている。材はかたく、重くて緻密(ちみつ)である。香りのよい花と、ととのった樹形がこのまれ、世界各地の庭園に植えられている。中国では、伝説や詩歌、絵画にもよく登場する。中国では、花の色によって、品種がわけられ、白、淡黄色、橙黄色のものを、それぞれ銀桂、金桂、丹桂とよんでいる。日本では、それぞれがギンモクセイ、ウスギモクセイ、キンモクセイに相当する。ウスギモクセイは、東アジアの暖帯に分布し、九州南部に自生する。ギンモクセイより葉がやや小型で、花が大きい。キンモクセイは、中国原産で、ギンモクセイ同様、日本では雄株のみが栽培されている。3つの変種の中では、もっとも強い芳香がある。」とある。

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我が家のキンモクセイは大きくなって花をつけ始めた頃、南に集合住宅が出来、日照を奪われてしまったので、苦労して屋根より伸びて花をつけた。やっとたくさん咲き始めたら、ビニールトタンの雨よけを作られ、また枝を切られてしまったので、日を求めてようやく生えあがってきた苦労木である。でも季節になれば少しでも花をつけ、あたりを良い香りに満たしてくれる。秋といえば月とキンモクセイと酒だなぁ。花の香を肴に一杯としゃれてみようか。ちょうど「名称募集」、いままでは「お父さんの密造酒」という名のどぶろくが届いた。椎葉村の天然酵母を使っている純米大吟醸のどぶろくである。年4回製造するらしいが、寒い時期だけ取っている。今回のはちょっと醗酵が進んでいるな。まだ気温が暖かいからかな。でも美味しい。お猪口ではなくワイングラスに注いで飲んでいる。

今年は柿は生り年ではない。これは野鳥たちにはがっかりだろう。
その代わり、ハゼのみが今年はたくさん成った。葉が赤く、黄色く色づいている。まだ実は青いが、葉が落ちる頃には熟すからヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、シジュウカラ、シロハラ、アカハラ・・といった野鳥たちがついばみにやってくるだろう。楽しみである。ハゼの実はサツマノミとも呼ばれている。これにも言葉にも由来がある。
「サツマノミダマシ」という緑色のクモがいる。ハゼの実の青い実とそっくりだからこういう名前がついたようである。

ハゼノキは別名ローソクの木ともいう。ハゼの実からローを取りローソクを作ったからである。いまでもハゼの実で和蝋燭を作っているところも何箇所かある。ローソクは仏教伝来とともに中国から伝わってきた。その昔はローソクは蜜蝋で作ったので、蝋燭の漢字に虫偏がつくのだそうだ。ハゼの木の伝来も南回りと朝鮮半島経由とあるらしい。ハゼの木は栽培されていた。それが野生化して各地に広まったのだという。とはいえ、ローソクは大変高価のもので、貴族とか寺院とか以外に庶民が使うことはなかった。その後旅に使う提灯には使われるようにはなった。
庶民は専ら行灯で、菜種油をともしていた。当時の油は揚げ物などの食用に使われるのではなく、生産量のほとんどは灯油として用いられていたようだ。

コメント
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