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2005-10-19 10:15:47 | 社会・経済
日本の「汚職清潔度」21位 昨年より改善

 【ロンドン18日共同】世界各国の汚職を監視している非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナル(本部ベルリン)は18日、ロンドンで2005年版「汚職指数」を発表。日本の「清潔度」は159カ国・地域のうち21位で、昨年の24位(146カ国・地域)よりやや改善した。
 同組織は「腐敗は貧困の要因であり、貧困脱却の妨げでもある」と指摘。今年12月に発効する国連腐敗防止条約が、外国公務員らに対する贈賄などの防止に役立つことに期待を表明した。
 清潔度1位はアイスランド、2位はフィンランドとニュージーランドが並び、4位はデンマーク、5位はシンガポール。イラクはインドネシアなどと並び137位、最下位はバングラデシュとチャドだった。

透明な指数表

 トランスペアレンシー・インターナショナルの汚職・腐敗度指数表については批判もあるが,そのランク付けは一部の諸国における汚職を暴くことに役立った。トランスペアレンシーは,今度は贈賄指数を発表した。その影響は非常に広範囲に及ぶだろう。

 1998年9月,トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は,世界85カ国の汚職についての認識に関する最も包括的な指数を発表した。1995年に開始された汚職・腐敗度指数(CPI)は,多くの諸国において実質的な汚職防止改革のための議論を促し,そのための基礎を提供した。
 トランスペアレンシー・インターナショナルは,公共部門の汚職に焦点を合わせ,汚職とは私利のために公職を濫用することと定義している。トランスペアレンシー・インターナショナルの汚職・腐敗度指数は,この私利のための公的権限の悪用の一掃を目指している。

 CPIは,公務員や政治家の間に汚職がどの程度存在すると認識されているかという点から各国をランク付けている。1999年の指数は,ビジネス関係者,一般大衆及び各国のアナリストについて10の独立機関が行った17の調査を利用して,99カ国のランキングを決めている。


批判的なとらえ方

 汚職・腐敗度指数が国民の汚職についての認識を高めたことは確かである。汚職・腐敗度指数を作成した人々によれば,その結果,一部の諸国で改革が行われることになったという。しかし,この指数は批判も浴びている。その批判の一つは,トランスペアレンシーの調査方法の質に関するものである。一部の人々は,各国で行われた調査の規模がまちまちであるために,指数に歪みが生じていると主張している。また調査した99カ国の選択を問題にする人々もいる。中東からはヨルダン1カ国しかリストに含められていない。トランスペアレンシーはその方法論を弁護しているが,その内容を考え,改善の余地があることを認めている。もう一つの批判は,指数が具体的な実証的データに基づいているのではなく,認識に基づいているため,信頼できないというものである。しかし起訴や裁判事件の件数の比較といった事実に基づくデータでさえ,検察官や裁判所の質の問題を追加すれば,信頼できないものになってしまう可能性がある。

 汚職・腐敗度指数に関して指摘された点で,弁護しにくいのは,汚職・腐敗方程式の一方,すなわち収賄側しか明らかにしていないという点である。贈賄者は全体像から除外されている。意外なことではないが,汚職の生じやすい国のランクは圧倒的に非常に貧しい諸国に見られる。腐敗度の低い国はすべて先進工業国である。しかし,誰がそれらの賄賂を贈るのか。また汚職が非常にグローバルなものであることを強調することがTIの設立の原則の一つではなかったのか。なにしろ毎年全世界で約1,000億ドルが賄賂又は他の何らかの献金として支払われており,その多くがより豊かな国から支払われているのである。

 このため,トランスペアレンシー・インターナショナルは,主要輸出国における贈賄の傾向を評価するために,1999年,新しいランキングを追加した。これは贈賄指数(BPI)というものであり,1999年のOECD協定に対する筋の通った回答であるとトランスペアレンシーは説明している。OECD協定に基づき,ほとんどの主要先進国は,国内の多国籍企業が外国に賄賂を贈ることを阻止するための措置を講じることを約束している。トランスペアレンシーによれば,この新しい贈賄指数は,協定を完全に実行する必要があることに国民の注意を向けるとともに,協定の成功を評価する一つの可能な方法を提供することを目的としている。


贈賄者はどうなのか?

 この新しい贈賄指数は,その国の企業がどの程度外国に賄賂を贈っていると認められるかという点から主要輸出国をランクづけるものである。これは,ギャロップ・インターナショナル・アソシエーションがトランスペアレンシー・インターナショナルのために世界の14の主要新興市場――アジア・太平洋地域が5,アフリカ,南米,及び欧州が各3――において行った特別国際調査の結果である。調査した国を合計すると,新興市場の輸入の約60%を占める。これは重要なことである。というのも,贈賄指数は,汚職についての輸出国の責任と,開発途上国及び市場経済移行諸国――トランスペアレンシーが国際的汚職の「最前線」と呼んでいる諸国――に及ぼす影響を把握することになっているからである。

 ギャロップは,各国において,様々なビジネス部門を網羅する外国企業および国内企業の最高経営責任者,法律事務所の責任者,主要会計事務所のパートナー,大手銀行の商業銀行業務責任者など55~60名の回答者を調査した。回答者の約90%は非OECD諸国の者であった。


意外な事実

 1999年の指数によって明らかにされた主なパターンはどのようなものなのか。まず第1に,汚職・腐敗度指数については,フランスやイタリアなどの一部の主要先進国が「クリーン」と見なされず,上位20位に入らなかった。イタリア・ミラノの下級判事の「クリーンハンズ」作戦やフランスの同様の厳しい手続きにみられるように,両国とも先頭に立って汚職と戦っていたにもかかわらずである。他の欧州諸国は,銀行の機密保持を特徴とし,マネーロンダリングについて金融活動タスクフォースから質問を受けたにもかかわらず,上位20位に入っている。

 最下位の2カ国は,アフリカの隣国同士のカメルーン(99位)とナイジェリア(98位)である。しかし両国は特殊な時期にリスト上で最も腐敗した国として認識されており,より長期間に亘るその後のリストでは,その順位が変わるかもしれないことをトランスペアレンシーは強調している。最高の順位と最低の順位を分けるもう一つの点は,対GDP比率で表した政府支出の規模である。最も腐敗度の高い諸国のサンプルでは,これが平均よりも低く,最も腐敗度の低い国では政府支出が平均よりもかなり高い。もちろん,この差は公式に記録された支出額にのみ関係している。

 汚職・腐敗度指数の場合と同様,やはり北欧諸国――今回はスウェーデン――が,贈賄の可能性が最も低いと認められた。これは興味深い。というのもスウェーデンは,OECDの中で,昨年まで賄賂の課税控除が完全に否定されなかった国の一つだからである(Martine Milliet-Einbinderの記事参照)。中国は最低のランキングであり,その次が韓国である。韓国はOECD加盟国としては最も贈賄の可能性が高いと見なされている。贈賄指数が発表された後に行われたある新聞調査によれば,韓国の国民もこの調査結果に異論がないようである。新興経済(しかも危機後の新興経済)であることのプレッシャーが,韓国に贈賄傾向があると見なされた理由の一つかもしれない(Jean Cartier-Bressonの記事参照)。

 言うまでもなく,この新しい贈賄指数が1999年10月に発表されると,大騒ぎとなった。ドイツは,アメリカと並んで,中位のランキングであったが,ドイツ産業同盟(BDI)会長のHans-Olaf Henkelは,輸出企業に対し,外国に対する贈賄にもっと厳しく対処するよう要求した。ドイツでは多くの企業がまだ外国の公務員に対する贈賄を禁止する新しいOECD協定のことを知らないと同会長は述べている。加盟国が他の加盟国に圧力をかけることの現れとして,ヘンケル氏は,まだ贈賄禁止協定を批准してないOECD諸国にもっと圧力をかけるようドイツ政府に訴えた。


どの部門に贈賄が多いか?

 トランスペアレンシー・インターナショナルが1999年に打ち出したもう一つの新機軸は,ビジネス部門における贈賄の認識を発表したことである。その結果は全く意外というほどではなかった。というのも新興市場諸国の企業経営者や専門職は,国際的贈賄が最も広く行われているのは公共事業及び建設部門であり,次いで軍事産業であると見ているからである。興味深いことに,銀行及び金融部門は,腐敗度が比較的低いと見なされていた。
http://www.oecdtokyo.org/tokyo/observer/220/220-10.html

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