暑いと言ってシャワーを浴びに行ったPapasanが、裸のまま飛び出してきた。「何事?」「ゲジゲジがいたから、排水口に入れて流しちゃった。あ~気持ちが悪い。まだ背筋がぞくぞくする」「じゃぁ、汗が引いたんじゃない?」「うん、寒くなったよ」「しかしねぇ、ゲジゲジは益虫なんだよ。クモと同じで、人間が勝手に気持ち悪がっているだけなんだよ」「だってムカデは噛むよ」「ゲジゲジはムカデとは違うよ」そこでゲジゲジの項を読んでやった。「Papasanが騒ぐと思うから、見つけると外に逃がしているんだけどねぇ。ここんところ湿気てるからよく出て来るんだよ」「益虫なの。じゃ~mamasanを呼んで外にだしてもらえばよかったね」「うん。人間から見た姿で好き嫌いされちゃ~、ゲジゲジもあわないよ。クモの大家はゲジゲジを’オトヒメノマツゲ’って呼んでるよ。よく見るとなるほどと思えるんだがなぁ」
ゲジゲジの名誉のために、Papasanに読んでやった記述を、ここに載せておこう。名古屋市衛生研究所の方の記述である。
ゲジ
[学名] Thereuonema tuberculata (Wood)
[分類] ゲジ目,ゲジ科
成体の体長約3cm.長い脚(歩肢)が特徴.体はムカデのように扁平でなく,棒状.背面はくすんだ黄緑色で,暗色の3条の縦帯がある.
1齢幼体は4対の歩肢があるが,増節変態をするので,脱皮ごとに体節が増え,成体で15対の歩肢を備える.約2年で成体となり,5~6年間生存する.
昆虫などの小動物を捕食し,家屋の周辺にも生息する.
カ,ゴキブリなどを捕食してくれるので,益虫でもあるが,室内に侵入したりするので嫌われる.俗説で「ゲジが人の頭を這うと禿げる」といわれるが,まったくのぬれぎぬである.ムカデのように咬むこともない.