毎日のように餌を貰いに来ていたかぽ一族の姿が見えなくなって、何ヶ月かになる。巣作りのためにペアを求めて、どこかへ行ってしまったのだろう。それにしても全員、ぱたっと姿を見せなくなってしまうなんて。
上のうちの屋敷に立っている柿木のうえのほうにカラスの巣があるのは気がついていた。あんなところに巣を作ったら、空から丸見えだ。トンビに狙われるだろうに、なんて思っていたが、巣にカラスがいるかどうかも確かめもせずにいた。いまは柿の葉が茂り、下からも巣が在るかどうかは見えない。
しかし、このカラスたちはハシボソカラスである。以前のかぽたちはハシブトカラスなのだ。ときどき、野鳥の餌台に来て、ご飯を食べているのは見かけるが、かぽたちのように餌をねだるわけでもない。こちらも知らん顔している。
ハシボソの声はなんとなく濁っている。カーカーではなくガーガーに近い音がする。
旅行に行っている間に餌がもらえないから移動したものか、ソウシチョウもメジロもすっかり姿を消してしまった。みんな巣作りで山にかえったのかもね。