外を見ると、霧が山から降りはじめている。山は降っているかもしれないが、いまのうちならと箱根にイソヒヨドリの巣を届けに、久しぶりに森のふれあい館を訪ねた。石原館長さんはまだ若いが、私の動植物の先生である。森のふれあい館は箱根町の施設で、動植物の展示を通して森林やそこに生きるものたちのすばらしさを学習していくことを目的に作られている。森のふれあい館は2階建ての建物だが、まわりには散策できる森や広場が作られていて、ハイキングやピクニックも出来る。その先は芦ノ湖である。
館長さんが出てきて、展示室を案内してくれたが、勝手に見るからと展示物をゆっくり眺めてきた。石原さんが館長になって、展示にも努力が伺える。自然に興味のある人には子供ならずとも、たのしいひと時がすごせる。
石原さんとの出会いは、もう30年ぐらい前になるが、真鶴で野鳥の写真展をしようと、富士吉田にお住まいの野鳥写真家、名前が思い出せないが、どこかに写真集は買ってある、の写真を貸してもらいに、生活学校の仲間たちと、大涌谷の自然科学館を訪ねたのが始まりである。石原館長さんは学芸員をしていた。お借りした野鳥の写真は、町民センター2階のスペースで展示した。2回ぐらいやっただろうか。写真を返しながら、私が写したアオダイショウがアヒルの卵を飲み込む写真を何枚も撮って持っていったのだった。その写真を見て「これだけの写真が撮れるのなら」と記録の仕方を教えられ、弟子になったのである。写真のみならず、死んだヘビや野鳥、生きたヘビやヤモリまで届けた。生きたヘビはちゃんと返してもらっている。私の蛇の写真も飾られていた。その大涌谷の自然科学館が取り壊されて、新しく森のふれあい館となったのである。
自然に関して、わからないことがあると、すぐここに電話して先生サマに教えてもらっているが、最近はあまり行った事はなかった。家から行くには、森のふれあい館の方が近い。十国から上って、一号線を芦ノ湖に下ってくるとすぐなのである。
お土産に木の葉をラミネートしたものをたくさんいただいた。前の教室においてくると、その後、和美さんが来て、大きなのはガラス窓に貼り、光にすかしてスンドグラスみたいにするのだという。そして一枚一枚になったものは、使い方が書いてあ って、カルタにできるのだそうだ。たとえば、読み手が「ブナ」と言ったら、ブナの葉を探して取る。ふ~ん、木の葉を覚えられるね、考えればもっと利用法があるかもね。
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