シリアのエブラ遺跡でサトイモ科のこんな花に出会った。紫紺というより黒に近い紫の花、なんていう花か名前を知りたいと思っていた。生命の地球・・博物館にもメールを送った。
ヨルダンに一年間滞在したぱぶさんがヨルダンの野生植物の本を貸してくれた。ちゃんと載っていた。それを見るとEminium spiculatum、やはりサトイモ科の花だった。webを探すとたくさんの記述が出てきた。これには毒があるので、生で食べてはいけないと書いてあった。調理すればいいというから、たいした毒ではないのだろう。コンニャクイモだって生では食べないよねぇ。それにしてもサトイモ科のEminiumは種類が多い。サトイモを連想すると水分のある土地を考えてしまうが、砂漠にも強いんだ。ふ~ん。
ついでアザミを探し始めた。アザミは種類が多い。世界で250種ぐらいあるそうだ。そのうち日本には70種余りがあるというから、比率では多いことになる。
アザミは英語ではThistleだが、学名は様々。onoperdumはonos(ロバ)perdo(破滅するために) acanthos(とげ)
要するに「ロバによって食べられるとげの多い植物」ということになる。
このほかにもcirsium、carduusはアザミ、notobasis(シリアのアザミ)、arctium(ゴボウ)、などがある。そうか、ゴボウね。ヤマゴボウの味噌漬けはヤマゴボウではなく、アザミの根だった。ゴボウに似ていたのでそうつけられたんだろうが。ヤマゴボウという名の植物もあるから混乱してしまうよ。
漬物に使われるアザミはマリアザミというのだそうだ。薬用種らしい。ミルクアザミ(silybum)なんて名のアザミもある。
しかもセイヨウヤマゴボウは外来種でやたらと繁茂して、うちの周りにもあり、ブドウ色のきれいな実がなるけど、毒がある。
onoperdumはオオヒレアザミ(cotton thistle)はスコットランドのアザミ。スコットランドの花はこのアザミだそうだ。
アザミといえば、イースター島は近い将来アザミとルピナスに席巻されてしまうのではないかと思うくらい、勢力を伸ばしていた。ルピナスは家畜には毒があるけど、アザミはないだろう。でも馬や牛は食べないらしい。あそこは馬は持ち主がいても、家畜として飼ってはいなくて、放りっぱなしだった。イヌも馬も自由に生きていた。