玄関に出ると甘い香が漂っている。この香、キンモクセイの香だ。柿の枝に覆われて、日陰になっている木の間から、幾つかキンモクセイの花が見える。もうそんな季節になったんだ。手折ってきて部屋に挿そうと側によると、花はまだようやく開きかけばかりのうすいオレンジ色だ。もう少し濃いオレンジ色になるまで手折らずにおこう。開きかけでもこんなにいい香がするんだね。ここは日当たりが悪いからこの程度なんだろうけど、日当たりのいいところでは満開なんだろう。香が部屋まで漂ってきた。馥郁たる花の香で一杯なんてシャレたいところだ。
茂みの中にソウシチョウの姿が見える。なるほど声も聞こえる。4月旅行に行っている間に姿を消して以来初めてだ。どこへ行っていたんだろうね。