La lune

la luneなんて書くと、天文ファンの私のこと、「お月様」のことと思われそうだが、これはワインの名前である。
1週間ほど前、娘が来た。そのとき、帝国ホテルのレシピのチーズケーキをつっておいてと頼まれた。このケーキは何度も作っている。白ワインを使う。

白ワインを飲むことはあまりない。白ワインはもっぱら料理用に使っている。そういうこともあって、白はあまりいいワインは買っていない。このチーズケーキのチーズクリームは甘みは一切入らない。そこで、甘口のワインを使ってみてはどうだろうと頭で考えていた。思いついたのはソーテルヌ、貴腐ワインである。昔、飲んだ味を覚えていたのである。

いつもワインを選んでもらっているワイン屋さんに頼むと、ソーテルヌは高いから、代わりに甘口のワインを選んでおきましたと送ってくれたのがla　ｌune、ロワーヌの白ワインだった。飲んでみた限りでは、そんなに甘いとは思わなかった。でもこれしかないので、クリームに入れた。とはいっても５０ｃｃしか使わない。

翌日、娘が来たときケーキを切った。一口食べて、あれ、いつも違う、いつもより豊かだ。材料は変わらない筈なのに、そこではっと思い出した。ワインのせいだ。甘いというより華やかな感じがする。これはいい。ワインはいっぱい残っている。もうひとつ作ろう。カマンベールチーズを買ってこなければ。そして1週間経ってしまった。同じように５０ｃｃをクリームに入れてみた。すっぱい。あの華やかさはすがたを消してしまった。あ～あ。
仕方がない、これはグラタンに使うとしよう。ケーキ用にはハーフボトルを探そう。

マーマレード

毎日、マーマレード作りにいそしんでいる。
先週、我が家の甘夏を2個とってマーマレードを作った。いつものように作ったんだが、出来上がりは美味しくなかった。どうも夏かんのせいらしい。翌日葉子さんちから、たくさん甘夏をただいた。もちろんマーマレード用にである。早速2個、仕込んだ。美味しい。やはり出来上がりの美味しさは、甘夏のせいだった。
ホウロウのなべがあまり大きくないので、１回に夏かん２～３個ずつ、つくる。皮を８等分に包丁をいれむき、実はボールにとり、計量し、砂糖の分量６０％を計算しておく。皮を刻みボールにいれ、たっぶりの水に浸し、４、５回水を取り替える。水をスプーンで口にして苦味をはかる。これに時間がかかる。大抵、前日仕込み、茹で始めるのは翌日。実の方は薄皮をはずして実をほぐしておく。作業はどちらも面倒くさい。茹でながらも、ゆだり具合、茹で汁をなめては、苦味のチェック、と手間はかかる。

今年は特に大変だった。３月の終わりに引いた風邪が一向に直らず、咳と鼻水が続いていた。そんなことは毎度のことだからいいのだが、今回は背中が痛くて参った。そこで朝倉さんへ行って、背中の左側が痛いと訴えた。筋肉痛ではないかという。レントゲンを久しく撮っていなかったので、その写真を取った方がいいと言われた。そこでその足で診療所に行き、いつ取れるのかきき、３０日の木曜を予定に入れ、買い物に行った。

背中の痛みは日増しに増え、作業を中断しなければならないことが多くなった。30日、レントゲンを撮った。別条なかった。年の割にはきれいな肺だった。青年期、肺門リンパ腺結核を経験しているので、肺には気を使うが、異常はないようだ。診療所の内科の医師も背中の痛みは筋肉痛ではないかという。筋肉痛になるような覚えがない。でも実際にこんなに痛いのだから、なにか原因 があるのだろう。鎮痛剤を飲んでもいいと朝倉さんが言ったので飲んでは見たが効果はない。で、我慢しいしい、マーマレード作りに励んでいる。

毎日のようにケーキを作り、友人たちにごそっと文書をおくりと、こまめに仕事はこなしているが、主要な手は右手だ。どうして左半分の背中が筋肉痛になるんだろう。わからないよ。

マーマレードも後一回分で終わる。せっかく下さったのだから無駄にしては申し分けない。それに作っておけば1年中食べられる。あ～、このマーマレード、我が家のカレーに合うんだ。
カレーといえば、愛用していたマコーミックのガラムマサラがなくなった。香辛料は単品ならいいが、調合してあるものは、どこのでもいいというわけにはいかない。あちこちで探していたが、そうだ、ネットで探してみようと探すとすぐ見つかった。簡単に送ってくれた。