今年も新潟のわらびを頂いた。お嫁さんの実家から届けられるそのわらびをあく抜きし、醤油と酒で、味付けしたそのわらびは大好物。太い茎、ぬめり、市販のわらびにはない舌触りと味。時折道の駅などで見かけるワラビを買ってきてあく抜きして試しているが、わらびの種類が違うのか全然美味しくない。で、毎年いただくのを待っている。
papasanに「昔から、初物を食べると寿命が延びると言われているんだよ。確か75日伸びると言われていたな。寿命が延びるはともかく、初物には腸内の老廃物を押し出す効果があるのかも」「なんで75日なの」「諸説あるみたいだけど、江戸時代、死刑囚には処刑前好きなものを食べさせる、という決まりがあった。ある死刑囚は、季節にないものを申し出た、が決まりなのでそれが出て食べさせてから死刑施行した。75日はそれにちなんでいるそう。75日生き延びたのがよかったのかどうかは知らないけどね」
そういえば今日、ネットで、脳梗塞で身体がマヒし、さらに腰痛で苦しむ妻を長年介護をしていた夫が、妻の依頼で殺した話を読んだよ。彼自身もがんを患っていたそう。裁判で「他に選択の方法がなかったのか」と聞かれ、他の選択はなかった、と答えた。夫婦二人で支えあっていたから、福祉事務所から施設に入ることを勧められても、面倒みられるうちはと介護をしていたそうだ。
決行の日、妻に「逝くか」と聞くと、妻は「うん」とうなずいた。そこでマフラーで妻の首を絞めた。妻は抵抗はしなかった。妻の死を見届けて自分も腕を切ったが、死ななかった。一緒に死ねていたらとは思っていると。
老々介護、家もおんなじだよね。二人で生活を始めたのもここの家だし、できればここの家で死なせてあげたいとは思っているよ。でもそれもmamaが元気でいればだよ。mamaが動けなくなったら、仕方がないけど施設に入ってもらうけど。一緒に逝ければそれに越したことはないけど、それは無理だろうから、だからさ、できればmamaが動けるうちに、死んだ方がいいよ。冷たいようだけど。そういう話も二人で、まだ頭がちゃんとしているうちに、話し合っておかなければいけなくなってきたね。
雨が音立てて降っている。スズメたちがエサがないと窓にへばりついて私を探している。