ドアを開け、深呼吸する。甘い香りが鼻をくすぐる。夏柑の花は終わったはず、あたりを見回すが咲いている花はない。この香り、覚えがある。椎の木の香りだ。見上げる木は大きくて花は上は見えないが、きっとそうだ。
裏窓を開けるとやはり甘いかおり。これは何だろう。目を凝らすとフェンスに絡まった蔓に花が咲いている。スイカズラだった。一枝手折ってきて台所でパチリ。
次いでだから夕べ取ったヤモリも。未だ中型だ。
9時過ぎ、天ヶ降っていないのを見て、ブラウスだけで小田百まで牛乳を買いに行った。とおりに出ると、ポツン、きゃ~雨だ、引き返すのは嫌だ、とわめいたらとおりががかり人に顔を見られてしまった。えへへ。
買い物をして急いで家に戻る。いつしかに雨が静かに降っている。なんでさ、いい加減に晴れてよ。