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カラス

2007-05-27 23:32:48 | 動物記

1月頃からかぽと名づけてかわいがってきたハシブトカラスが姿を消した。毎日、何度もえさをもらいに来ていたカラスたちなのである。家に来ないだけでなく、周りにも姿が見えなくなった。どこへ行ってしまったのだろう。カラスは子育てが終わると群れを作るから、群れと一緒にどこかへ移動してしまったのだろうと思っていた。

その間、近くの柿の木にハシボソカラスが巣をつくっていた。子育てが行われていたかどうかは定かではない。ハシボソは庭に来て、スズメのえさを食べてはいたが、人間のそばに来ることはなかったし、ましてなれることはしなかった。私たちにしてみれば、時折見かけることはあっても、ヒヨやメジロ、相思鳥以上のものではなかった。

ところがである。先日、突然ハシブトのかぽたちが帰ってきた。かぽたちは私たちを覚えていて、まっすぐにえさをねだりに来た。相変わらず肉はのどの袋に溜め込むし、シフォンは水にぬらして食べるし、手からももらう。どっちかといえば、甘ったれるかぽたちの方がかわいい。

面白くないのはハシブトたちである。自分たちがのんびり暮らしていたところへ侵入してきたのだから、かぽたちは侵略者である。しかも大きな顔をしてえさをもらっている。初日、追いかけっこをしているのを目撃した。パレスチナとイスラエルだなんて、面白がって眺めていた。

昨日、ハシボソにシフォンを投げてやると、自分にくれたのがわかったらしく、ひとつひとつ拾ってまとめて持っていった。こういうところはハシボソもカラスだ。これだと共存できるかな。

今朝もハシブトのかぽたちが餌をくれと枝に来て鳴いている。かぽ用に細切れが買ってある。それを持って外に出て、かぽにやっていると、もう一羽、木蓮の木にカラスがいる。相棒かな、と思っていたら、そのカラスがいきなりかぽに襲い掛かった。ハシボソだ。かぽは口に肉をくわえたまま、逃げていった。その後を追いかけるハシボソを見た。やれやれ、共存は無理かな。

しばらくするとカラスの声がする。ハシボソの声だけど、と外に出るとやはりハシボソ、餌をねだっている。かぽたちが餌をねだるのを見て、学習したらしい。そこでシフォンをちぎって投げてやると、拾っている。

シフォンは需要が多い。カラスが食べなければ、スズメもウサギも待っていたとばかりに拾っていく。カラスが警戒して、のそのそしているといち早く、見つけて飛んでいくのはスズメだ。スズメの後を、安全を確かめてからカラスは降りてくる。だけど枝に刺してやったものはまだ警戒して食べない。

ハシボソがいなくなると、待っていたとばかりにハシブトがやってくる。かぽには何度餌をやっているか、出たり入ったり、いい運動だよ。

共存できるようになるのか、それともどちらかが追い出されるのか、果たしてどうなるのだろう。興味駸々で眺めている。

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