2月3日(土)
9時過ぎ、のそのそ起きだすと、pcの部屋は6℃。ひゃ~寒い。夕べは冷えたんだ、ジョロウグモは大丈夫だろうか。見回りに行く。触ってみると3匹とも足を動かす。むしろ昨日より元気に逃げる。無事だった。
「いい天気だから外出しない?ウチにばかりいて日に当たらないから風邪が治らないんだよ」とPapasan。「出かけてもいいよ、どこへ行くの?」「そうだね、初島でも行こうか」
外を見ると海の方はガスがかっている。裏は晴天。「箱根の方がいいかもよ。」とにかく、カメラバッグを肩にかけて出かけていく。吉浜は渋滞。やっぱり箱根だよ、と勝手知ったる横道を通って、奥湯河原からパークウェイを上る。光がまぶしいくらいだ。紫っぽい冬枯れの山の景色は好きなんだ。今日は富士山はきれいかも。
富士山だ、宝永山あたりがもやっている。雪煙かな。真っ白な南アルプスもよく見える。ただし駿河湾の方はかすんでいて遠望がきかない。毎度のことながら湖畔を通って湖尻に。
「走ったことがない道を行こうよ。深良用水を長泉に下ってみようよ。たしか先生様が有料道路を100円払って突っ切ればいいって言ってたよ」てなことで、100円払ってスカイラインに入った。幹線に出たが、それらしき道は見えない。ボードには、すこし元箱根方面へ行くと裾野に下りる道がある。あれかも。そこで、そっちに向って走った。先生は横切るって言っていたけどなぁ。ともかく三国峠まで行ったが、下りる道はない。深良水門が湖尻なんだから、そんなに戻るはずがない。しかたがない、戻ろう。湖尻に下りるところに来ると、本線に並行するように細い道が下っているのに気がついた。これだよ。行ってみよう。
箱根峠から深良へ下る道は県道377号線。車どおりなんてないと思っていたら、上ってくる車に何台もあった。深良用水はどう流れているんだろう。途中に東電の発電所があるはずだがどこだろう。深良用水は江戸時代、水不足に苦しんでいた農民のために深良村の庄屋が幕府の許可をとって芦ノ湖の水を引いたのだった。箱根峠をトンネルでくりぬき、水を下に流したのだった。このおかげで、水利権が発生し、神奈川県は県内にある芦ノ湖の水を使うことが出来ない。いまだに芦ノ湖が増水したときだけ、水門を開けて早川に水を流す。先をみる政治家がいないと、子孫はこういう憂き目にあうことになる。これを題材にして「箱根風雲録」という映画が作られた。内容は少し脚色され感動的だったように思う。映画は見ている。
「註:箱根用水 はこねようすい 深良(ふから)用水ともいう。箱根の湖尻峠の下にトンネルを開削し、芦ノ湖の水を駿河国駿東郡にひき、深良村(静岡県裾野市)ほか29カ村の水田を灌漑(かんがい)した用水。当時は箱根掘貫(ほりぬき)とよばれた。水不足になやむ深良村名主の大庭源之丞(げんのじょう)が用水計画をたて、江戸町人の友野与右衛門ら3人の協力をえて、小田原藩と幕府に許可をもとめ、1666年(寛文6)トンネルの開削工事を開始した。1350mにもなるトンネルは、幕府から6000両の借入金と小田原藩領の村々からの工事人足の提供で、70年にようやく完成した。用水の完成で約530haの畑地の水田化が可能となり、6000石余の生産高の増加が実現したという。17世紀後半の大規模新田開発の数少ない成功例といえる。
友野らは用水管理の元締めとなり、投下資金の回収に成功しているが、その後、撤退。のち、用水の成功で長泉町の芦ノ湖神社にまつられることになる。明治期以降も、芦ノ湖の水利権をめぐって駿東郡側と箱根側の村の間で紛争がおきるなど、周辺住民の生活をささえる重要な用水である。」(エンカルタ百科辞典より)
深良村は裾野市になっている。はじめての道なので、野次馬はきょろきょろあたりを眺めている。長泉町を通った。長泉町は合併していないようだ。がんばれ。美術館があるはずだけど、どこかな。何度も行ったことはあるけど、道が違うとわからない。三島に入った。佐野美術館は何をやっているかな、などいいながら前に来ると、すごい人出。みると源氏物語絵巻が展示されているようだ。またにしようと、通り過ぎた。136号線の入り口は混んでいる。1号線を箱根に向うが、私は熱函道路で野菜を買うんだといったので、横道に入る。「どこへ行くの」「道があるから」禅問答みたいなことを言っている。「この道はどこへ行く道?あれ、この道、来たことあるよ。ほら、玉沢の名刹だよ。この前来たとき、あの健康センターとかでお茶を飲んだよ」
このお寺は玉沢妙法華寺、日蓮上人の高弟日昭上人によって鎌倉に開山され、江戸時代に熱心な信者であった徳川家康の側室お万の方によってこの地に移され、七堂伽藍が完成した。当時の敷地面積は5万坪あったという。説明はPapasan。山門につながる百間堀の塀も新しくなったように思える。
境内は日差しが明るく、たくさん植えられている梅の古木。紅梅は咲き誇っていたが白梅はまだ蕾がふくらんでいる程度だった。シジュウカラやヤマガラが木の間を飛んでいる。
百間掘
紅梅は満開
この道がどこに行くか行ってみよう、と山道を上っていくと、なんと国道一号に出た振り出しに戻ってパークウェイを下って帰ってきた。