返済猶予法案強行採決に見る攻守交替模様の数々

2009-11-19 18:11:24 | Weblog

 金融機関に借金の返済猶予を促す「中小企業等金融円滑化法案」が衆院財務金融委員会で今日、野党自民党と公明党が「採決前提の審議には応じられない」として欠席する中、強行採決して与党及び共産党の賛成多数で可決したと「asahi.com」記事が伝えていた。与党は午後に衆院本会議を開き、今夜中に可決させ、参議院に送る構えだと「NHK]が夕方6時のニュースで流していた。

 採決の場での欠席は政権交代以前は民主党や社民党などの野党がオハコの国会戦術だったが、今度は自民党や公明党が使い、攻守交代の印象を与えた。

 「asahi.com」記事は自民党の「数に頼った自分たちの都合だけで動いている」とする与党批判を紹介しているが、かつての民主党も社民党も自民党の強行採決を「数の横暴だ」、「数に驕った態度だ」と批判したものだが、この手の批判にしても攻守交代の感がある。

 尤も攻守交代はこれだけではない。自民党政権時代、与党は現・元官僚の天下り人事をほぼ容認してきたが、そのたびに民主党その他の野党は天下りだと批判。日銀人事やその他国会同意人事では野党は天下り人事反対の姿勢を貫き、参院与野党逆転状況を利用して官僚系人事に反対、潰してきた。

 だが、政権を攻守交替させると、民主党政権は斎藤次郎元大蔵事務次官の日本郵政社長起用、江利川毅・前厚生労働事務次官を野党自民党や共産党の天下り反対の声を抑えて衆参両院本会議で与党多数で可決、18日の持ち回り閣議で人事院総裁に充てることに決定したが、天下り人事とその反対・賛成の攻防に関しても見事なまでに攻守交替させている。

 また自民党政権時代の安倍・福田・麻生各内閣の政策に対して野党はブレているとか、公約違反だとか、散々に批判・攻撃してきたが、民主党が政権を取ると、沖縄の基地問題や子ども手当ての所得制限だ、所得制限はしないだ、官房機密府の透明化の撤廃等々、ブレも公約違反(=マニフェスト違約)も攻守交替させているようだ。

 政権が攻守交替すると、政策も姿勢も、何から何までと言いたいくらいにこうも攻守交替するものなのだろうか。

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