2/4衆院予算委小川淳也追及:厚労省統計不正は安倍晋三が「統計改革」を成長戦略一つとしたことが発端か?

2019-02-11 12:29:57 | 政治
 

 安倍晋三:2019年1月28日通常国会施政方針演説

 「五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました」

 「今世紀最高水準賃上げ」結果のアベノミクス成果とは経済界の尻を叩いて賃上げさせ、実感なき景気を実現させたことを言う。
 統計不正で実質賃金下げとなったら、その可能性大だが、見た目は堂々のハリボテ景気そのもの。

 厚労省の統計不正がアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑を抱えることになった原因は、2019年2月1日付「BLOGOS 」記事から得た知識だが、賃金調査で給料の高い東京の事業所数のサンプルが少なかったために平均賃金が実際より低めに出ていたが、厚労省は2018年1月調査分から抽出した事業所数を約3倍にする補正をし始めた。

 この「補正」という言葉は無所属(立憲民主党・市民クラブ会派)小川淳也が質疑で使っているが、この3倍補正によって前年同月比の賃金伸び率が急に高く出るようになった。この急激な賃金伸び率を以ってしてアベノミクスの成果の根拠とした。

 記事は補正によって「平均賃金額が実態に近くなった」と書いているが、3倍補正が適正なサンプル抽出だっかどうかも疑問である。同記事は2019年1月23日付「asahi.com」記事を引用して、〈厚生労働省は2019年1月23日、正しい数値に近づけるデータ補正が可能な2012年以降の再集計値を発表した。現金給与総額(名目賃金)は全ての月で修正され、18年1~11月の伸び率はすべて縮んで最大で0.7ポイント下方修正された。〉と解説しているから、3倍補正自体に於けるサンプル抽出の適切性有無の問題は残る。

何れにしてもサンプル抽出に問題を抱えていて、併せて厚労省が名目賃金を下方修正しておきながら、実質賃金の参考値の公表を拒んでいる態度からすると、公表がアベノミクスに不利になるといった動機以外は考えられないから(有利になるなら、野党が要求しなくても、自分達の方から喜々として公表している)、アベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑はますます深まってくる。野党が国会でいくら追及しても、安倍晋三側がシッポを出さないだけなのかもしれない。あるいはシッポを捕まえられないように巧妙に逃げ回っているだけかもしれない

2019年2月4日衆院予算委で無所属(立憲民主党・市民クラブ会派)の小川淳也が2016年6月2日閣議決定《経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~》と、半年後の2016年12月7日「第16回経済財政諮問会議」の「議事要旨」を取り上げて、アベノミクス偽装・賃金偽装の観点から政府を追及している。文飾は当方。

 小川淳也「70年間、じゃあ、ここから先ちょっと議論しましょう。70年間ね、毎月勤労統計が全数入れ替えをやってきたにはそれなりの理由がある。そしてわざわざ自前の研究会では、それ(全数入れ替え)をしないという結論を出した。

それを厚生労働省では一度も公式に研究していません。いきなり統計委員会の場に乗っける。つまり相当、政治的な力学が私は働いたとしか思えない。ちょっと、具体的な議論に入る前にしておきたいことがいくつかありましてね、まさにこの15年の時期から、極めて統計に対して政治家が発言するんですよ。安倍政権のもとで。

私に言わせれば、統計に政治の手が入っている。統計が政治化している。具体的に言いますよ。2千、これは(印刷物を手にして)翌年、16年の、これは骨太方針、2016年6月ですね、宿題は600兆円経済への道筋ですよ。

私は先に申し上げておきますが、麻生大臣の発言は15年の10月です。15年の9月に何があったか。安倍総裁が自民党総裁選挙で再選されてるんです。そして9月24日、アベノミクス新三本の矢と大々的に発表した。

(20)15年の9月に何があったか。安倍総裁が自民党総裁選挙で再選されてるんです。そして9月24日、アベノミクス新三本の矢と大々的に発表した。

 その一本目がGDP600兆円です。そのGDP600兆円という大本営発表に一生懸命、これ官僚ついてきたんじゃないですか、霞が関上げて。何とか辻褄を合わせようと。そういう文脈の上でお尋ねしています。

 心して聞いて頂きたいと思いますが、この骨太方針、第2章は『成長と分配の好循環の実現』。そしてその2が『成長戦略の加速』なんですね。『成長戦略の加速』ですよ。

 その中に、今分かりますよ。東京オリンピックやろうじゃないかと。PFI、TPP、国土強靭化、まあ、まあ、分かりますよ。

 しかし最後にですよ、TPPやPFIや東京オリンピックや国土強靭化と並んで、『統計改革』、『統計改善』と書いてあるんですよ。

 なーんでですか。ちょっとこれ、誰が担当なんですか。茂木さんですか。なーぜ、統計改革が成長戦略なんですか」

 茂木敏充「ご指摘のですね、この統計の問題、計算方法の変更、これ2016年の12月に実施しましたGDPの基準改定、(小川淳也が何か発言して、聞こえない。)お聞きください、冷静に。

これ、R&Dの資本化など、最新の国際基準に対応すると共に最新の産業関連表であったりとか、推定手法を反映した会計であります。(小川淳也「聞いておりません。なぜ」とか発言、茂木の発言が聞こええない)この改定によりまして、日本経済の(小川淳也がなお抗議の発言。聞こえない)・・・出来るようになったと考えております。なお、この基準改定は(手で小川淳也を指し示して)先生が与党にいらした民主党政権時代のですね、11年に対応方針が決められ、その上専門家でお示し頂いた話であります」

 小川淳也「答えられないんですよ。なぜ『統計改革』が成長戦略に位置づけられるのか。答えられないんですよ。それはそうでしょ。統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそ。

もう一つありますよ。この委員室におられると思いますけど、山本幸三先生、当時経済財政担当大臣だった。違うか、行革だった。失礼しました。お詫びして訂正致します。立派なお仕事で。

16年、いいですか、今のが6月。16年の12月に今度は山本大臣がわざわざ臨時議員として経済財政諮問会議に出かけていった。何を言ったのか。『政治主導で統計改革を実現しよう』

(一段と声を大きくして)なーんでですか。なぜですか?なぜ『統計改革』を政治主導でやらなければいけないんです?いいですか、みなさん。一党一派に偏った政治家ですよ。一党一派に偏った政治家が、『やれ統計改革』、『やれ統計改革』、この旗を振ること自体が不謹慎、おかしいんですよ。

誰か答弁したい人いますか?じゃあ、総理、どうぞ」

 安倍晋三「これ、山本大臣がですね、『政治主導の統計改革』と言ったのはですね、別に一党一派に偏よるような統計を――」

小川淳也(自席から)「偏よるよう人ですから」

安倍晋三「いや、いや。偏よるような統計をしろと言ったのではないのですよ。これは議事録が残るところでの発言でありますから。つまり第4次産業革命が今進行中である中に於いてですね、今までの統計の遣り方をですね、墨守していいのかと、ということなんです。

勿論、専門家がやりますが、それに対してですね、えー、政治家がまさに新しい時代の変化をしっかりと書き留めながら、こういうことをやっていくべきではないか。しかし、(ヤジ。委員長に)すみません」

野田聖子「静かにしてください」 

 安倍晋三「つまりその中でですね、もう一度統計の在り方を専門家で考えて貰ったらいいのではないかと、こういうことであります。つまり、一切ですね、では、一切ですね、一切、我々は一言も口を出すなということなんでしょうか。

 そうではなくて、専門家が決めていくことではありますが、今までの遣り方がいいのかどうか検討しろということはですね、これは政治主導ではないとできないんですよ、それは。

政治主導でなければできないということは申し上げておきたいと、こう思うわけでございます。この際、ずうっと今まで小川(淳也)先生が仰っていた、まるで私達がですね、『統計をいじってアベノミクスを良くしようとしている』。そんなこと出来るはずはないじゃないですか。そんなこと出来るはずはないんですよ。今、『やってるんじゃないですか』と声(ヤジのこと)があったんですが、でもこれは、もし、統計を、500人以上のですね、事業者が統計をちゃんと取っていれば、我々が政権を取ったあとももっとよくなっているんですよ。
 
 景気回復はですね、アベノミクスの統計から良くなっているし、どちらかと言うと、やっぱり大手の方から良くなっていきますから、よくよく(?)差が出てくるんです。もしむしろ下がっていたならですね、下がっていたなら、今度、雇用保険もですね、労災保険も、船員保険も、対応しなければいけなくなっていたわけではなくて、私達がもし上に嵩上げしていたんだったら、逆になるわけでありますから、だから冷静にですね、何が何でも安倍政権がですね、何か偽装しようとしていたなんていう結論ありきでは正確な議論はできませんから、やっぱりここは落ち着いてですね、統計の議論をされたらどうなんでしょうか」

小川淳也「これは私が思っているだけじゃありませんからね。多くの論調がありますよ。エコノミストから、外国のメディアから。そしてのち程でお聞きしますが、日銀と内閣府の間でやり取りしているんですから。元データ、出せと。そんな話になってるんですよ。

 更にいいます。山本大臣が政治主導で統計改革をやるべきだと、わざわざ出張って行かれて、発言したのが16年の12月。そして17年の2月に、今度は、菅官房長官を議長として
、『統計改革推進会議』なるものが出来ているんですよ。メンバー、梶山行革担当大臣、茂木、当時、経済財政政策担当大臣、そして予算委員長、(野田聖子)総務大臣。そして麻生財務大臣。そして世耕経産大臣。勿論、学識もいますがね。

こうして、もう、相当統計に、政治のエネルギーって言うんですか、政治の、よく言えば、リーダーシップというのか、私に言わせれば政治の圧力をかけているんです。現実にですよ、この時期、統計委員会に於ける統計手法の変更検査が増えている。大体民主党政権の頃は9件とか7件と言う、年間ですよ、統計手法の変更検査は。

安倍政権になって、15、13,12,15,12,物凄い数の統計手法の変更させているんですよ。これは事実です。それこれ見ると、今総理が仰ったような、何か全体見てるんだという安気な話(呑気な話)なのか、麻生大臣が仰ったような、精度を高めているんだというような綺麗事で済むのか、私はとてもそう思えない。

 具体的に勤労統計について少し議論させてください」

小川淳也はアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑をさらに追及していくが、追及しきれないで終えている。相手の言葉尻を捉えてその矛盾を突くなら、疑惑を一層浮き立たせることが出来るが、そういったことはできずじまいで、その理由は追及が全て憶測で成り立たせるだけで終えているからである。

 このことの証明の前に上記上げた閣議決定文書と経済財政諮問会議で「統計」についてどのよう言及がなされていたのか見てみる。文飾を当方。

先ず2016年6月2日閣議決定から。

 「第2章 成長と分配の好循環の実現 2.成長戦略の加速等 (7)経済統計の改善」となっていて、「経済統計の改革」なる文言は存在しない。小川淳也が「統計改革」であることを印象づけるために「経済統計の改善」を「統計改革」という言葉で意図的に付け加えたのではと疑ったが、2016年12月7日「第16回経済財政諮問会議」議事録には「統計改革」という言葉を山本幸三だけではなく、総務相として出席していた高市早苗も使っている。諮問会議議長は、勿論、安倍晋三その人である。

 高市早苗「私としても、政治の『明確な意志』に基づいて、統計改革を政治主導で進めることが重要だと考えている。」

山本幸三「『証拠に基づく政策立案(EBPM)』を推進し、的確な経済政策を支えるためには、我が国の経済構造を明らかにするGDP統計などの改善が必要であり、このため、抜本的な統計改革、一体的な統計システムの整備を促進する必要がある。また、統計改革を進めるための各省統計作成部門の人員、予算の確保及び人材育成も必要である。

このため、コアとなる関係閣僚と有識者から構成される『統計改革推進会議(仮称)』を設けて、政治主導により改革を推進する必要がある」

 山本幸三の場合は「統計改革」を連発している。

 要するに2016年6月2日閣議決定時の「成長戦略」では、「経済統計の改善」と控え目だったが、それが手緩いと感じたのか、約6カ月後「第16回経済財政諮問会議」ではあからさまに"政治主導の統計改革"という姿を露わにすることになったということなのだろうか。

 では、小川淳也がアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑追及の全てを憶測で成り立たせるだけで終えている例を挙げてみる。

 「統計に政治の手が入っている。統計が政治化している」と言った表現は言い得て妙ではあるが、具体的な根拠、あるいは具体的な証拠を示さない限り、疑惑追及は疑惑の印象のみを形作るのみで、政治の犯罪という形で炙り出す言葉とはならない。

 小川淳也は「なーぜ、統計改革が成長戦略なんですか」と茂木を追及している。ところが茂木は2016年の12月から実施のGDPの基準改定の話に持っていって、質問に答えようとしない。GDPの基準改定は国際基準化だと言いつつ、名目国内総生産(GDP)は30兆円前後の嵩上げが為されることとなった。これもアベノミクスを良く見せようとする涙の努力の一環なのだろう。

小川淳也は「統計改革がなぜ成長戦略に位置づけられるのか」を最後まで追及し続けて、なぜなのかの答弁を引き出す努力を示さなかったのだろうか。

ところが、小川淳也は「答えられないんですよ。なぜ『統計改革』が成長戦略に位置づけられるのか。答えられないんですよ。それはそうでしょ。統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそ」で終えてしまっている。

小川淳也は先に「17年の2月に、今度は、菅官房長官を議長として、『統計改革推進会議』なるものが出来ているんですよ」と発言しているが、その「最終取りまとめ概要」の最後のところに、「社会的基盤としての統計の重要性、統計等をベースにした政策立案の改善へ高い関心が寄せられることを期待」と記載されていて、「統計改革」の目的を「統計等をベースにした政策立案の改善」に置き、その改革を正当化しているが、これは綺麗事の詭弁に過ぎない。

例えば個人消費が振るわずにGDP値が下がったとする。その統計から、新たな政策が立案されるわけでもないし、政策立案の改善が成されるわけでもない。GDP値が個人消費が振るわずに下がったとする統計を受けて、既に実施した個人消費喚起の政策のどこに誤まりがあったのか、ミスマッチがなかったか等々を検証、その検証をベースとしてこそ、新たな政策立案の改善が模索できるのであって、統計のみをベースにしたとしても、何も見えてこない。

一般的には統計とは一定期間内の政策の成果の数値化であり、一定期間後の政策の指標〈物事を判断したり評価したりするための目印〉となるものであって、あくまでも政策が基本(=ベース)であって、統計そのものは如何なる経済効果も産まない。経済効果を生み出すのは政策そのものだという考えを省いているから、「統計改革」自体を成長戦略の一つとして掲げることが出来る。

 こういったことを指摘してこそ、統計改革を成長戦略に位置づけることの胡散臭さが追及でき、そこからアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑追及の手がかりを掴むことが可能となる。

だが、小川淳也に出来たことは「統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそ」と、統計作成時の姿勢に言及したのみで、もし安倍晋三一派が偽装していたなら、鼻っ先で笑わせる効果しかない発言で終わっている。

 小川淳也は「一党一派に偏った政治家ですよ。一党一派に偏った政治家が、『やれ統計改革』、『やれ統計改革』、この旗を振ること自体が不謹慎、おかしいんですよ」と批判しているが、東京大学法学部卒業後に自治省(現総務省)に入省しているエリートなのだから、もう少し言葉を選んで、「一党一派に偏った政治家」としているところを、「それぞれの政治家は一党一派の利害を代表している」ぐらいに表現すべきだろう。

安倍内閣の閣僚は安倍内閣の利害を代表しているゆえに「統計改革」を持ち出した発言となると、自ずとアベノミクスに関わる各種経済統計の見栄えを良くしたい意図を持たせている、持たせていても不思議はないゆえに、そういった利害関係から発言を読み解くと、「政治主導の経済統計改革」の正体が見えてくるぐらいのことは言うべきたっろう。

言うことが出来たなら、安倍晋三に「一党一派に偏った政治家」との発言を、「一党一派に偏よるような統計を」と言い替えられることもなかったはずだし、「何が何でも安倍政権がですね、何か偽装しようとしていたなんていう結論ありきでは正確な議論はできませんから」などと言わせずに済んだはずだ。

小川淳也が偽装に関して「これは私が思っているだけじゃありませんからね。多くの論調がありますよ。エコノミストから、外国のメディアから」といくら言おうと、証拠のない主張で片付けられるだけである。

統計手法の変更検査が民主党政権で少なかったのが、安倍政権で増えたとしていることも、偽装の何の根拠にもならない益のない発言でしかない。

追及は「統計改革を成長戦略の柱の一つに位置づけている、その根拠・理由を明らかにして欲しい」の一本に絞るべきだった。偽装の証拠を掴ませる答弁はするはずもないが、もし逃げ回るような答弁をに終止するなら、あるいは答弁に窮するようなら、偽装の証拠を掴むことが出来なくても、黒と判定できるだけの印象を国民に与えることは出来る。

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