国家主義的心理性で安倍晋三とベッドを共にしている高市早苗の自己都合な侵略論

2013-05-13 05:22:14 | 政治

 昨日、5月12日(2013年)のNHK日曜討論で安倍晋三の歴史認識を取り上げて、各党出席者の意見を聞いていた。自民党は、あの狂信的なナショナリスト高市早苗自民党政調会長。自分に都合がいいだけの主張を持ち出して言いがかりに似た牽強付会を撒き散らしていた。まさに国家主義的心理性という点で安倍晋三とベッドを共にしていると言うことができる。

 4月23日、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーと共に靖国参拝をしているが、背筋をぴんと伸ばし、両手の指先を内向き対称に揃えたMSN産経記事の写真はナチスか北朝鮮兵士といった全体主義国家の兵士そっくりの姿勢だが、内心の狂信的な国家主義・全体主義の心情が靖国参拝で全身に現れ、その狂信性を全身に纏っているようだ。 

 【日曜討論】「歴史認識」(2013年5月12日)

 高市早苗はNHK福井局スタジオからの出演。

 司会「果たして安倍内閣は戦後体制の見直しと言っているのか、東京裁判の結果というものを受け入れてこの国を作ってきた歴代内閣と同じなのか、違うのか。この辺りは如何でしょうか」

 高市早苗「国家観・歴史観についてではですね、安倍総理ご自身違った点もあるかとも思います。で、私自身もですね、先程来靖国参拝の話が出ておりますけれども、ここでやめたら、終わりだと思っております。

 要は国策に準じて命を捧げた方、いわば公務死された方を如何にお祀りするか、如何に礼をするかというのは国の内政の問題でございます。

 中国との間でもですね、1972年、そのとき相互内政不干渉という約束をしておりますし、それから中国が靖国参拝に文句を言い出したのは1985年からです。ですから、後世で、あの戦争が正しかったとか、間違っていたとか、そういった戦争の評価というものとですね、公務に殉じて亡くなった方をどう慰霊するかということは分けて考えなければいけなくて。

 じゃあ、例えがアーリントン墓地に日本の閣僚が、総理がですね、花束を捧げに行く。まあ、これはいいのか悪いのかって言い出したあら、あの、東京大空襲、今、私がいますのは福井のスタジオですが、ここも空襲に遭いました。

 原爆投下は良かったのか悪かったのか、(ふっと笑いを短く漏らして)すべての国がですね、お互いに謝り謝らないか(という)話になりますね」

 司会「ハイ、分かりました」(際限がないと調子で打ち切る)

 高市早苗「それからちょっとおかしいと思いますすね」

 司会「ハイ、その問題と外交との関連、また議論していきましょう。さあ、生活の党は如何ですか」
 
 広野ただし生活の党副代表「例えば尖閣、日中の間のですね、尖閣列島は日本の国の領土です。私はこれはそう思います。しかし中国側の言い方もある。

 竹島も日本の国の領土だと。しかし韓国の言い方もある。歴史認識についてもそうです。ですから、私はですね、日中、あるいは日韓に於いてですね、常設して官民の専門家が入って、そして学者も入って、場合によっては第三国も入ってもいいことですがね、アメリカ、アジアの他の国ですね。

 そしてそれを常設会議として、よく議論をすると。そうしませんと、ただ言い張ってですね、何かこうケンカばかりやっていたんでは(苦笑しながら)折角北東アジア、近隣諸国と仲良くしなきゃいけない、そしてしかもアジアの、振興するアジア、発展するアジアの成長を取り入れなければいけない、こういうときにですね、何をやっているんだと、こういう話になっちゃうんですね。

 ですから、私はやっぱりそういう常設機関を作って、しっかりと議論をしていく。それをしかも日常的にやっていくということによって、きちっとした関係を作っっていけるんではないかと、こう思っています」

 小池晃共産党議員「高市さんはね、アーリントン墓地と違うんですよ。靖国神社というのは単なる戦没者の慰霊施設じゃありません。ここは遊就館て言う、あの侵略戦争を正当な戦争だと認める軍事博物館まで持ってるんですよ。

 そういうところに参拝するから、あなた先頭に168人もね、あれは参拝でも何でもない。デモンストレーションですよ。あれがね、周辺諸国からどう思われるかということを考えるべきだと思います。

 まさに日本の政治家があの戦後の出発点を否定するんだということを世界にアピールすることになるわけなんですよ。だから、これは単に日中、日韓の問題じゃありません。日本は国際社会に生きていけるかどうかという問題ですよ。

 日本の慰安婦の問題はまさに女性の人権を踏みにじる国だということを世界に知らしめることになるわけですよ。

 先程ね、東京裁判の立脚点を認めないかのような、そういう発言あったけれども、そんなことをしたら日本は本当に国際社会で生きていく道を失うと思う。

 これは単に過去の問題ではなくて、まさに日本を世界から孤立させてね、日本の未来を危うくする道だと。

 こういう遣り方はね、本当に反省して、正して貰わないといけないということを思いますよ。日本の未来にとって、今の道は危険だと、余りにも」

 司会「高市さん、一言」

 高市早苗「小池さん、ちょっと言い過ぎですね。それでしたら――」

 小池晃「言い過ぎじゃありません」

 高市早苗「オランダに対して、イギリスに対して、えー、アメリカに対してですね、それぞれ当時の国際条約に基づいて、まあ、残念ながら植民地となった国々がですね、それぞれの慰霊施設にその国の方々がお参りをすることについて文句を言うかどうかっていう話なんですよ、靖国の問題と――」

 小池晃「違うじゃないですか。侵略戦争を正当化する施設ですよ、靖国は」

 高市早苗「それでしたらね――」

 司会(遮って、社民党の吉田忠智政策審議会長を指名)

 吉田忠智「中国や韓国などとの関係改善には、正しい歴史認識が欠かせないが、安倍総理大臣は一方的に偏った歴史認識を持っている。日本の過去の戦争が侵略戦争だったことを認め、未来志向の関係を築くことが課題であり、村山談話と河野談話を明確に引き継ぐことが極めて重要だ。(以上NHK NEWS WEBから)

 侵略の定義そのものは1974年の国連総会ではっきりと定まっているわけでございます。日本の過去の戦争は明らかに侵略戦争であったと。

 それを認めた上で如何に未来志向の関係を築いていくのか、そのことが課題ですし、安倍総理の認識はそのスタート地点に立っていない。そのように言わざるを得ません」

 司会「高市さん、菅官房長官がですね、今の吉田さんのおっしゃったような指摘に対して村山談話の継承ということを否定したことはないとも発言をしました。政府与党はこの点についてはどう考えていますか」

 高市早苗「あのー、例えば日韓併合条約とか日支間条約などに基づいてであってもですね、やはりそのー、支配を受けた、植民地とされた方々の国がですね、本当に民族の誇りを傷つけ、また大変な苦難を与えた、被害を与えた。

 これは、あの確かなことだと思います。

 ただ、あの、国策を誤り、村山談話の中に国策を誤りと、ありますけれども、それでは当時ですね、資源封鎖もされて、その中で全く抵抗もせずに植民、日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのかどうなのか、当時の国際状況の中で何が正しかったかということを自信を持って主張できる政治家など、あの、今の日本にはいないと思います。

 だから、これはもうちょっとおかしいし、侵略の定義についても、例えばケロッグ・ブリアン条約、まあ、これもケロッグ・ブリアン長官が当時ですね、えー、侵略戦争なのか、自衛戦争なのか、それをそれぞれの国が自己決定権を持つという形で留保されてますよね。

 だから、色々な学説があるからという安倍総理の発言というのは決して間違っていないと思います」

 石井公明党政務調査会長「安倍総理大臣は、『かつてアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたという認識は、過去の内閣と同じ認識を持っている』と国会で答弁しており、安倍内閣の歴史認識は歴代政権と変わらないと理解している。誤解されている節があるので、明確に丁寧に海外諸国に説明していくことが重要だ」(NHK NEWS WEBから) 

 1972年に中国と相互内政不干渉を約束したとしても、靖国神社に祀っている戦前の戦争戦死者は外国との戦争を戦った兵士なのだから、内政問題で終わらない。「国策に準じて命を捧げた方」と言っている時点で、国策としての戦前の戦争の侵略性を否定している。

 これは狂信的なナショナリスト高市早苗からしたら当然な否定だとしても、「後世で、あの戦争が正しかったとか、間違っていたとか、そういった戦争の評価というものとですね、公務に殉じて亡くなった方をどう慰霊するかということは分けて考えなければいけなくて」は論理矛盾そのものである。

 慰霊は戦争の評価に応じるはずだからだ。「かつてアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」という思いが本心からのもので、日本の戦争を侵略戦争であったと位置づけていたなら、戦没者は国策のために戦ったとは言え、侵略戦争の加担者という位置づけを加えるなければならないことになって、当然、侵略戦争の被害者を常に対置した参拝とならなければならないはずだ。

 だが、国会議員が雁首を揃えた「お国のために尊い命を捧げた」の顕彰は日本の国だけ、日本の戦没者だけを考えた参拝であって、当然、そこには日本の戦争が侵略戦争だったという意識はなく、「かつてアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」をウソとし、侵略戦争の被害者をそこに置かない独善的な一国主義的参拝でしかないと言える。

 高市はまた東京大空襲や原爆投下を持ち出して、さもアメリカの戦争を悪とし、それとの比較で日本の戦争を相対化しようと無理矢理なこじつけを働かせているが、戦争を仕掛けたのはアメリカなのか日本なのか無視している矛盾に気づいていない。

 以前ブログに取り上げたが、内閣総理大臣直轄の研究所として組織された総力戦研究所が昭和16年8月27、28日に首相官邸で報告した日米戦争を想定した第1回総力戦机上演習(シミュレーション)を、戦争に最も重要な燃料の自給度を含めた日米国力比較・戦力比較等の様々なデーターとソ連参戦等の予測可能性を駆使して行った結果、日米開戦前の時点で“日本必敗”の予測結果を出していたのである。

 だが、当時陸将だった東条英機が自ら勝算を判断することができず、科学分析的な予測結果を無視、日露戦争の戦勝を持ち出して精神論を振りかざし、約5カ月後の昭昭和16年(1941年)12月8日、ハワイ・オアフ島の真珠湾へと攻撃を仕掛けて、太平洋戦争に突入していった。

 その結果の東京大空襲であり、原爆投下であった。原爆投下は天皇制維持=国体維持に拘ってポツダム宣言を無視した結果も加わっている。原因と結果を全く考えない、お門違いな言いがかりでしかない高市の東京大空襲であり、原爆投下に過ぎない。

 司会者は内心辟易していたのだろう、その発言を途中で遮った気持ちが分かる。

 高市は>「オランダに対して、イギリスに対して、えー、アメリカに対してですね、それぞれ当時の国際条約に基づいて、まあ、残念ながら植民地となった国々がですね、それぞれの慰霊施設にその国の方々がお参りをすることについて文句を言うかどうかっていう話なんですよ、靖国の問題と――」と訳の分からにことを言っているが、日本の侵略戦争否定論者はオランダやイギリス、アメリカの植民地を持ち出して、日本の植民地戦争を否定しようと企むが、侵略を受けた国と場合の関係はそれぞれに異なるのだから、個別に取り扱うべきを全体の問題として自国問題を相対化する自己正当化を謀って、日本の戦争を侵略戦ではないとしようとするゴマ化しを働かせているに過ぎない。

 高市が言っている「例えば日韓併合条約とか日支間条約などに基づいてであってもですね、やはりそのー、支配を受けた、植民地とされた方々の国がですね、本当に民族の誇りを傷つけ、また大変な苦難を与えた、被害を与えた。これは、あの確かなことだと思います」は、「日韓併合条約とか日支間条約などに基づいて」いるとしている点で、正当化を前提とした否定の文脈となり、安倍晋三の「侵略という定義は国際的にも定まっていない」との発言で日本の戦争を侵略戦争ではないとの正当化を前提として「かつてアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」の戦争否定と同じく、正当化を前提としている以上、批判を受けないための単なる口先の体裁に過ぎないと言うことができる。

 「国策を誤り、村山談話の中に国策を誤りと、ありますけれども、それでは当時ですね、資源封鎖もされて、その中で全く抵抗もせずに植民、日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのかどうなのか、当時の国際状況の中で何が正しかったかということを自信を持って主張できる政治家など、あの、今の日本にはいないと思います」云々。

 間接的な村山談話否定論となっている。

 アメリカが日本に対して在米日本資産の凍結、石油の全面禁輸等の経済制裁を発動をしたのは昭和16年7月28日の日本軍のベトナム進駐を受けた、いわば日本の自己選択の結果論であって、それをアメリカが勝手に選択した不当な資源封鎖であるかのようにこじつけるゴマ化しを行なっている。

 「日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのかどうなのか」などと大袈裟なことを言っているが、米を中心とした連合軍は戦後日本に進駐して、日本を植民地とはしなかった。

 ソ連が日本の東半分を占領した場合、その衛星国とされた可能性は否定できない。何しろ全体主義国家だったからだ。

 『小倉庫次侍従日記・昭和天皇戦時下の肉声』(文藝春秋・07年4月特別号)には半藤一利氏(昭和史研究家・作家)の解説として、アメリカの石油禁輸を受けたときの軍将校の発言が記されている。

 軍務局長岡敬純少将「しまった。そこまでやるとは思わなかった。石油をとめられては戦争あるのみだ」

 アメリカの石油禁輸を想定外としていた。日本は南洋の石油資源を求めて、勝てる見込みのない戦争をアメリカに仕掛けた。
 
 総力戦研究所の昭和16年8月27、28日の首相官邸での報告を待つまでもなく、日本軍自らがアメリカと戦争をした場合の勝算をシュミレーションしていなかったのだろうか。

 高市早苗は「侵略の定義についても、例えばケロッグ・ブリアン条約、まあ、これもケロッグ・ブリアン長官が当時ですね、えー、侵略戦争なのか、自衛戦争なのか、それをそれぞれの国が自己決定権を持つという形で留保されてますよね」と言って、間接的に日本の侵略戦争を否定しているが、日本も加わった1928年(昭和3年)8月27日締結の条約だそうだが、「Wikipedia」には「当時の世界中の学者から、事実上の空文と評されていた」と書いてある。

 「侵略戦争なのか、自衛戦争なのか、それをそれぞれの国が自己決定権を持つ」として、相手国を抜いていること自体が既に矛盾を孕んでいるのであって、そのことを認識せずに現在も振り回すこと自体、合理的認識性を欠いた自己都合の発言でしかない。

 もし北朝鮮が韓国に通告もなく軍を進めたとしても、北朝鮮が「これは戦略戦争ではない、自衛戦争だ。侵略戦争なのか、自衛戦争なのか、それぞれの国が自己決定権を持つ」と言うことができ、それを許さなければならないことになる。

 高市早苗は一つの情報をその情報の範囲内だけでしか考えることができない、全体の状況にまで反映させて考える認識能力を欠いている。この点でも、安倍晋三とベッドを共にしていると言うことができる。

 NHK福井局スタジオから出演した高市早苗は「日曜討論」で村山談話間接否定を行なっているが、その福井市で記者団に村山談話の見直しを発言している。

 《高市氏 「村山談話の文言変更検討を」》NHK NEWS WEB/2013年5月12日 14時5分)

 高市早苗「『アジアの国々に対して、多大な損害と苦痛を与えた』という点は、安倍内閣が踏襲することになっている。ただ、当時は経済を断交されて日本の生存が危うく、自存自衛が国家意志だと思い、多くの人が戦争に行った。私自身は、『侵略』という文言を入れている村山談話にしっくりきていない。

 戦後70年で安倍内閣が続いていれば、『安倍談話』が出るだろう。戦争で損害を受けた国や苦痛を受けた国に対する申し訳ないという思いはきっちりと表現されるが、村山談話とは、またちょっと表現が違うものになると思う」

 国家主義的心理性で安倍晋三とベッドを共にしている高市早苗である。この村山談話否定論は安倍晋三も共にしている否定論であるはずだ。
 
 相変わらず日本自身が自ら招いた経済断行であり、危うくなった日本の生存であったことを考えることができない。「自存自衛が国家意志だと思い、多くの人が戦争に行った」としても、だからと言って、その戦争を常に正しいと合理化することはできない。

  このような論理を許すとすると、北朝鮮の戦争も常に正しい戦争ということになる。

 高市早苗は合理的精神を欠いているからこそ、物事を全体的に把握し、論理的に判断することが不可能となっている。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安倍晋三と共にある「日台漁... | トップ | 橋下徹の歴史認識、問題がど... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

政治」カテゴリの最新記事