日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業は社会のパートナー

2005-02-25 11:34:57 | アラカルト
ここ2週間ほどの間に、企業の株取引で様々な動きがありました。
ひとつは「西武鉄道」。
もうひとつは、「ライブドアVSフジサンケイグループ」。

まず西武鉄道株についてですが、先日亡くなられた下柳前社長の自殺はとても残念に思います。
と言うのも、その後の報道などによるととても前社長が、株の不正取引を知っていたように思えないからです。
それとは反対に、今ごろになって「実はこのような取引があるのを知っていました。指示も出していました」という堤氏は、どんな神経の持ち主なのでしょう?
もし、堤氏がもっと早くこのようなことを言っていれば、前社長は自殺をしなくて済んだかも知れないのです。
「企業を私物化している」とは、よく言われることですが、それとは別に「人としての感覚のズレ・鈍さ」に驚いてしまいます。
このような人が、公共性の高い鉄道事業をしている会社のトップだったのです。
まぁ、今週放送された「報道ステーション」での「堤家 家憲」の内容にも、ビックリしましたが・・・。
きっとあの放送を見た女性の多くは「これから西武で買い物をするのは止めよう」、「プリンスホテルでの宿泊は止め」と思われたのでは?
西武鉄道沿線の住人であれば、引っ越すことも考えたかも知れませんね。
それくらい、時代錯誤も甚だしい内容でした。

そして、「ニッポン放送株」における「ライブドアVSフジサンケイグループ」です。
国会でも、取り上げられるようになってきたようですね。
国会で、一般商取引の事を取り上げること自体、違和感のあることです。
それだけライブドアの先制パンチ「時間外取引による株の買占め」が、これまでの慣例では考えられない出来事だったのでしょう。
だからと言って「成金小僧」のような発言は、場違いだと思うのですが・・・。
反撃に出たフジテレビ側は、「大幅増資+新株予約権」という方法で対抗です。
「想定済みだったけど、まさか、こんなにトリッキーな方法をするとは思わなかった」というライブドアは、司法の場での対決という方法を選びました。
まだまだ目が離せない、展開です。

二つの事件?で、気になることがあります。
それは、一般個人投資家の存在です。
どちらも、一般投資家に対して何も考えていないような気がするのです。
西武鉄道は「株を外に出すと何をされるか分からない。でも上場しておくメリットはある。違法行為であっても、自分の家を守りましょう」という姿しか見えてこないのです。
「ライブドアVSフジサンケイグループ」については、「陣取り合戦」という様相を呈してきています。
どちらも「自分達のこと」で精一杯なのでしょう。
でも、それでいいのでしょうか?

最近、マーケティングでは「第五のP」ということが盛んに言われるようになりました。
これまでの「場所」「価格」「宣伝」「製品」の4つのPに、「パートナー」という「新しいPが加わっている」ということなのです。
一般的には「業務提携などをする相手」を指すことになるのですが、考えてみれば「企業そのものが、社会のパートナー」なのです。
名も無い一般投資家も、大切な企業のパートナーではありませんか?
なぜなら、このような人たちが集まって「社会が成り立っている」のですから。