日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

機能と使い易さ、そして・・・

2006-10-20 22:34:08 | マーケティング
兵庫県の・・・さん、お久しぶりにコメントをいただき、ありがとうございました。
その中で、昨日のエントリのコメントが一つの提議をされているように感じました。

この秋、クルマのテレビCMを見ていて気が付くことがある。
それは、クルマの「多機能化」を謳ったもの。
分かりやすいところで言えば、「女性が苦手な車庫入れ」を、クルマがやってくれる。というモノ。
確かに女性が苦手な車庫入れが、簡単に出来たらキット女性ドラバーから支持を得ることが出来るだろう。
他にも、「クルマのキーを差し込まずに、エンジンがかかる」という機能も、徐々に一般化しつつあるような気がするのだ。
と言っても、クルマを運転しない私が、アレコレ言う必要のないことではあるのだが・・・。

ただ、「便利な機能が、本当にクルマとして必要なのか?」ということなのである。
おそらく、兵庫県の・・・さんが指摘されたコトは、このことではないだろうか?
「飲酒運転」という、モラルや社会通念として問題視されているコトを、守ることが出来ない人は後をたたない。
飲酒運転は、ある日突然何の落ち度もないまったく関係のない人を巻き込み、被害者となることが問題なのだ。
それを「クルマを運転する」という技術で、補えないのであれば「クルマを快適にする」という技術で、カバーするしかないということになるのではないだろうか?
だが、「クルマを快適にする」という技術は、キーを差し込まずにエンジンがかかるといったことではない。

「クルマ」のベネフィテング=顧客利益は、イロイロある。
「好きなときに、行きたい所へ」という自由さや便利さ。
人によっては、自分の隠れ家的場所ということもあるかも知れない。
でも、「クルマ」の「ベネフィテング=顧客利益」は、クルマを運転しない人たちにとっても「利益」でなくてはいけないはずだ。

「便利な機能が、時には不愉快な機能となる」といわれて久しいが、「一体誰が使うのか?」。そしてそのモノ・コトは、「社会にそして人に優しく、快適な幸せを提供できるのか」ということを、考える必要があるのかも知れない。