日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

計画とおりにはいかない、介護の現実

2006-10-25 22:53:00 | 老親介護
讀賣新聞のWEBサイトをチェックしていたら、とても気になる記事があった。
療養病床削減計画、実施すれば「介護難民」4万人にだ。

厚生労働省が「療養病床削減計画」を発表してから、親介護をしている友人などは不安を口にしていた。
というのは、厚生労働省が発表した計画と現実が大きく違っているからだ。
例えば「脳梗塞」等の疾患でリハビリが必要となったとき、3ヶ月で回復するコトは患者それぞれで大きく違う。
個々の症状も違えば、介護をする家族が期待する回復した姿もそれぞれ違うためだ。
でも、計画の上では一律の回復が出来ることになっている。

実家の母の場合、くも膜下出血で倒れそのまま亡くなってしまったのだが、同じくも膜下出血で倒れても3割程度の人たちは、助かるといわれている。
しかし、その後現れる身体的障害と度合いは1人として同じではないといわれている。
だからこそ、個々の患者さんにあったケア・プランが必要なのだ。
でも、それを考えてしまえば、厚生労働省の考えるような病床削減プランなど出来なくなってしまうのは、目に見えている。

「机上の理論」と「現場で起きている事実」は、大きく違う。
現実に直面していない時には「計画とおり」が当たり前であっても、現実は「計画とおり」ではない。
産婦人科の統合によって、地元で出産できない女性が全国的に増えている。
これも「机の上では、合理的で費用削減」なのかも知れないが、「現実には非合理的で、費用が膨大にかかる」という例ではないだろうか?
紙の上では見えないモノ・コトを、まず最初にみてほしい、と思うのは介護をしている多くの人たちの思いではないだろうか?