日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地方とメセナ

2006-10-12 21:49:18 | アラカルト
今日の朝日新聞のWEBサイトasahi.comにメセナ大賞にベネッセと直島福武美術館財団という記事が、掲載されていた。
「メセナ」という言葉そのものが、久しぶりに聞くような気がする。
今回は、ベネッセの関連美術館を運営している財団が、大賞を受賞している。
岡山と香川という地方で展開するメセナというのが、とても大切なのではないだろうか?
もちろん、サントリーホールやコニカなど在京の企業もあるが、ベネッセなど地方から様々な情報を発信している企業が、メセナという文化活動に積極的であるということが、とても興味深いと感じるのだ。

以前、「新潟妻有トリエンナーレ」についてエントリしたが、地方の企業や自治体が文化活動に積極的であることが「美しい国」のひとつではないだろうか?
それは、アート活動だけではなくスポーツなども同じだ。
北海道でウィンタースポーツだけではなく、野球やサッカーをし、楽しむ子供たちが育つことや、マラソンなど陸上競技の名門企業が、地域を巻き込んで「大スポーツ大会」を主催し、その大会に世界のトップアスリートが参加する。
日常生活の中に、トップクラスのスポーツやアートがある、ということに対して日本の企業はもっと積極的になってもよいのではないだろうか?

バブルのころ、多くの企業は「メセナ」に酔った。
すっかり忘れられているが、マドンナの初来日は某電機メーカーの冠コンサートだった。
当時の役員は、「マドンナって?『坊ちゃんのマドンナ』なら知っているが・・・」という程度の反応だったといわれている。
企業の宣伝活動としての「メセナ」を象徴するような話だが、当時の「メセナ」というのは、その程度の認識でしかなかった。
バブル崩壊後、企業の多くがメセナ活動を中止した理由はそこにあった。

それから時が流れ、地方の企業が自分達にあった「メセナ活動」を少しづつ始めた。
そのことが、これから先重要な企業活動になっていくのではないだろうか?