日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

意外なモノから人気商品

2010-11-01 22:16:30 | トレンド
最近、名古屋の生地屋さんで話題になっているモノがある。
それだけではなく、ネットでも完成品が人気商品になっているらしい。
その商品とは?!
「へり~バッグ」

エルメスの「ケリーバッグ」をもじった雰囲気のネーミングだが、「ケリーバッグ」とは随分雰囲気が違うバッグだ。
そもそも、大金を叩いてセレブな方が買うバッグではない。
と言うのも「へり~バッグ」の材料費が、2,000円程度(もちろん、サイズによって変わる)、完成品でも10,000円以下だからだ。

その「へり~バッグ」とは、畳の縁で作ったバッグのこと。
ネットで調べてみると、どうやら姫路の畳屋さんが、余った縁でバッグを作り、それが話題となり、今では店頭販売をされたり、畳の縁だけを販売したり、バッグのキットとして販売するようになったらしい。

確かに畳の縁なら、カラフルで軽いだろう。
何より、丈夫な素材だ。
自分でバッグを作るにしても、面倒な裁断の処理は必要ないだろう。
そんな手軽さと昨今の「手芸ブーム」で、人気になっているようだ。

それにしても、キッカケは「断ち切れが勿体無いから・・・」と言うコトで作られ始めた、「へり~バッグ」。
それが見方を変えれば、オシャレなバッグの素材となる。
そして、キットとして販売するコトで、それまで「手芸なんて・・・」と、敬遠していた女性達(だけとは限らないと思うが)に、「手芸っ楽しい」と思わせるコトに成功している。

そんな「(畳の)へり~バッグ」人気を見ながら、視点を変えると随分と違ったモノが出来るのだな~、と感心する。
もちろん、「キット化する」コトで、「手芸」と言う市場にマッチングした、と言うコトもあるのだが、「これまでに無い素材」という点での理由が、人気の秘密なのだと感じている。

これがもし、欧州の有名デザイナーがコレクションに使ったりすると、一気に「へり~バッグ」が世界的なヒット商品になるかも知れない。
その大きな理由は、「畳の縁」と言う独特の素材感と、単純な形状から立体的なフォルムを自由に作り出せるという魅力だ。
是非とも「海外向け日本ブランド戦略」を担当する方々も、欧州の有名デザイナーに売り込んで欲しいモノだ。