日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

違う視点からモノを考える

2010-11-09 21:01:27 | ビジネス
昨夜遅く、NHK教育テレビ「極める」を見ていたら、京都コスメの一つ「ちどりや」の社長・堀切朋美さんが出演していた。
以前は、舞妓さんなどの和装小物を扱うお店だったように記憶しているのだが、今では「和コスメ」の人気店となっている(現在でも和装小物の扱いはしている)。

その堀切さんが、番組の中で「(美容の世界では)食べ物があなたを作る」と言うコトバがある、と紹介していた。
そして「ジャンクフードばかり食べていると、カラダもそうなってしまうのよ」とも。
このコトバを聞いて「もしかしたら、社会も同じなのでは?」と言う気がした。

時々食べるジャンクフードやファーストフードは、美味しいと感じても、それが毎日担ってしまえば、カラダに良くないだけではなく心の部分でも問題があると言われている。
それと同じように、人が集まって動く社会全体がジャンクフードやファーストフードのようなモノばかりになってしまえば、その社会思考・志向もその場しのぎ的・安直なモノになってしまうのではないだろうか?

最近問題になっている「PCの情報からコピー&ペーストで論文を書く学生」なども、学生たちだけの問題なのだろうか?
効率・成果ばかりを求めて、そのプロセスとなる思考力・行動力を評価しない社会を、大人が作ってはいないだろうか?

もう一つ「ちどりや」さんが、人気になっている理由が「ニューヨークからの逆輸入・和コスメ」だと言う点だ。
それだけではなく、日本国内での販売店は京都だけに限られている。
「逆輸入の和コスメ」と言うと、どこか違和感と言うか不思議感があると思うのだが、それは堀切さんがニューヨークでメイクアップのお仕事をされていた時、ご実家の「ちどりや」の名を使ったコスメブランドを立ち上げ、人気を博したのだった。

人気を博した理由はその効果だけではなく、とてもシンプルで引き算の美容法だったコトだ。
日本の文化は「引き算の文化」といわれているが、「引き算」をするために手間暇をかけていると言うのも事実だ。
案外私たちは、手を抜いてゴテゴテとした生活をしているのではないだろうか?

そんなコトを気付かせてくれたのは、まったく違う視点だったからだと思うのだ。
発想の転換は、普段とは違う視点の中にあるのかもしれない。