日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

民意はどこにあるのだろう・・・

2010-11-28 21:35:59 | 徒然
私が住んでいる名古屋で、大規模なリコールがあった。
ご存知の方も多いと思う「市議会解散を求めるリコール」だ。
そして、結果はリコール不成立。
このリコール~現在に至るまでの経過を見ていると、「民意はどこにあるのだろう?」と言う、疑問がわいてくる。

「リコールを指導したのは、河村市長だ」として市議会は反発をしたが、リコールに署名した市民からすれば、河村さんのリコールの呼びかけはキッカケに過ぎなかったのではないだろうか?
でなければ、46万人を超える署名は集まらなかったと思う。
結果として、有効署名とされたのは35万人超になってしまったのだが、この有効を見極める手法にしても、疑問がある。
と言うのも、市の選挙管理委員会4人のうち3人が、市議会OBだったからだ。
当然、市議会側に有利な判断をするのでは?と言う、疑念が多くの市民が持っても仕方ない。
いくら選挙管理委員が「公正な立場で、客観的に」と言っても、疑心暗鬼になってしまう。

ただ今回のリコールで、分ったことがいくつかある。
それは、名古屋市議の皆さんがもらっている報酬額とその使い道だ。
「報酬額が多いかどうかは、やはりその仕事内容で判断したい!」と思うのが、市民だと思うのだが、市議の皆さんは「これだけの議員報酬でなくては、議員活動が出来ない」の一点張り。
中には、収支表を作ってアピールする市議さんもいたが、その結果「議員報酬が減ったら、減った分だけ下がる費用が幾つもあるんじゃない?」と言う内容も明らかになってしまった。
それだけではなく「結局、政策立案に使うお金よりも、選挙のための支援者集めのためにつかうお金のほうが多いんじゃ・・・それって、仕事内容とは別だよね」と言う気がする内容だったのだ。

争点となった「市民税10%恒久減税」にしても、市議の一部の方々が言うとおり、単純に「市民税10%減税」だけでは、低所得者と高額所得者では減税額がまったく違う。
それに、名古屋人気質と言うコトを考えれば、減税分だけお金を使うと言うより、減税分だけ貯蓄にまわすと考えるほうが自然かも知れない。
であれば、河村さんの提案に対抗する案を市議会側ももっと積極的に出して、減税の代わりとなる名古屋経済活性化政策を出すべきなのでは?

もちろん「市民税10%恒久減税」と言うのは、リコールの大きな争点ではあったけど、署名をした市民の多くは、市民とかけ離れた議員報酬の高さに対する不満があったのではないだろうか?
そのことを、市議の人たちはどれだけ敏感に感じ取ったのだろう?

先週金曜日には、リコール不成立を受け河村さんは、辞意を表明。
リコールが不成立だったから、辞意というのは・・・やりかけた仕事があるんじゃないの?と言う市民の気持ちもあるのでは?
とすれば、河村さんも市議も「民意」と言いながら、本当の「民意」を感じ取っていないような気がする。