日々是マーケティング

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ソフトバンクの「意見広告」

2010-11-18 12:05:40 | アラカルト
今日の朝刊に、ソフトバンクの「意見広告」が掲載されている。

「光の道」への提案(注意:pdfファイル)

広告は「AかBか」と言う、取捨選択を迫るような感じだ。
実はこの広告を見た最初の印象は、小泉さんが郵政選挙で繰り広げた「二者択一」手法を思い出してしまった。
郵政選挙では「民営化か否か」と言う迫り方で、本来争点となるべきコトが幾つもあったのに、このシンプル極まりない「二者択一型選挙手法」で、自民党は大勝した。
ただ、今回のソフトバンクの意見広告は、それほど単純ではなさそうだ。

この意見広告で初めて知ったことがある。
それは政府が「2015年までに光の道完了を目指してる」コトだ。
だからなのか?「NTT フレッツ光」のテレビCMをよく見る。
実際、ご近所を買い物がてら歩いていると、光回線の工事をしている光景をよく見かける。

しかし考えてみれば、現在の回線のメンテナンスをしつつ、光回線希望者のみを対象に工事をするのであれば、それは時間とお金と労力の無駄かも知れない。
と言うのも、光回線工事の現場を何度か見ていると、「あれ?ここって、しばらく前に光の工事をしていなかった???」と思うコトが、度々あるからだ。
オフィスビルなどが建ち並ぶ地域では、あまり気にならないかも知れないが、住宅地だと案外気になるのだ。

ところで、この広告を見て気になったコトがある。
それは、携帯電話代に含まれているはずの「ユニバーサルサービス料金」のことだ。
確かこの料金は、携帯電話と固定電話の台数が逆転した頃から始まった料金だと記憶している。
その理由は、固定電話などの利用者が減ったことで、固定電話などの回線維持・管理が難しくなり、その維持・管理負担を携帯電話利用者に一部お願いをする、と言う目的だったように思う。
新しく敷設するためにかかる費用を税金で賄いつつ、維持・管理はユニバーサルサービス料金で行う、と言うコトなのだろうか?
その部分も気になる。

もっとも一番気になるのは、この広告主がソフトバンクだけ だというコトだ。
「光の道」と言うのであれば、NTTやKDDIなども一緒になって言わなくては、意味がないのでは?
それとも、ソフトバンクが携帯電話に参入した時のような「違和感」と言うか「抵抗感」が、NTTやKDDIにあると言うコトだろうか?
とすれば日本の「光の道計画」は、生活者の方に向いてはいないと言うコトになる。

次回のこの「光の道」広告では「光の道がどのように生活を変える可能性があるのか?」と言う、具体的なアプローチの内容で見てみたい。