日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本の農業は競争力が無いのか?

2010-11-10 20:59:13 | 徒然
間もなくAPECが横浜で始まる。
その前からTPPに参加するか・否かで問題になっている。
理由は、地方出身の政治家の大票田となる農業団体の反対だ。

そのニュースを見ながら「日本の農業は、そんなに競争力が無いのだろうか?」と、疑問に思ったのだ。
と言うのも、スーパーや百貨店でのお米売り場で人気のあるお米は、いわゆる「ブランド米」。
もちろん「安ければ、安いほど良い」と言う、デフレ志向が無いとは言わない。
しかし、買い物をしている多くの生活者の姿を見ると「安ければ、何でも良い」と言う訳でもなさそうだ。

一時期数多く見た「中国製農産物」は、すっかり姿を消してしまった。
その理由は、おわかりだろう。
最近目にする海外からの輸入農作物と言うのは、「アメリカ産」、「オランダ産」だったり、スーパーが契約している海外の農家だったり・・・と、「安心・安全」を確保していることをアピールしている。
その売り場の中で、日本の農家(農業団体)も競い合わなくてはいけない、と言うのが今のスーパーの売り場となっているのだ。

もちろん、産地表示が義務付けられているとはいえ、一時期に比べると随分国内産の農・畜産物が増えてきているように感じる。
その産地も、日本全国津々浦々。
まるで「産地を競い合っている」ように思える時がある。
輸入農作物についても、日本では端境期に店頭に並ぶと言う傾向が強い。
だからこそ、日本のスーパーには季節を問わず様々な野菜が並ぶのだ。
おかげさまで、その恩恵にあずかっているのは私たち生活者だ。

海外、特に東アジアでは日本の農作物は「安心・安全+美味しい」と評判になっていると聞く。
日持ちがしないいちごなどは、航空運賃を加算された高価な価格であっても人気が高いようだ。
今、日本各地で「おらが地方の農作物つくり」が、盛んになっている。

そんなコトを考えると、本当に日本の農・畜産物は競争力が無いのだろうか?
農・畜産物を提供するだけではなく、「食」に対する日本文化も一緒に輸出できるチャンスなのではないだろうか?
そんな発想の転換が、日本の農政に求められているような気がするのだが・・・。