日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

何故、掛け声だけで終わってしまうのか?

2010-11-22 09:22:00 | ビジネス
昨年あたりから、時折聞くようになったコトバがある。
「ダイバーシティ」と言うコトバだ。
「多様性」と言う意味で使われる、企業組織のコトバだ。

今年「楽天」や「ユニクロ」が次々と「社内公用語」を英語にしたのも、この「ダイバーシティ」と言う観点からだろう。
なぜなら、日本でビジネス展開をするのであれば、何も英語を社内公用語にする必要はない、と考えるからだ。
多様な言語を使う人たちが集まることで、価値観の違いをハッキリさせることで、多様な文化・社会背景を理解しあい、より柔軟な企業組織にするのが目的なのだと感じている。
もちろん、楽天は中国へ、ユニクロは既に欧米へ進出している。
個人的には、日本の企業なのだから何も英語を公用語にする必要はない、と思っている。
むしろ、日本の企業に勤めるのだから、日本語習得を採用基準とすべきだと・・・。
その理由は、日本企業の持つ「企業文化」を理解した上で仕事をする必要があるだろうし、それを海外で事業展開する際、その企業文化を体現するのは、それを理解した現地の社員だと考えるからだ。

やや話がそれてしまったが、この「ダイバーシティ」よりも前から使われている言葉がある。
それは「男女参画」だ。
20年近く前から使われるようになった言葉と思うのだが、この「男女参画」そのものが進んでいるのだろうか?と、感じることがしばしばある。

確かに、上場企業のうち女性向け商品などを扱う企業では、女性役員が次々と登場している。
だが全体では、まだまだだろう。
もしかしたら公務員の世界の方が、女性役職者は多いかも知れない。
理由は簡単だ。
公務員の場合、「男女雇用機会均等法」が出来る前から、さまざまな面で機会均等だったと言うだけではなく、それが当たり前と言う雰囲気があったからだろう。
と言っても、組織のトップにまで昇り詰めることが出来る女性はほとんどいない。

昨日、Yahooのトピックスなどで取り上げられていた、英・エコノミストの「未知の領域へ踏み込む日本」と言う記事を読んで「そんなコト、分っているよ」と、思われた方は多かったのではないだろうか?
でも、それが進まないのは何故だろうか?
その「何故」を阻むモノ・コトこそ、固定化された概念であったり、価値観なのだと思う。
革新的なコトを言う人のほうが、その実、固定化された(古い)概念や価値観に縛られている、と言うコトは無いだろうか?

古い概念や価値観を壊すためには、それ相当のエネルギーが要る。
そのエネルギーの源が、希望とコミュニケーションだとしたら、それが今の日本に一番足りていないモノ・コトというコトになる・・・・。
希望を無理でも、コミュニケーション力をつけるために、イロイロなモノを捨てる必要がありそうだ。