日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大手メーカーと新興メーカー

2010-11-15 15:58:56 | ビジネス
しばらく前から、テレビの調子が悪い。
そろそろどころか、だいぶ前に買い替えなくてはならないほどの、古いブラウン管テレビだ。
なんと言っても、平成になった日に我が家にやってきたテレビなのだ。
そのため、週末は新聞のチラシ広告やらネットで、価格チェックをしている。

特にネットでの価格チェックをしていて、気がついたコトがある。
それは、ユーザー評価が「大手有名メーカーだから良いとは限らない」と言うコトだ。
いわゆる「新興メーカー」と呼べそうなメーカーが、高い評価を得ているコトも少なくない。
もちろん「新興メーカー」の液晶テレビなどは、大手有名メーカーに比べると、機能なので劣る部分があるように感じる。
感じるのだが、例えば「アクトビラ」と言う機能が、私に必要か?と言えば「あれば便利かも知れないけど・・・無くても十分?」と言う気がしている。
大手有名メーカーさんが力をいれている「3Dテレビ」などは、「3D酔い」傾向がありそうな私には、無用のモノだ。
ならば、私がテレビに求めている機能が十分備わった、価格の安い新興メーカーのモノで十分なのでは?と言う、気がしてくる。

そんなコトを考えていたら、フッと心配になったことがある。
今や世界の家電メーカーといえば、韓国のサムソンやLGなどが上げられるようになってきた。
10年ほど前なら、ソニーとかパナソニックと言う名前が挙がっていたはずだが、ここ数年は韓国のメーカーにその座を追われた感がある。
私自身、韓国のサムソンやLGのテレビがどのようなモノなのかは知らない。
なぜなら、量販店の店頭で見かけることがないからだ。
だが、もしかしたら今の日本の「新興メーカー」のように、実にシンプルな機能でありながら生活者が求めている「テレビ」を作っているのでは?と言う気がしてきたのだ。
そして、今の大手有名メーカーが世界の市場で優位に立てない理由は、そこにあるのでは?と、心配したのだ。

なぜなら、携帯電話がそのような状況にあるからだ。
「日本のガラパゴス化」の象徴と言われているのが、携帯電話の分野だ。
確かに、日本の携帯は「おさいふ機能」などがあり、とても便利そうだ。
だが「本当に便利なのか?」と言えば、どうなのだろう?
「小銭を持たなくて良い」とか「さいふを忘れても、大丈夫と言う安心感がある」と言うメリットはあると思うが、コンビニで使えてもスーパーや百貨店では使えないというのでは、あまり意味がないような気がする。
であれば、いっそのコトなら「スマートフォン」と「シンプル携帯電話」と言う棲み分けをハッキリしてしまったほうが、生活者にもわかりやすいのではないだろうか?

開発資金の少ない新興メーカーが安い製品で大手に対抗しているのではなく、過剰な付加価値をつけないことで大手メーカーに対抗している・・・と考えると、大手有名メーカーが見落している「生活者の気持ち」があるのではないだろうか?