朝の支度をしながら、FM番組を聞いていたら「ふたご自転車」という、商品の話が合った。
初めてきく名前の自転車だったので、「どんな自転車?」と、疑問を持ちながら話を聞いていた。
そして、この「ふたご自転車」が誕生した背景には、様々な問題があり、その問題解決の一助なのか?という、気がしてきたのだ。
実はこの「ふたご自転車」が誕生した背景には、日本の出産・育児という問題が隠れている。
今から40年以上前、「多胎児出産」ということが話題になった。
覚えているからもいらっしゃるかもしれないが、双子ではなく五つ子の赤ちゃんが誕生するという時期が、一時的にあったのだ。
勿論、五つ子ともなると母体にも胎児にも危険が伴う為、十月十日を待たずに帝王切開で出産をする、ということになる。
何故五つ子のような、多胎児が誕生したのか?と言えば、「不妊治療」が本格的に始まったからだ。
「不妊治療」が悪いわけではなく、多胎児となりやすい=母体と胎児にリスクが高い、ということもあり、「不妊治療」そのものがネガティブにとらえられていた時期もあったのだ。
その後「不妊治療技術」が進んだことで、五つ子ほどの多胎児が誕生することは無くなったが、双子は増加傾向にある、と言われている。
日経新聞:双子が30年で2倍に 不妊治療が影響 世界でも同じ傾向
流石に30年で2倍、という数字には驚くのと同時に、「不妊治療」が特別なものではなくなりつつある、という見方もできる。
高額な治療費を負担しても、子供が欲しいというご夫婦は、多いということだろう。
そして授かった子供が双子であった場合、様々な費用が単純に倍かかるということになる。
当然、日本のように母親が「ワンオペ育児」をしている、という社会環境の中での「双子の育児」は倍以上の負担が母親にのしかかる、ということになる。
それだけではなく、多くの「双子用ベビーカー」は、赤ちゃんが横並びとなるため、幅が広くなり歩道やスーパーの売り場では、他所様に迷惑がかかるのでは?ということになる。
そのような経験をされたふたごのお母さんが、自転車メーカーに掛け合ってもなかなか動いてくれず、結局チャイルドシートを製造・販売している企業がつくることになったという。
OGK技研:ふたごじてんしゃ
この自転車を開発していく中で、現在の「ママチャリ」の問題点も浮かび上がってきたという。
それは一般的に子ども用の座席は、お母さんの前・後ろに設置される。
その結果、自転車を操作する時にふらつき易くなるだけではなく、安全性を高めるため相応の重量が自転車にかかるため、車輛そのものが重たくなり、相当の脚力・腕力を必要とする、と言われている。
これでは、子供を自転車に乗せ走らせるだけでも、一苦労だ。
そして家では「ワンオペ育児」が待っている。
このような「女性から見た育児環境」は、過酷だと言わざる得ないだろう。
「ふたごじてんしゃ」は、今の日本が抱えている「妊娠・出産・育児」というトータル的な問題点のいくつかを示しているようにも思えるのだ。
それは「女性のライフイベント」として、片づけてよいのか?ということでもある。
これからのモノづくりは、様々な暮らし方をしている生活者の問題を解決するという視点が、ますます重要になっていくのではないだろうか?
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