日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

高齢化社会と社会性

2012-06-18 20:07:37 | ライフスタイル
「静岡県と長寿」と検索をすると、某テレビ番組の雑誌名が登場する。
その理由は昨年の「深蒸し茶ブーム」の影響のようだが、本当のトコロは「深蒸し茶」を飲むだけの問題では無いようだ。

朝日新聞のWEBサイトに「長生きの秘訣3要素は運動・栄養そして・・・静岡県調査」と言う記事がUpされている。
この掲載分の記事を読む限りでは「適度な運動・バランスの取れた食事と腹八分目(場合によっては「腹七分目」か?)と、社会参加」というコトになる様だ。
社会参加と言っても余り大袈裟なモノでは無く、町内会の活動であったり老人会・敬老会などへの参加、と言うコトが中心のようだ。

しかし考えてみると最後の「町内会や老人会・敬老会などへの参加」というのは、案外難しいのかも知れない。
特に都会になればなるほど「プライバシー」というコトバで、社会との接点を極力避ける様な傾向が有る。
今年初めの頃だったと思うが、高齢者向けの有料施設(いわゆる「高級老人ホーム」)の特別室に済む高齢者が、死後一週間経って発見された、と言う事件があった。
この記事を読んで「高級老人ホームと呼ばれる様なトコロで、何故1週間も気づかなかったのか?」と、不思議になった方も多いと思う。
私もそのひとりだった。
ところが、新聞各社の記事をいろいろ読んでみると、この亡くなられた方は、他の入居者の方と接するコトを嫌い、極力会わないようにされていたという。
それだけでは無く、スタッフとの接触も極力避ける傾向があった、と一部報道ではあった。
ご本人が望んだコトとは言え、何とも孤独な亡くなり方だという気がした。

そして、この様な方では無いにしても「本当は寂しいのに、なかなか人と接するのが苦手」という高齢者は、案外多いのではないだろうか?
特に企業でそれなりの役職につき、現役時代には様々な人と交流があったのに、退職後社会との接点が無くなると言う男性は多い。
居住地域内に、同じようなキャリアを持っている同性がいると、変にライバル心の様なモノが邪魔をしてしまう、と言う傾向が有る、と言う話も聞いたことがある。
その様なコトをきっかけに、町内会や老人会の活動に参加しなくなるコトで、ますます社会との接点が無くなり、引きこもりがちになる・・・という「不健康のスパイラル」に陥る高齢者は多いのかも知れない。

とすれば・・・現役時代から町内会の活動に参加するコトも、長生きの秘訣というコトになるのかも知れないし、それを支援する子どもの意識も重要と言えそうだ。

地元を重視する

2012-06-17 22:12:41 | ビジネス
今日、歩いて30分ほど離れたトコロへ「蛍の観察会」に行ってきた。
「蛍観察会」というと、多くの場合自然保護観察会などが主催して行う場合が多いように思うのだが、私が出かけた観察会は造園会社が行っている。
数年前から始められたと言う話だったが、なかなかの大盛況。
毎年この観察会を楽しみにしていらっしゃる方もいるようで、係の方と親しげに話をされる方の姿もあった。
もちろん、蛍をどこかから採取して造園会社の庭に放っているのでは無く、造園会社が育てている蛍だ。

造園会社の庭と言っても、街中に有る造園会社の庭なので大きな庭では無い。
庭はともかく、何故「蛍の観察会」を思い付いたのか?と言うと、「里山を再現した庭」について理解をして貰う為のようだ。
それは「造園」という本来の作る庭を考える、と言うよりも「自然を相手にする」という考えの様な気がした。
庭そのものがとてもキレイでも、日本の生活環境に合っていなくては、日本の造園とは言えないのでは?と言う、提案とも思えるモノ。
その中で考えたのが「蛍の育成と観察会」のような気がしたのだった。

それとは別に、最近大手スーパーの一角に「地元の野菜」が並ぶ様になってきた。
特に週末となると、近隣の農家さんたちが自分たちの作った野菜を持ち寄り、販売をする様になっている。
「産直販売」と言えば、「道の駅」や「農協直営店」の専売特許の様なトコロがあったが、最近では、大手スーパーが売り場の一角を提供し、産直価格で販売をしている。
売りの仕組みとしては、ある一定のマージンをお店側に支払う、と言うモノだとは思うのだが、スーパーの売り場には通常仕入れをした野菜が、普通に並んでいる。
その一角に「産直販売」のコーナーを設ける、と言うのはチョットした挑戦的な気がしたのだ。

しかし、買い物客の買い物かごを見ると「産直品」も「通常品」も分け隔て無く(?)買っている。
この微妙なバランス感覚を、買い手側が持っているからこそ、この様な形態での販売ができるのかも知れない。

小売りの現場を見ると、最近「地元重視」の傾向が強くなってきている様に感じる。
「地元に愛される企業」と言うよりも「地元に還元できる企業」という、考えを打ち出している感が有るのも、時代の変化という気がする。
この様な傾向は、昨年の「東日本大震災」以来強くなったとは思うが、先の「蛍の観察会」をする造園会社も「産直野菜販売」をする大手スーパーも、数年前から取り組んでいるコト。

そんな企業の変化は、社会にどんな影響を与えるのだろう?
チョット楽しみな変化のような気がしている。

父の日に、娘と・・・

2012-06-15 17:48:55 | CMウォッチ
Yahooのインターネット広告に、サントリーの「角」のCMがアップされている。
CMを見ると、どうやら今週末の「父の日」を意識したモノのようだ。
このCMを見て、フッと思ったのが「娘と一緒に・・・」と言うシュチュエーションは、現実的だろうか?と言う点だった。

随分前のお酒のCMだったと思うのだが「息子が成人したら、一緒に飲みたい・・・」と言う内容のモノがあったような記憶が有る。
実際、男性に聞くと「息子と一緒に、飲みながら男同士の話がしたい」という希望を持っている方もいらっしゃる様だ。
そんな刷り込み(?)が有ってだろう、このCMで若い、と言っても20代の仕事をしていると思われる女性が、「親父と一緒に・・・」という台詞を聞いたとき「え!」と、感じのだった。
私の反応は、決して突飛なモノでは無いらしく、CMは「どこの親父?」と一緒に飲みに来ている友人の女性が尋ねている。

このCMのポイントは、ウィスキーという点が大きいのかも知れない。
ウィスキーのCMだから、当然と言えば当然だが「親父と一緒に飲む」のがビールで有れば、娘が「ハイボールを作る」という場面が無くなってしまう。
大切なポイントは、「娘が作ったハイボールを、一緒に飲む」というコトなのだ。
ウィスキーのCMなので、当然と言えば当然なのだがこれまでこの様な「父・娘」というアプローチのCMの印象が余りないだけに、新鮮に感じる。

お嬢さんの場合、思春期に入ると父親と距離を置く、と言うのが自然な流れだろう。
わかりやすい例で言うなら、「お父さんのモノと私のモノを一緒に洗濯しないで!!」と言う、コトバだ。
このコトバを聞いて、世のお父さんたちの心は酷く傷ついていると思う。
実際、私も思春期の頃(私にも、そんな時代が有ったんです、遠い昔ですが)何となく、父親に対して苦手意識があった。
父も娘に対して「どうして良いのか判らない」、と言う部分も有ったように今となっては思っている。
そんな距離感があった娘が「お父さん、一緒に飲も!」と、ハイボール(とは限らないが)を出されたら、とても嬉しい一杯となるのでは?
もしかしたら、このCMはそんなお父さんの気持ちを代弁し、若い女性たちに提案をしているのかも知れない。

今度の日曜日は、父の日。
そんなサプライズが有ると良いですね。

チョット視点を変える

2012-06-14 22:24:52 | ビジネス
今年の梅雨は、割合と過ごしやすい様な気がしている。
と言ってもこれから本格的な雨シーズンとなり、その後にやってくるのは暑い夏だ。
ドラッグストアに行くと、そんな本格的な夏の到来を前に「デオドラントシート」の売り場が、拡充されている。
その多くは女性用のもので、無香タイプから石けんや夏らしいトロピカルフルーツ、数年前から人気のバラやリリーと言ったフラワー系の香りなど、ひとりで何種類か購入し、TPOに合わせて使う様な感じのラインナップになっている。
もちろん、男性向けの「デオドラントシート」もいろいろあるが、中心となるのは「爽快感」の強いミント系の様だ。

ところで、その様な「デオドラントシート」を使っていて、不便なコトは無いだろうか?
私も出先などで使うコトが有るのだが、使う場所がトイレというコトもアリなるべくなら水に流したい!と言う気持ちが有る。
ただ残念なコトに、その様な「水に流せるタイプ」というのが、とても少ないのだ。
それだけでは無く、大きさもやや小さめ。
体を拭くには、チョット物足りなさを感じる。
香りについても、無香というか余り香りが強くないタイプのほうが良いのだが・・・と、考えると、なかなか自分に合ったモノが無いコトに気づく。

そんな時、フッと思い浮かんだのが「赤ちゃん用おしりふき(水に流せるタイプ)」とか「介護用体ふき(水に流せるタイプ)」などだ。
パッケージを見ると、一般的な「デオドラントシート」に比べると、大きく使い勝手が良さそうだ(と言っても、私個人の印象)。
使われてる成分も、元々が「おしりふき」なのでアルコールなどが含まれていない為、刺激が少なそうだ。
とすれば・・・「デオドラントシート」を購入しなくても、若干パッケージに難ありだが「赤ちゃん用おしりふき」や「介護用体ふき」でもOKなのでは?と、思ったのだ。
「爽快感」や「香り」を求めたり、「銀で消臭」などの機能を求めるのであれば、その様なモノを選べば良いと思う。
でも、時には市販されている商品に不満があれば、視点を変えて見るコトも良いのでは?
もしかしたら、そこから違う発想のビジネスチャンスが生まれるかも知れない。


シャープの新型ジューサーは、新しい市場を創るコトができるか?

2012-06-13 18:40:46 | ビジネス
シャープが、新型ジューサーを発売する。
スロージューサー「ジュースエスプレッソ」

このニュースを聞いたとき、思い出したコトが「生活者が購入をして、使わない家電」だった。
この「使わない家電」にランクインしているのが、実はジューサーやミキサーなのだ。
と言うのも、使う用途が限られている割に、使う頻度が少なく、その後の後片付けも面倒、と言うのがその理由だ。
言い換えれば、わざわざジューサーを出す手間を考えると、スーパーでジュースを買ってきた方が安くて便利、と言うコトなのだ。
最近ではフードプロセッサーや、ブレンダーと呼ばれる調理家電の登場で、家電量販店でのジューサーやミキサーの売り場は、とても小さくなっている。
そんな市場にあえて、再度参入すると言う。
よほどの付加価値が無ければ、安価で売られているジューサーと勝負にはならないと思っていたら、やはり現在販売されている安価なジューサーとは随分違う仕様になっていた。
そのキーワードとなるのが、商品名の一部として使われている「スロー」というコトバだ。

実は「ジュース」そのものは随分前から、人気がある。
百貨店やチョットした商店街などでは「ジューススタンド」と呼ばれる、ジュース専門店が人気になっている。
青果店の一角にジューススタンドが有るのも、最近では珍しい光景ではないはずだ。
そしてその様な売り場には、年齢に関係無く女性が多く並んでいる。
「ジュース」そのものがお子さまの飲み物では無く、「美容と健康を気遣う女性の飲み物」になっているのだ。

その「ジュース」人気に、昨年あたりから新しいキーワードが加わってきた。
それが「スロージュース」。
野菜や果物に含まれている「酵素」が、回転の早いジューサーで絞ると壊れてしまい、思った程の栄養が摂れないと言う。
その「酵素を壊さない様に」と考えられた絞り方が、「石臼でゆっくり絞る」という方法。
「な~んだ、そんなコトか」と思われるかも知れないが、もう一つのキーワードがこの「酵素」なのだ。

ドラッグストアに行くと、女性向けの栄養補助食品のコーナーに「野菜と果物の酵素」と銘打った商品がいくつも並んでいる。
「ダイエットに効果が有る」とか「お肌に良い」と言われていて、若い女性を中心にこの「植物酵素」が人気になっているのだ。
実際のトコロ、どれほどダイエットやお肌に効果的なのかは分からないが、これらのキーワードを商品に加えるコトで、これまでのジューサーとは、チョット違う商品ポジショニングになってくる。

これまでのジューサーは、「手軽にご家庭でフレッシュジュースが飲める」というモノだった。
確かに「フレッシュジュース」は体に良いのは分かるが、市販の野菜+果物のジュースでも十分美味しいし手軽、と言う点で、「お蔵入り家電」の上位にランクインしていた。
それが、市販のジュースでは摂れない「酵素が摂れジュース」となると、ジューサーは単なる調理器具では無く「美容・健康器具」の一つとなるコトができる。
ご丁寧に、絞りかすはジャムにしたりケーキに混ぜ込んだりして使うコトができる、と言うエコ+ホームメイドクッキングの楽しさを加えた提案をしている。
そしてこの提案は、「タニタの食堂」で一躍「秤り」のメーカーから「健康をサポートする企業」へと変わるコトができた「タニタ」とジョイントするコトで、より具体的でわかりやすいモノになる可能性があるのでは?
(現在シャープのオーブン「ヘルシオ」は、タニタとジョイントサイトを持っているシャープ横町「ヘルシオ&タニタ食堂」

4万円弱という価格で、どれだけヒットするかは未知数なトコロが有る。
ただ、今までとはチョット違う商品ポジションを加えるコトで、「お蔵入り家電」が再度注目される様になるかも知れない。

ネットスーパーに+αが・・・

2012-06-12 15:26:31 | ビジネス
来月から、楽天が「ネットスーパー」を始める。
「楽天マート」HP
日本最大のインターネット通販企業でありながら、カタログ+電話での注文も受け付ける、と言うのがポイントだと思う。
と言うのも、楽天市場そのものは全国各地・様々な商品を扱っているが、ネットスーパーとなると、全国各地の商品を集めて、まとめて宅配をする、と言うのは時間も手間も掛かりすぎるからだ。
「生協」をはじめとする食品宅配サービスと同じような形態となるのは、ある意味仕方ないと言うか当然だろう。

一方、大手スーパーでも「ネットスーパー」に力を入れ始めている。
我が家の少し離れた大手スーパー3店舗でも、宅配地域限定ながらこの春から始めている。
こちらは、どちらかというと「チラシ」掲載商品+掲載商品以外を注文から数時間でお届けする、と言う内容。
「ダイエー・ネットスーパー」
「イオン・ネットスーパー」
「アピタ・ネットスーパー」
このサービスのスタイルは、「コンビニ宅配サービス」に近いモノが有る。

確かこの様な「宅配サービス」を始めたのは、コンビニだったような記憶が有る。
高齢者家庭で、近くにスーパーが無い代わりにコンビニがあり、コンビニがスーパーの代わりとなる様な地域で、始まったと言う記憶が有るのだ。
それが、顧客サービスと言う面だけでは無く顧客の囲い込みと言う点でも、メリットが高いと言うコトになり、大手スーパーが次々と参入し始め、それが今回の楽天マートに結び付いているような気がしている。

と言っても、上述した通り「楽天マート」の形態は、どちらかと言えば「生協」などに近い。
申し込みをしてから1週間後に商品をお届けする、と言うサービスで有れば、大手スーパーのネットスーパーに比べ、スピード感はない。
その代わり魅力となるのが、楽天が持っている全国各地の出店ショップのネットワークというコトになるのだろう。

ただ、「生協」を始めとする「宅配サービス」中心だけでは、単なる二番煎じと言う気がする。
新しい何かを付け加える必要が有るか無いかは別にして、「宅配サービス」に+αがあればもっと魅力的だとおもう。
例えば、戸々のお宅に宅配するだけでは無く、いわゆる「オフ会」の様なイベントを時折設け、宅配メニューの幅を拡げる様なコトや、孤立しがちな高齢者や育児中のお母さん(お父さん)のサポートを組み合わせる、と言ったコトだ。
なぜなら「宅配サービス」を利用する人たちの中には、「買い物に行けない=外出の機会が少なく、孤立しがち」というコトも考えられるからだ。

もしその様なサービスが加われば、「ネットスーパー」の新しい魅力となるのではないだろうか?

タワーレコードを子会社化するdocomoの戦略は大丈夫だろうか?

2012-06-11 19:52:02 | ビジネス
一部新聞社のWEBサイトに、「docomoがタワーレコードを子会社化する」と報じられている。
NTTドコモニュースリリース「タワーレコード株式会社の子会社化について」(注意*pdfファイル)
ニュースリリースなどを読むと、「コマース事業の拡大・拡充」が目的の様だ。

このニュースリリースを読む限り、納得できる理由だと思う。
以前発表された「らでぃっしゅぼーや」の子会社化と違い、突飛な感じはしない。
「コマース事業」となれば、おそらくその中心は「お財布ケータイ」なのでは?と想像が付く。
タワーレコードそのものが数多くの会員を持っているので、それだけで大きな顧客を獲得するコトができるだろう。
その意図は十分分かるのだが、何故今なのだろう?と言う疑問がある。
と言うのは、タワーレコードのライバル会社であるHMVが次々と閉店を迫られている、と言う現実があるからだ。

HMVが次々と閉店に追い込まれている理由の一つは、ご存じの通りCDの売り上げよりもネットによる音楽配信が主流になりつつある、と言うコトがある。
事実、先日行われたAKB総選挙の様な投票権のオマケとしてならCDが売れるのかも知れないが、ここ数年ミリオンセラーと呼ばれるセール記録となるCDは数少ない。
固定的でコアなファンがいるミスチルなどは、大ヒットCDを出してはいるが、CD全体の売り上げは減ってきているはずだ。
日本レコード協会
「CD生産数量推移」
「2011年有料音楽配信売り上げ」

それに対してインターネットなどを利用した有料音楽配信の売り上げは、順調に推移している。
CDが生産数量に対して、音楽配信が売り上げとなっているので単純比較はできないが、それでも今や音楽を聴く為にはCDを購入するのでは無く、ダウンロードをして購入する、と言う人のほうが多くなってきている、と考える方が自然だと思う。
とすれば、タワーレコードの様にCDを扱っている「CDショップ」は、ますます厳しい状況になっていくのでは?と、想像ができる。
例えDVDを扱っていたとしても、今の店頭扱いの中心ソフトはCDのはずだ。
そして将来的にはDVDも、CD同様有料配信化が普通になってくる可能性はあると思う。
実際、一部のTUTAYAなどでは「有料画像配信」をしている。

もちろん、タワーレコード自体CDだけを扱っている訳ではないし、元々タワーレコードは輸入レコード専門店だった。
そのことを考えれば、国内アーティストのCDの売り上げが伸び悩んでも、海外アーティストのCDでカバーするコトができるだろう。
有料画像配信が一般化しても、日本でDVD化されていない海外の映画のDVDの販売、と言うコトもあるだろう。
だが、その規模はdocomoが思っている程ではないのでは?

今後、タワーレコードが有料音楽配信サイトや画像配信サイトを展開して行くのであれば、何となく分かるのだが、今の形態でのCDやDVDの販売中心であれば「コマース事業」と言っても思惑違いの結果となるのでは?



時々、学生に戻ってみよう

2012-06-10 20:47:46 | アラカルト
今日、名古屋大学まで出かけてきた。
もちろん、私が何かの講義をすると言うわけでは無い。
名古屋大学の学祭に合わせて、いろいろな学部で「市民公開講座」やラボツアーが開かれていたのだ。
その公開講座に行ってきたのだった。

私が参加したのは、「電力事情と節電」というテーマの講座。
この様なテーマだと、参加される方の多くが主婦とおぼしき女性の姿が目立つ。
「電事情」というと、つい原発の問題を思い浮かべてしまう昨今だが、その様な視点だけでは無いと言う点で、とてもおもしろかった。

例えば、今では一般的になってきた「インバーター」。
エアコンや冷蔵庫に搭載されている機能だと言うコトは、テレビCMなどでおなじみだと思う。
この「インバーター」という機能が、搭載されたコトで一般家庭の電力消費は、ムダが随分減った様なトコロが有る反面、電圧が下がっても(=供給が減っても)めいっぱい電力を引き出してしまう為に、突然停電を引き起こすと言うコトが有ると言う。
私の理解不足な点も有るかも知れないが、「インバーター」と言う便利な機能の問題点というコトを初めて知った次第だ。

他にも、現在フル稼働している火力発電所は「腰の曲がったお年寄りから幼稚園の子どもまで、必死に働いて動かしている」状態になっている。その視点で見ると、相当厳しい状況で火力発電所を稼働させていると言う話や、もっと基本的な原油の輸入という側面から見たときの「国際情勢」との兼ね合い。
余りメディアでは取り上げられない「ホルムズ海峡」にまつわる、様々な問題点は日本の電力状況を大きく左右する問題点である、と言うお話。
太陽の活動によって起きている「太陽風」と送電の問題、と言ったなかなか知るコトができない様なお話を専門家から直接聞ける、と言う楽しくも勉強になる貴重な時間を得ることができた。

社会に出るとなかなか新しい知識を得る、と言う機会が無い。
日々の仕事で追われて大変、と言うコトもあるのだが、何となく「勉強は学生時代で終わり」という雰囲気が日本の社会にはある。
しかし、時々大学で開かれる市民向けの公開講座などに出かけるコトで、日々の仕事では知るコトができない知識を得るコトができたり、違った発想が生まれたりする。
特に「独立行政法人化」されてからの国立大学などは、この様な市民講座を積極的に開催するコトで、自分たちの研究理解をしてもらおうという意識があり、有料・無料を含めなかなかユニークな講座を開いている。
時々、大学のHPなどでこの様な公開講座をチェックし、出かけてみてはいかがだろう?
できれば、自分の仕事とは全く関係の無く、「!」と感じた講座などは、きっと仕事でもプラスとなると思う。

本質を知るコト

2012-06-09 20:00:16 | アラカルト
乳がんという病気を得てから、「がん」という病気に対してとても興味が湧き、様々な勉強の場へ出かける様になった。
その中で驚かされるのは、「抗がん剤」をはじめとする治療薬の進歩だ。

最近注目された抗がん剤の一つが、日本のエーザイが研究・開発をした「ハレヴェン」だろう。
この乳がんの抗がん剤は、「クロイソカイメン」という日本で生息している海綿の成分から作られ、既に今まで使われていた抗がん剤で治療効果が期待できない患者さんへ投与されている。

それとは別に、当初ある特定のがんに対して認められていた薬が、短期間に複数のがん治療薬として認められるコトもある。
その一つが、「アバスチン」という分子標的薬だ。
この「アバスチン」の特徴は、がんという病気の成り立ちに注目した、と言う点に有る。
がんが増殖していく過程で、多くの栄養を他の細胞から奪い取るために、がんそのものが独自に血管を増やしていく、と言う特徴がありその特徴に着目したのが、この「アバスチン」という分子標的薬なのだ。
当初は、大腸がんの分子標的薬として承認され、その後非小細胞肺がんや乳がんなどにも適用される様になってきている。
おそらく今後も、適用されるがんの種類は増えていくのでは?と考えられている様だ。

その「アバスチン」を日本で販売しているのが、世界的新薬企業・ロシェ社のグループ企業となっている中外製薬。
その中外製薬が、薬価を欧米よりも低く日本で提供する、と発表した為に一時期中外製薬の株価が下がった、と言うコトがあった。
確かに、日本国内での販売薬価が欧米に比べ安く設定された、と言うコトで投資家たちは、失望感があったのだと思う。
でも、この薬の特徴と日本での健康保険制度を考えれば、何も薬価が低く設定された程度で、株価が下がる様な要素は全く無いと思うのだ。
むしろ、この「アバスチン」という薬の特徴と将来性を考えれば、投資家は積極的に動いても良かったのでは?と思うのだ。
違う見方をすれば投資家たちは、この「アバスチン」と言う抗がん剤の重要性と将来性では無く、目先の低く設定された薬価という点だけど見て、判断をしたのでは?と、想像している。

しかし、この様なコトは何も株を扱う人たちだけのコトでは無い様な気がする。
その事業の本質や重要性、将来性というものを十分理解し、実際の事業へ活かしているのか?と言うと、決してそうではないような気がする。
この様な書き方をすると、「上から目線」と言われるかもしれないが、企業が行う「リストラ」などは、その最たるモノでは無いだろうか?
自分たちの本来行うべき事業の本質・企業理念・社会との関わり、その様なコトを総合的に見た「事業の再編」は必要だと思う。
だが「事業の再編」と「安易な人員整理」とは、本質が違うと思うのだ。
企業が利益を確保する為に人員整理をすると言うのは、安易な利益確保の手段でしか無い、と言うコトは再三言われてきたと思うのだが、その傾向は一向に収まらないのは、企業が大きくなった為に「事業の本質」が見えにくくなっているからかも知れない。
だからこそ、見えにくくなってしまった「本質」を、「リストラ」をする前に考える必要が有ると思う。

最近の家電メーカーのリストラ策のニュースや今月多くの企業が予定している株主総会などのコトを思いながら、そんなコトを考えたのだった。



昭和のスタイルが新しい?

2012-06-08 19:52:59 | トレンド
最近婦人服売り場などで、とても懐かしいコトバを見かけるコトが有る。
「アッパッパ」という夏の薄手の木綿で作られた、体を締め付けないワンピースのことだ。
おそらく、昨年放映された朝ドラ「カーネーション」の影響もあるのかも知れないが、今年は本当にこの「コトバ」を見かけるコトが多い。

では昨年まで、この様な婦人服が売られていなかったのか?と言えば、販売はされていた。
ただ名称が違っていた。
「ホームドレス」とか「サマードレス」と言う呼び名で、販売をされていた。
と言っても、購入対象者となるのは「おばあちゃん」と呼ばれる、高齢者の女性が中心だったような気がする。
それが、昨年から続く「節電・省エネを目指す生活」で、若い女性を対象とした「アッパッパ」を目にする様になったのだ。
名前もそれまでの「ホームドレス」では無く、「アッパッパ」。
朝ドラの「カーネーション」の影響であるコトは、想像が付く。
そのためだろう、今年の「アッパッパ」はとてもカラフルで、若い女性がリラックスウェアとして着てもおかしくは無い。

もう一つが「ステテコ」だ。
昨年は、男性の「ステテコ」が人気だった。
今年は、女性向けの「ステテコ」が人気になっている。
素材も昨年男性向けにヒットした、「ステテコ」とほぼ同じ。
マドラスチェックやトロピカルプリントなど、実にカラフルな「ステテコ」だ。
夏場のジャージのハーフパンツよりも、見た目の涼やかな印象がある。

考えてみれば、日本には日本らしい夏の過ごし方があった。
「アッパッパ」もその一つだろうし、「ステテコ」も同じだろう。
見た目の涼やかさだけでは無く、実際着てみて感じる涼やかさがある。
今年は昨年に劣らず、「節電・省エネ商品」が充実し、今やゴーヤや朝顔などの「グリーンカーテン」は、当たり前の様になってきた。
昭和の暮らし方を再現するのではなく、今風にアレンジをして生活を楽しむ・・・そんなスタイルが、定着しつつあるのかも知れない。

ちなみに「アッパッパ」は関西以西では一般的なコトバで、関東では「ホームドレス」のほうが馴染みがあるかも知れない。