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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

航空自衛隊白山分屯基地開庁35周年記念行事 飛行展示編

2007-08-11 21:49:19 | 航空自衛隊 装備名鑑

■AH-1S飛行展示

 久居駐屯地祭の訓練展示終了後、駆けつけた白山分屯基地開庁記念行事は、飛行展示が1400時から開始というプログラムが幸いし、その様子を撮影することが出来た。

Img_9584  航空自衛隊の高射隊が展開する分屯基地の開庁記念行事を空から祝賀したのは、白山分屯基地と同じ三重県、明野駐屯地より飛来した対戦車ヘリコプターAH-1Sである。少し霞んだ天候から心配した影響も杞憂に終わり、エンジン音と共に颯爽と姿を現した。

Img_9340_1  飛行展示が行われるまでの様子を先に紹介したい。装備品展示会場の隣、格納庫内部において、様々な催しが行われていた。地元の中学校(確か白山中学と記憶する)の生徒による演奏。自衛隊の行事といったらば方面音楽隊、という印象の小生には新鮮であった。

Img_9342_1  格納庫の様子。高射器材の他、除雪車輌も格納されているのだろうか、基地内にも散見できた。山頂の分屯基地ということで除雪も重要な任務である。ちなみに笠取山分屯基地には、基地の主要施設を結ぶ地下通路があり、一瞬シェルターの一種かと思ったが、実は雪中通路とのことであった。ここも積もるのだろう。

Img_9368_1  分屯基地開庁記念行事、開始された後暫くの間は久居駐屯地祭を見学していた為、詳細は知らないが、小生一行が見た限りでは、地元の有志による芸能展示が多かったように思う。自治体と自衛隊、草の根の交流は、こうした行事での繋がりで培われてゆく。

Img_9580  航空自衛隊の分屯基地開庁記念行事であるが、この近傍にある笠取山分屯基地開庁記念行事でも、陸上自衛隊からの航空機参加はプログラムされている。だが、このあたりの気候は霧に包まれることが多く、朝雲新聞社の“航空自衛隊の50年”でも、霧の中の開庁式典が記録されていたりする。

Img_9597  山頂にあって、開花が麓よりも遅れている桜花の蕾を揺らしながら、機動飛行を展示する。対戦車ヘリコプターは、このように山間部では稜線に沿った匍匐飛行を行うことで非発見性を低くし、突発的な航空優勢喪失に備えた運用を行う。

Img_9594  現在、明野駐屯地では新型のAH-64Dアパッチロングボウが評価試験中であり、平日には駐屯地の滑走路で顔を合わせることも多いという。しかし、まだまだ、AH-1Sは陸上自衛隊の航空打撃力の根幹を担う装備であることに変りは無いだろう。

Img_9361  飛行展示が終了すると、いよいよ分屯基地祭も終了が近付いてきた。聞くところでは近鉄久居駅との間でシャトルバスが運行されているとのことだが、運行本数が少なく、恐らく一時間ほどかかるのではないだろうか、見学者も帰路につきはじめた。

Img_9408_1_1  高射隊本部、祝賀会などが行われている。写真に写っているバスは、シャトルバス、若しくは分屯基地見学用のバスだろうか。

 分屯基地は、そのまま山頂へと続いている。山頂には通信用アンテナがみえるが、射撃陣地も置かれているはずだ。

Img_9373_1  石川県の小松基地より展開した基地防空隊も撤収の準備を開始する。なお、先日の記事で質問が寄せられたVADS高性能機関砲による対地攻撃力についてであるが、M167には対地攻撃の能力があるということなので、M167A1にもあるのではないかと推測する。

Img_9369_1  81式短距離地対空誘導弾のレーダー装置が撤収準備を開始する。丸418号の記事などでは、このレーダーの索敵距離は50km程度といわれ、索敵距離は概ね50km前後とするものが多い。レーダーで捕捉した目標に対して発射し、ミサイル本体により空中ロックオンする方式で誘導する。

Img_9376_1  読売新聞社の“日本の防衛戦力 陸上自衛隊”によれば、システム構成は射撃統制装置(レーダー)一基、発射装置二基より成り、即応弾は16発とされている。このミサイルは、コンテナーを発射機に人力で搭載し、その後自動装填されるが、取り外しは全自動とは行かないようである。

Img_9381_1  よおし、そこまで!。気合を入れて発射機からミサイルと後退させ、その後コンテナーの位置までさげるとミサイルがエレベータにより収容されていった。彼らは、このあと三重県から石川県の小松基地まで、長躯自走して帰らねばならない。

Img_9576  三度に分け掲載したが、以上が白山分屯基地開庁記念行事の詳報である。基地や年により異なる為一概には言えないことをお断りした上で、大規模な飛行展示、空包響く訓練展示、というものを期待すると拍子抜けするかもしれないが(無論、ブルーインパルスが飛行する開庁記念行事や、基地警備隊が小銃による訓練展示を行うところもある)、こうした分屯基地が身近にある、という方は足を運ばれてみては如何だろうか、きっと何か発見があるはずだ。

HARUNA

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