北大路機関

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13500t型ヘリコプター護衛艦“ひゅうが” 2009年の就役に向け建造すすむ

2007-08-27 09:44:03 | 先端軍事テクノロジー

■16DDH その名は“ひゅうが”

 16DDHとして建造が進められていた13500㌧型ヘリコプター護衛艦。今月23日、進水式において、その名を“ひゅうが”と発表した。海上自衛隊の明日を担う“ひゅうが”型護衛艦の誕生である。

Img_9088  新護衛艦は、多くのメディアで取り上げられ、艦船ファンも多くがその姿を写真に収めている。今回はWebサイトなどから、横浜市の新磯子町付近から撮影したものと推測し、一行はタクシーに乗車、新磯子町の火力発電所南岸一般道路へ、進路を定めた。一帯は海釣のポイントに挙げられているようで、多くの釣り客が竿を伸ばしていた(写真にも釣り船が写っている)。

Img_9139  最新鋭護衛艦ということで、また、火力発電所もあることから、相当撮影は困難なのだろうという期待(?)もあったが、ご覧の通り防波堤の歩道から撮影することが出来た。無論、脚立等の特殊装備は不要であった。隣にはイージス護衛艦“きりしま”が入っているが、比べてみても“ひゅうが”はかなりの大きさである。

Img_9150  “ひゅうが”は、2006年5月に起工、2007年8月23日に進水式を迎え、2009年3月に就役予定である。満載排水量は、推定値で17000㌧乃至18000㌧とされ、ヘリコプターを7~8機収容可能という比較的大きな格納庫を艦内に有している。全長は197㍍、全幅は33㍍であり、護衛艦としては史上最大の規模である。

Img_9146_1  本型は、ヘリ空母ではなく護衛艦と呼称されている点について端的なのが艦橋に搭載された射撃指揮装置FCS-3の改良型である。この他、VLS(垂直発射装置)を16セル搭載し、発展型シースパローであれば、最大で64発を搭載することが可能である。この他、20㍉高性能機関砲や、短魚雷発射管も搭載しており、ロシアの重航空機巡洋艦“アドミラルクズネツォフ”と似た性格の艦である。

Img_9151  FCS-3は、誤解を恐れずに述べれば写真の“きりしま”が搭載しているイージスシステムと同じような性能を有するもので、国産のFCSとして、現行のFCS-2の後継となる装備である。ただ、イージスシステムが改修によって得る弾道弾対処能力(写真“きりしま”が受けている改修)を有しているかについて、現段階では資料はみつからない。

Img_9144  写真は整備中の護衛艦“いかづち”。9隻が建造された“むらさめ”型の一隻で、ステルス性を意識した艦型が特色である。一つ前の汎用護衛艦“あさぎり”型の拡大改良型で、対空・対潜ミサイルをVLS方式とした点などが改良点である。また、“あさぎり”型を同じく緊急時には二機の航空機を搭載可能であるが、着艦支援装備“ベアトラップ”を二機分としたのは、本型に続く“たかなみ”型からである。

Img_9158_2  同じく並んで建造されていた“ひだ”型巡視船の三番船“きそ”。公称は2000㌧型巡視船。IHIマリンユナイテッド横浜工場には、この他、“ひゅうが”の反対側に“むらさめ”型乃至“たかなみ”型と思われる護衛艦のマストが見えていた。“ひゅうが”については、後日、更に詳報として記事を掲載したい。とりあえず速報として掲載した次第である。

HARUNA

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コメント (4)
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