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航空自衛隊白山分屯基地開庁35周年記念行事 装備品展示編

2007-08-03 11:22:37 | 航空自衛隊 装備名鑑

■第14高射隊と小松基地防空隊の装備

 第14高射隊は、映画“ガメラⅢ”で、紀伊水道から北上するガメラに対してQ号指令に基づく航空総隊司令官命令でミサイル攻撃を実施、これを撃墜することに成功した部隊として特撮ファンの間では有名だ。

Img_9334_1  高射隊は、長期間、野戦展開を行う運用も為され、その為の自衛火器は重要である。航空自衛隊では、64式小銃を個人装備の中枢と位置づけている。近年、5.56㍉小銃弾の限界から、新口径として6.8㍉の開発がFN社やH&K社などで検討されており、老朽化と構造部の脆弱性を除けば、64式にもまだ有用性はある。

Img_9335_1  航空自衛隊仕様の戦闘防弾チョッキ。迷彩が陸上自衛隊のものとは異なっている。大きな迷彩斑点は、100㍍以上で高い迷彩効果を発揮し、陸自迷彩の小さな斑点は、50㍍以下の距離で高い迷彩効果を発揮するという。したがって、展開する地域の植生や脅威対象に対応している迷彩である。

Img_9336_1  耐小銃弾用付加防護衣と書かれた、通称チキンプレート。恐らくセラミック板が挿入されているものと考えられる。従来の戦闘防弾チョッキは、最近配備された2型を除き、砲弾片の防護に重点が置かれ、小銃弾への防御力を有さなかった為、後付式に制式化されたもの。

Img_9355_1  米軍のPASGTバリスティックベスト。陸上自衛隊の戦闘防弾チョッキに大きな影響を与えたもので、ケブラー繊維を主素材としたもの。航空自衛隊では、湾岸戦争派遣問題や派米訓練などの教訓からいち早い導入の必要性を認めたといわれる。

Img_9572  小松基地防空隊の装備。中部航空方面隊直轄第301基地防空隊の装備。基地防空隊の装備は、81式地対空短距離誘導弾2セット、VADS20㍉高性能機関砲16基、携帯式地対空ミサイル24基より成る。一部の基地では、M55四連装重機関銃も残っているようだ。

Img_9359  携帯地対空ミサイル。国産の91式携帯地対空誘導弾と、アメリカより輸入したスティンガーミサイルが並行配備されている。支柱に支えられ、長時間の射撃姿勢に対応している。実際の運用は、土嚢などで防護された掩体などから行われるという。

Img_9356_1_1  VADS。20㍉高性能機関砲で、米軍のM167A1と同型。航空機対処の他、高い発射速度を有する為の絶大な制圧力を活かし、基地に侵入するゲリラコマンド部隊の一掃にも用いられる。中型トラックにより迅速に展開撤収することが可能である。

Img_9570  測距レーダー、見越角計算照準器と、赤外線探知装置を併用しており、有効射程1200㍍、発射速度は毎分3000発と1000発の調整が可能。亜音速で低空を飛来する目標に大きな効果を発揮する。小松基地航空祭などでは空包発射の展示が行われる。

Img_9568  JM51A1型擬製弾。この他、JM55A2型普通弾、JM56A3型実弾、JM220型曳光弾、曳光自爆榴弾、徹甲弾、空砲が用意されている。それよりも訓練では発射後に文字通り撒き散らされた薬莢や連結器の回収が大変とのこと。

Img_9573  81式地対空短距離誘導弾。通称短SAM。この装備については、撤収中の面白い写真が撮影できた為、後日改めて記事としたい。陸上自衛隊では最新型のC型への更新が開始されており、航空自衛隊にも配備が為されるのか、興味深い。

Img_9362  久居駐屯地より駆けつけた第33普通科連隊第四中隊の軽装甲機動車。近年、航空自衛隊にも基地警備用に配備が進められている装備。基地防空隊の新編や設備更新など、過去の事例から推して、遠からず小松にも配備されるのだろうか。ちなみに同日、久居では駐屯地祭が行われていた。

HARUNA

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コメント (2)
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