◆富士学校祭2012 速報前編
富士学校祭の様子をPowerShotG-12の写真にて簡単に紹介します。
82式指揮通信車を先頭に観閲行進を開始する富士教導団機械化部隊。観閲行進、富士学校祭では予行が当日朝に行われ、開門時間から十五分ほどのちに行われるため実は二回ほど観閲行進を見ることが出来る非常にありがたい稀有な行事です。
偵察教導隊。軽装甲機動車は偵察用の車両では通信能力が高められています。もう少し画像通信能力と専用の監視装置などを搭載すれば、威力偵察を越えた斥候と情報収集を複合化させる新しい偵察という任務の在り方はありえるかもしれません。
87式偵察警戒車。富士学校では機甲科幹部の養成と戦術研究に新装備評価試験を行っており、偵察部隊は機甲科に属する任務となっていますので87式偵察警戒車も配備されています。威力偵察を行うのに搭載されている25mm機関砲は少々威力不足で、後継装備には105mm砲装備の機動戦闘車派生型、偵察戦闘車を期待したい。
普通科教導連隊。82式指揮通信車上の連隊旗は富士教導団において唯一の連隊ならではのもの。戦車教導隊は昨年までは五個中隊編制だったので戦車教導連隊でよかったように思いますし、特科教導隊も特科中隊は六個あるので、牽引砲、自走砲、ロケット毎に大隊編成をとれば特科教導連隊になれたようにも。
普通科教導連隊第一中隊は89式装甲戦闘車。夜間戦闘用暗視装備と高出力エンジンを搭載した防弾鋼板車体に35mm機関砲と射程4kmの79式対主艇対戦車誘導弾を搭載し、一個小銃班を戦車に追随させ支援する装備。しかし、予算をヘリコプターと対空ミサイルに費やしすぎた陸上自衛隊では機甲師団と富士教導団にしか配備できなかった装備だ。
普通科教導連隊第二中隊の軽装甲機動車。数年内に2000両が装備されることとなろう陸上自衛隊普通科部隊の主力装甲車。MINIMI機銃か01式軽対戦車誘導弾を装備し、一個小銃班を二両に分けて機動することで、一個小銃班の火力拠点を分散させることが出来る、陸上自衛隊独自の戦術研究に基づき開発された装甲車です。
普通科教導連隊第三中隊は高機動車基幹編成。後ろには重迫撃砲中隊の120mm重迫撃砲が見えますが、牽引している車両も高機動車派生。普通科教導連隊は、装甲戦闘車、軽装甲車両、機動車両、装甲車と、全国の普通科部隊を構成する普通科中隊の多種多様な運用に応じた運用を想定する編成となっています。
普通科教導連隊第四中隊の96式装輪装甲車。高速道路網の発展と道路舗装率の向上は、これまで不整地突破能力を高めるべく装軌式装甲車を中心として配備が進められていましたが、道路上に限り高速走行が可能な装輪装甲車であれば、有事の際に迅速な展開が可能となり、相手が上陸後に態勢を整える前に機動打撃を加えることが可能という運用が為されます。
普通科教導連隊対戦車中隊。陸上自衛隊は、諸外国と比較し、戦車の近代化度合と装甲車の普及率で遅れているとされ、これが全体の機動打撃力軽視とみられる一要素となっているのですが、前者は我が国独特の調達制度、後者は山間部では機械化部隊の運用が難しいという背景、対してレーダー普及率、各種ミサイル、ヘリコプターの装備密度が高いのが特色と言えるところ。
中距離多目的誘導弾。配備開始されたばかりの最新装備そのもの。普通科中隊対戦車小隊と普通科連隊対戦車中隊などに配備が進められる装備。射程は概ね8km程度あるとされていますが、誘導方式が赤外線画像方式とミリ波レーダーの複合方式を採用、車両には誘導装置が装備されていますが、誘導装置を携行することで間接照準射撃も可能な装備として完成しました。
普通科教導連隊重迫撃砲中隊の120mm重迫撃砲、フランス製の迫撃砲を豊和工業がライセンス生産したもので、射程8100m、射程延伸弾では13000mという射程を誇ります。火力支援は従来使われていた107mm迫撃砲が4000mの射程だったので大きく向上、全国の普通科連隊重迫撃砲中隊へのおっかえが完了した装備で、フランスも日本がここまで大口ユーザーとなったことに驚いているもよう。特科教導隊と戦車教導隊は明日紹介します。
北大路機関:はるな
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