◆沖縄救援隊にも参加した第4高射群第14高射隊
白山分屯基地へ行ってきました。創設40周年、五年ぶりの白山分屯基地です。
祝辞を述べる公明党の坂口代議士、三重県の自衛隊関連行事へは精力的に足を運ばれています。白山分屯基地開庁までの流れを振り返り、今日の基地と任務について触れられていました。前回の35周年行事へ足を運んだ際は飛行展示もおこなえたのですが、ここまで濃霧が凄かった。
白山分屯基地は第14高射隊が展開する分屯基地、ペトリオットミサイルのミサイルサイトであるのですが、上級部隊である第4高射群司令はじめ、多くの関係者が足を運ばれていました。一般開放行事へ航空自衛隊の指揮官が並ぶ様子が見れるのは航空自衛隊では稀有と言えるかもしれません。
式典は、国旗掲揚、指揮官訓示、来賓祝辞、祝電披露が行われ、こののち、観閲行進などは行われず、本部庁舎からミサイル部隊格納庫へ移動し、装備品展示を見学することに。近くには第1警戒群の笠取山分屯基地がありますが、こちらも稀に凄い濃霧に覆われますが、本日の白山も凄いことに。
第14高射隊警備小隊の軽装甲機動車。ペトリオットミサイルは射程100kmの地対空ミサイルです。強力で多目標に対処できるほか、射程を15kmとした弾道弾迎撃可能なPAC-3もあり、このシステムが展開した場合は敵対航空機の運用が大きく制約されるのですが、敵コマンドー部隊の襲撃に備えるべく地上の護りも欠かしていないというもの。
第6基地防空隊の装備品展示。小松基地に展開する基地防空隊で、今回は日本海側からはるか太平洋に続く伊勢湾近くまでの展開です。手前は射程2000mの20mm機関砲VADS,奥は国産で同時多目標対処が可能な射程8kmの81式短距離地対空誘導弾、基地への空爆から滑走路と施設を防護します。
白山中学校ブラスバンド部の音楽演奏。白山分屯基地祭は地元との交流行事という部分を前面に出していまして、式典の最中には太鼓演奏を、そしてブラスバンド演奏、続いて白山神楽保存会の演舞も行われ、かなり広さがある格納庫を活かして次々と展示されていました。
警備展示。第14高射隊警備小隊による執銃展示と警備展示が行われました。霧に包まれた山間部での警備訓練展示、なかなか雰囲気がありますが、この第14高射隊は先の北朝鮮ミサイル事案へミサイル派遣命令を受け沖縄救援隊の一員として派遣された部隊、この部隊の展示の説得力は大きい。
警備小隊が用いるのは64式小銃。航空自衛隊へはまだ89式小銃は配備されていません。ただ、基地防御に展開部隊警備という近接戦闘への需要を考えた場合、航空自衛隊向きの小銃は、海上自衛隊が一部採用しているHK-416あたりが妥当、なのでは、とおもいますね。
軽装甲機動車とともに不審者排除訓練、不審者は新迷彩に64式小銃という出で立ちでした。軽装甲機動車はMINIMI機関銃座に64式小銃を配置していました。前進する警備小隊への盾として軽装甲機動車は活躍していましたが、濃霧の向こうにいるので、少々確認しにくいかもしれません。
建物に突入する警備小隊。陸上自衛隊の訓練展示は億診ていますが航空自衛隊の近接戦闘展示は今回が初めて見ました、百里基地へ基地警備教導隊が発足し、警備能力強化へ着手した航空自衛隊では今後こうした展示が増えてゆくのでしょう。突入し、武装した暴漢を包囲、武装解除し連行してゆきました。
ペトリオットミサイル発射器展開展示が続いて行われました。牽引車にて進出し、ミサイル発射器の発電機を稼働、同時に発射装置と指揮装置とを結ぶアンテナを起立させ、牽引車を分離、射撃準備態勢を完了、動作ごとに掛け声をかけ、安全に配慮しています。自衛隊は戦闘という究極の危険に臨むからこそ、管理できる危険は最大限管理する、現役隊員の言葉です。
こうして一通りの展示が完了しました。駐車場へシャトルバスにて戻ったのですが、前回当方が足を運んだ35周年祭と比べると、来場者が多く、駐車場の規模も大きくなっている印象です。ミサイル部隊の展開訓練場と思わしき場所が駐車場に開放されており、こちらも興味深かったところです。最後になりましたが隊員の皆様、現地にてご一緒いただきました皆様、ありがとうございました。
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