◆真駒内駐屯地祭2011観閲行進開始
今回から観閲行進を紹介しますが、観閲行進は規模が非常に大きく、勇躍遙か札幌まで飛んだ甲斐があったぜ、というものです。
観閲行進の先頭真駒内駐屯地司令は副旅団長安藤正一1佐です。執行責任者でもある幕僚長は第11旅団幕僚長松戸厚1佐。乗車するのは82式指揮通信車で、250両以上が生産された普通科連隊本部や特科大隊本部の情報通信用に制式化された陸上自衛隊初の国産装輪装甲車、今年は制式化30周年にあたります。
真駒内駐屯地祭の観閲行進は第11旅団、北部方面混成団と駐屯部隊が非常に多く、そして旅団司令部が駐屯していることから旅団隷下部隊も集結して観閲行進に参加しています。今回は数回に分けて真駒内駐屯地祭の大規模な観閲行進を掲載してゆく、その第一回目としてゆきましょう。
観閲行進は執行責任者とともに第11音楽隊の式典会場への入場とともに始まります。音楽隊、自衛隊では休日と最も縁遠い部隊ではありますが、音楽の演奏が職業という使命感と誇りを持って演奏に当たっています。技量は非常に高いものですが、有事の際には司令部警備や捕虜取り扱いなど、人員不足に対応し戦闘任務にも参加します。
北部方面混成団、団長渡邊金三1佐以下編成は混成団本部、第52普通科連隊、第1陸曹教育隊、第120教育大隊、冬季戦技教育隊となっているのですが、このうち第52普通科連隊、第120教育大隊、冬季戦技教育隊が真駒内に駐屯しています。元々第一教育連隊の北部方面教育連隊を基幹に予備自衛官基幹部隊を隷下に編入して誕生したのが方面混成団、有事の際は戦略予備部隊になるのですね。
冬戦教!、冬季戦技教育隊、指揮官は堤秀一1佐。日本唯一の冬季戦専門部隊となっていまして、特に豪雪地帯と厳寒が覆う山間部という世界でも有数の危険な地域を防衛し得るには、厳冬を克服しなければならない、という指針の下北部方面特別戦技訓練隊として1961年に札幌駐屯地で創設されました。見学した2011年は50周年です。
冬戦教に志願するには最低でもレンジャー資格とスキー検定が必要で、訓練はもう凄いの何の、という一言。自衛隊のすべての携帯火器に関する訓練と水路進入、特殊上陸、空挺進入なども行われ、習志野の特殊作戦群にも少なくとも北海道では引けを取らない精鋭中の精鋭です。冬季オリンピック選手養成もやっているとのこと。
米陸軍が沖縄に前方展開させているアメリカ陸軍特殊部隊群グリーンベレー第一特殊作戦群1st SFGとも交流があり、実際のところ、イギリスのSASがノルウェー軍との協同で冬季戦闘の研究と訓練を行っているようにその能力はグリーンベレーからも評価され、高め合う関係です。日米関係を良好とする要素は多岐に及びますが、米軍部内での自衛隊の連中は腕も確かで信頼できる、という評価の一要素を担っているといえるかもしれません。
第120教育大隊、隊員の新隊員教育前期教育にあたる自衛官候補生や一般曹候補生、予備自衛官補の訓練を行います。新隊員は父母が式典に招待され来ることが多いので、基本全員が式典に参加します。第342共通教育中隊と第343共通教育中隊が基幹として編成されています。
自衛官候補生という制度ですが、これは2009年に新しく始まったもので、教育期間中の身分を自衛官の定数外として運用するもの。前期教育は三ヶ月間で、教育部隊のほか、師団や旅団などにおいても実施されていて、そののちに普通科や特科など職種を決定した後、部隊での後期教育が行われるというもの。
行進する自衛官候補生。さて先ほどの用語、予備自衛官補、2002年度より開始された制度で本年は10周年というもの、通常予備自衛官は現役自衛官の中で退職時の希望者から選抜して予備自衛官に任官、年間五日間の訓練を以て有事の際に召集を受けます。しかし、もう少し門戸を開こうと3年間で合計50日の訓練を以て予備自衛官に任官する新しい制度。語学と医療に車両整備等の専門技術者を対象とする技能公募もあり、こちらは2年間で合計10日の訓練期間となっている。
さて、北部方面混成団ですが2014年度には即応予備自衛官主体の第7師団第73戦車連隊を編成に含め、戦車部隊を有する方面混成団となります。東部方面混成団は第一機甲教育隊の戦車4個中隊を有していますが、北部方円混成団は第73戦車連隊の戦車五個中隊を移管される、ということに、もっとも方面混成団ということで連隊編成から戦車中隊が中抜きされてゆきそうで不安ではあるのですが。
第52普通科連隊。北部方面混成団隷下部隊で、指揮官は櫻井正人1佐。2011年4月22日に新編されたばかりの部隊です。連隊本部と本部管理中隊に加えて三個普通科中隊から編成されていて、即応予備自衛官主体の部隊です。連隊本部は真駒内にありますが第1中隊は真駒内駐屯地、第2中隊は旭川駐屯地、第3中隊は帯広駐屯地に駐屯しています。
徒歩行進はここまで、観閲行進参加車両待機位置には続々と96式装輪装甲車が集結しつつあります。北部方面混成団の普通科部隊には一個中隊の装甲車が配備されていますし、第11旅団隷下の普通科連隊にも装甲化された普通科中隊が配置されています、ここは機械化部隊の中枢北海道、車両観閲行進には期待が高まる。
車両待機位置の先端には連隊旗がみえます。この撮影位置に展開したのは、こうした車両観閲行進を真正面から、一番数が多く一枚に収めることが出来る構図が可能だから、少々式典そのものへの距離は超望遠レンズを用いても遠かったのですけれども、ここからこの位置の見どころが始まります。車両の観閲行進は次回、お楽しみに。
今回から観閲行進を紹介しますが、観閲行進は規模が非常に大きく、勇躍遙か札幌まで飛んだ甲斐があったぜ、というものです。
観閲行進の先頭真駒内駐屯地司令は副旅団長安藤正一1佐です。執行責任者でもある幕僚長は第11旅団幕僚長松戸厚1佐。乗車するのは82式指揮通信車で、250両以上が生産された普通科連隊本部や特科大隊本部の情報通信用に制式化された陸上自衛隊初の国産装輪装甲車、今年は制式化30周年にあたります。
真駒内駐屯地祭の観閲行進は第11旅団、北部方面混成団と駐屯部隊が非常に多く、そして旅団司令部が駐屯していることから旅団隷下部隊も集結して観閲行進に参加しています。今回は数回に分けて真駒内駐屯地祭の大規模な観閲行進を掲載してゆく、その第一回目としてゆきましょう。
観閲行進は執行責任者とともに第11音楽隊の式典会場への入場とともに始まります。音楽隊、自衛隊では休日と最も縁遠い部隊ではありますが、音楽の演奏が職業という使命感と誇りを持って演奏に当たっています。技量は非常に高いものですが、有事の際には司令部警備や捕虜取り扱いなど、人員不足に対応し戦闘任務にも参加します。
北部方面混成団、団長渡邊金三1佐以下編成は混成団本部、第52普通科連隊、第1陸曹教育隊、第120教育大隊、冬季戦技教育隊となっているのですが、このうち第52普通科連隊、第120教育大隊、冬季戦技教育隊が真駒内に駐屯しています。元々第一教育連隊の北部方面教育連隊を基幹に予備自衛官基幹部隊を隷下に編入して誕生したのが方面混成団、有事の際は戦略予備部隊になるのですね。
冬戦教!、冬季戦技教育隊、指揮官は堤秀一1佐。日本唯一の冬季戦専門部隊となっていまして、特に豪雪地帯と厳寒が覆う山間部という世界でも有数の危険な地域を防衛し得るには、厳冬を克服しなければならない、という指針の下北部方面特別戦技訓練隊として1961年に札幌駐屯地で創設されました。見学した2011年は50周年です。
冬戦教に志願するには最低でもレンジャー資格とスキー検定が必要で、訓練はもう凄いの何の、という一言。自衛隊のすべての携帯火器に関する訓練と水路進入、特殊上陸、空挺進入なども行われ、習志野の特殊作戦群にも少なくとも北海道では引けを取らない精鋭中の精鋭です。冬季オリンピック選手養成もやっているとのこと。
米陸軍が沖縄に前方展開させているアメリカ陸軍特殊部隊群グリーンベレー第一特殊作戦群1st SFGとも交流があり、実際のところ、イギリスのSASがノルウェー軍との協同で冬季戦闘の研究と訓練を行っているようにその能力はグリーンベレーからも評価され、高め合う関係です。日米関係を良好とする要素は多岐に及びますが、米軍部内での自衛隊の連中は腕も確かで信頼できる、という評価の一要素を担っているといえるかもしれません。
第120教育大隊、隊員の新隊員教育前期教育にあたる自衛官候補生や一般曹候補生、予備自衛官補の訓練を行います。新隊員は父母が式典に招待され来ることが多いので、基本全員が式典に参加します。第342共通教育中隊と第343共通教育中隊が基幹として編成されています。
自衛官候補生という制度ですが、これは2009年に新しく始まったもので、教育期間中の身分を自衛官の定数外として運用するもの。前期教育は三ヶ月間で、教育部隊のほか、師団や旅団などにおいても実施されていて、そののちに普通科や特科など職種を決定した後、部隊での後期教育が行われるというもの。
行進する自衛官候補生。さて先ほどの用語、予備自衛官補、2002年度より開始された制度で本年は10周年というもの、通常予備自衛官は現役自衛官の中で退職時の希望者から選抜して予備自衛官に任官、年間五日間の訓練を以て有事の際に召集を受けます。しかし、もう少し門戸を開こうと3年間で合計50日の訓練を以て予備自衛官に任官する新しい制度。語学と医療に車両整備等の専門技術者を対象とする技能公募もあり、こちらは2年間で合計10日の訓練期間となっている。
さて、北部方面混成団ですが2014年度には即応予備自衛官主体の第7師団第73戦車連隊を編成に含め、戦車部隊を有する方面混成団となります。東部方面混成団は第一機甲教育隊の戦車4個中隊を有していますが、北部方円混成団は第73戦車連隊の戦車五個中隊を移管される、ということに、もっとも方面混成団ということで連隊編成から戦車中隊が中抜きされてゆきそうで不安ではあるのですが。
第52普通科連隊。北部方面混成団隷下部隊で、指揮官は櫻井正人1佐。2011年4月22日に新編されたばかりの部隊です。連隊本部と本部管理中隊に加えて三個普通科中隊から編成されていて、即応予備自衛官主体の部隊です。連隊本部は真駒内にありますが第1中隊は真駒内駐屯地、第2中隊は旭川駐屯地、第3中隊は帯広駐屯地に駐屯しています。
徒歩行進はここまで、観閲行進参加車両待機位置には続々と96式装輪装甲車が集結しつつあります。北部方面混成団の普通科部隊には一個中隊の装甲車が配備されていますし、第11旅団隷下の普通科連隊にも装甲化された普通科中隊が配置されています、ここは機械化部隊の中枢北海道、車両観閲行進には期待が高まる。
車両待機位置の先端には連隊旗がみえます。この撮影位置に展開したのは、こうした車両観閲行進を真正面から、一番数が多く一枚に収めることが出来る構図が可能だから、少々式典そのものへの距離は超望遠レンズを用いても遠かったのですけれども、ここからこの位置の見どころが始まります。車両の観閲行進は次回、お楽しみに。
北大路機関:はるな
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