北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

川崎重工潜水艦修繕費接待疑惑-問題の裏金は艦艇入渠時のドックハウス運営費不足分か

2024-07-07 20:22:53 | 国際・政治
■潜水艦修理契約
 文字にしますと大問題に見えますが事情そのものを理解した上で整理しますと案外別のものが見えてきます。

 川崎重工潜水艦修繕費接待疑惑について、防衛省の対応は早いものでした、が調査はこれからです。何しろ防衛費の少なくない部分を川崎重工が担当し陸海空に納入している故に大変なことです。防衛省発表を引用しましょう。防衛省発表は以下の通り。“川崎重工業株式会社からの報告を受けた調査について令和6年7月3日防衛省-”

 “令和6年4月、川崎重工業株式会社から、潜水艦修理契約に関して同社と取引先企業との間での架空取引や海上自衛隊員への金品・物品の提供などの不適切な行為の疑いがある旨の一報を受け、以降、海上幕僚監部に一般事故調査委員会を立ち上げ、潜水艦修理契約における不適切な行為及び隊員規律違反の疑いについて調査を実施しているところです。”

 “また並行して、同社と海上自衛隊の間で締結した潜水艦修理契約について、架空取引などに伴い過払いが生じていなかったか、防衛装備庁において臨時調査を実施しているところです。本日、同社から防衛省に対して、潜水艦修理契約に関する架空取引などに係る追加的な税金費用の確定に向けた見通しが立った旨の報告があったことから、”

 “防衛省としても調査を加速し、今後、判明した事実関係に基づき厳正に対処してまいります。”とのこと。ドックハウスの事なのではないかなあ、と思うのですが、とくに、金銭の授受ということは問題ですが、調達担当者ではなく乗員に対して行うのでは、別に潜水艦の乗組員が次の潜水艦は三菱製がいいか川崎製がいいのかを決めるわけではない。

 労働基準法適用外である船舶乗員、そして特別職国家公務員、なかでも潜水艦は特殊過ぎますし、驚かれるかもしれませんが救命ボートは潜水艦は船舶基準の外側に置かれています、そして艦内気圧は些細な虫歯が破裂するほど過酷な環境で運用されますので、旧海軍などは潜水艦乗員用に温泉保養所を娯楽でなく健康維持のため確保していたほど。

 ドックハウス、一般論から言いますと驚かれるかもしれませんが海上自衛隊護衛艦や潜水艦に補給艦などの艦艇は、数年に一回定期検査を行います、自動車の車検と似ているのかもしれませんが、自動車は工場で車検を行うのに対して、潜水艦はじめ艦艇は、船底まで調べるためにドックに入渠します、が、ここまでは必要だ、と理解がありましょう。

 入渠に際して、驚かれるでしょうが、当直が置かれています。つまり造船所に入っていますが、護衛艦であり潜水艦であり補給艦であり輸送艦であり掃海艇なのですから、乗員が当直配置を取っています。もちろん、検査に際して機関部も調べますし、入居中は海水の冷却も出来ませんから機関部は止めて、そして電力などは陸上から給電します。

 護衛艦はこのように寝泊りしますが、建造中の護衛艦の乗員などは艤装員としてやはり陸上に宿泊します、例えば2隻の護衛艦を想定したドックハウスは500名が寝泊まりできるかなり大きなものでロビーも娯楽室も入浴施設もある。ドックハウスは特に潜水艦は魚雷用弾薬架に乗員を就寝させるほど場所がなく、艦長のみが個室で潜水隊司令さえも個室が無い潜水艦、入居中に作業用ケーブルが出入りする状況ではとても艦内で通常通り生活などは出来ません。

 潜水艦乗員はこの為に神戸ではドックハウス、犬小屋ではなく入渠施設としてのドックハウスで、別に犬小屋生活を強いられている訳では無い、ここで生活します。そして、これは呉基地の海上自衛隊広報館てつのくじら館を見学しますとわかりますが、潜水艦の食事は、なにしろ日光浴さえできず娯楽が無いため、多めに確保されてきました。

 ドックハウスでの潜水艦乗員の日常水準の食事と、それから入渠作業完了時の祝賀会食、メーカー側の持ち出しが多くなった背景にはこういうところがあるのではないか。ドックハウスを自衛隊が運営する事ができればよいのですが、最寄りの基地は海上自衛隊阪神基地、同じ神戸市内なのですが会場を直線距離で8km程離れているのですね。

 今回問題視される状況を冠が見ますと、例えば新長田かポートアイランドのあたりに分遣基地を置くか阪神基地の西庁舎として用地を確保し、自衛隊が運営するドックハウスを新設するという選択肢と、祝賀会食などは護衛艦新造時にも行われているのですから、もう少ししっかりとした別枠での予算措置を執ってはどうか、ということです。現状、ドックハウスでの居住は修繕費に含まれているのだから。

 時代は既に令和、過酷な勤務を考えるならば必要性は理解するのですが、大雑把な一括りはゆるされません、不明瞭な会計は許されない時代なのですから、飲食費や祝賀会食の費用はしっかりと、架空請求の様なもので裏金とするのではなく明細を示し、寧ろ必要なのは、何故ドックハウスや祝賀会食が必要なのかという事を明白に説明することにあるよう思います。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-滋賀・大津,昼時過ぎた街並みで探し求めた蕎麦屋は駅前

2024-07-07 18:21:45 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 昔からこんな感じだっただろうか。

 大津って、お昼1400時を過ぎてしまうと急に食べる場所が無くなってしまうものなのですねえ、ちょっと驚いたといいますかチェーン店ばかりになってしまう時間帯が浜大津から大津駅まで商店街を挟んでひろがっていましてちょっとびっくりしました。

 駅前でお蕎麦でも頂こう、というのは、浜大津駅前には頼みのお店も夕方からとか定食屋がありそうなアーケード街はお察しの通りという状況でしたので、大津駅まで出れば何とかなると意気込んで東海道本線を信じていたのに、昼過ぎには、もう。

 金亀庵、幾つか悩んだ結果、ちゃんぽんもいいけれどもお蕎麦にしよう、と入りましたお店が、案外美味しかったのだ、多賀町のお蕎麦を使っているとかで、滋賀県にも蕎麦処があったのだと安心しつつ、日吉蕎麦とは違う出汁の味わいに驚きつつ。

 出汁は京都のものにちかい、けれども大津は日吉大社のあたりまで行きますと甘口の醤油を使った、あまみがある、つまり塩分を必要としないという意味で上品なのか、出汁に代わりまして、この出汁の味わいは福井県の一部と岐阜県のごく一部に重なる。

 かき揚げが、またこれもさくさくの揚げたてが出てきまして、そう、駅のお蕎麦屋さんですが駅そばではない時間の贅沢な使い方のお店、ということなのでしょうね。このあとなにもなければもうこのまま地酒で一杯やっていたところというほど美味しい。

 金亀庵、大津駅の改札の隣に並んでいます駅前横丁的な一角にありますお店です。このあたりは正午当たりならばステーキも中華も楽しめる一角という事なのですけれども、ランチタイムとディナータイムの幕間となると、急に厳しくなってしまうのかあ。

 新快速が停車する大津駅、タワーマンションが林立してゆきまして、そう、京都の住宅事情から地下鉄でそのまま京津線経由の浜大津駅に到達する大津は活気があるのですけれども、昼下がりのグルメについても、活気を期待したいところですよね。

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【京都発幕間旅情】広島電鉄800系,気候変動の酷暑日増大は市電利用者を遠ざけるか

2024-07-07 07:00:27 | コラム
■気候変動と市電
 七夕なのだから京阪の古い写真から快急おりひめ快急ひこぼし写真でもと思ったのですが時間が無いので熱いので別の話題を。

 広島駅へ続々と到着する800系電車、広電の凄いところは、この利便性を支える膨大な運行本数で、ダイヤグラムの管理と稼働やっているのだろう、という路線網と濃密な運行本数が多数の利用者を支えています、便利だから選ばれる交通手段なのですね。

 路面電車、都市交通とローカル線維持に関する一つの方向性なのかな、と思っていたところなのですが、一つだけ、気候変動の影響を受けやすい鉄道なのだなあ、と。具体的には地下鉄や鉄道駅と比べて軌道線上の電停は夏の影響が大きいのです。

 駅舎であれば、ホームは確かに暑いですが線路とは高低差がありますので、冷房の効いた待合室の無い無人駅でも涼は保てないにしてもある程度風が通ります、地下鉄ならば基本的に地下路線には直射日光がありませんし、たいてい冷房が効いている。

 電停は、そういうことを期待するわけにはいかないのですよね。広島電鉄の様な運行頻度であれば、電車の中に逃げ込んでしまえば、という利便性はあるのですけれども、しかし乗り換えでもある程度急いで鉄路と道路の上の横断歩道を歩く、というのは。

 京都駅前バスターミナルなどでは、京都駅ミストという、スティーブンキングの小説や映画は関係ない涼を保つための霧状散水装置を作動させて、あれ蒸し暑い時には逆効果にも思えますが、やってるなあ、という熱中症対策は行われていますけれども。

 京阪京津線はレールに散水していまして、しかしあの散水は涼を感じるためのものではなくカーブが凄すぎて電車の通過が大変ですので走行を補助するための散水、という事なのですけれども。気候変動による酷暑日増加、こんなことさえ、考えてしまうのだ。

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