愈々本物を拝むことが出来る。やはり絵ではもの足りぬ。
さあ、と思って覗き込むと白いタオルが目に入ってきた。「あっ、タオルが邪魔ですね」とボランティア。心の中で「おいおい」と言っている自分がいる。湿度が高いので曇りを拭くために置いてあるのであろうが、なにもこんな所に置かなくてもと思ってしまった。
向うにガラス戸が見えるが内面の結露を祓うための手動のワイパーが取り付けられている。昔の路面電車を思い出してしまった。
本物をご覧頂こう。ガラス越しなので表面上部に映り込みがあり、内側には水滴が付いている。それ以外は綺麗に写っている。向って右側玄門袖石には朱雀、左側玄門袖石には玄武が描かれてあるのだが・・・うーむ、判らない。
本題の奥壁腰石だ。尻尾の長い馬のように見えるそれが龍である。青龍とも言われる。
その他のものは絵師が現に目にしたものだろうし、或いは何処かの古墳で目にしたものかもしれん。全体に纏まり良く描かれている。この絵師はここ一箇所しか描いていないのかもしれんが腕がもったいないような気がする。他二三箇所の古墳にでも描けばよかったのにと思うのは私だけかな。