1月22日(火) 薄日が射す 風がないので寒くはない
最近町の図書室から借りてきた本が楽しい。
『和のしきたり「日本の暦と年中行事」』監修=国立歴史民族博物館教授 新谷尚紀さん 出版は日本文芸社
親から伝えられた意識はないが、何気ない習慣でやってきた行事や言葉のいわれが書かれていて納得する。
今の若い人たちは旧暦の言葉すら知らないと云う者がいるが、それが潮の満ち引きや月の満ち欠けに間れしている事などが分かりやすく単純明快に表現されている。
幼い頃に柊に目刺しの頭をさして玄関脇に飾ったのを思いだすが、目刺しの(鰯)を鬼が嫌うこと、鬼は生臭い者を嫌うということなど、言葉で読むと楽しい。
鬼は酒を嗜むのに塩辛い鰯の目刺しを肴にすると飲み過ぎて役目が果たせなくなるのかも知れない・・・・
こんな事からいろいろ想像していると最も俺の得意とする瞑想に耽るようになる。
自分自身は悦に入っているのだが、他人様は「何をボンヤリ遠く見ているのだろう」そろそろ徘徊が始まるのでは?と心配して声を掛けてくれたりする。
そんな俺には最適な本、目次を列挙してみても楽しい。
第一章の「しきたりの背景」では、日本人の自然観・・豊かな気候風土で育まれた自然崇拝。
「二十四節気」では立春・清明・白露・秋分など二十四の季節の目安が記されている。また、十二支と陰陽五行、六曜星など神秘的な自然の不思議を解明してくれる。
第二章では年中行事のしきたりで、初午・事始め・社日などがある。
この社日では「種蒔きの前に土地の神様にご挨拶をする日」とある。
これにはここ立科町でも蓼科山の涌水を里へ引き、その恩恵で開拓した塩沢新田があるがその一番奥に社口と呼ぶ神様の祠を納めてあるお社があるが、ここでも田の作業の折々にお祭りをするという。
この本には四章まであり、集落の日々の生活の中で行われている習慣や行事のことが文字にされているのがうれしい。
この本の姉妹版『和ごよみと四季の暮らし』写真で綴る「やさしい」暮らし歳時記が出版されているそうだ。