10月31日(月) 晴れ 濃霧 曇は多いが温かい一日
朝方は雨音が聞こえたので雨を予想していたが、ちぎれた曇間から陽が射してきた。僅かな時間だったが陽が昇るにつれ霧が湧き出すと直ぐに濃くなり集落を包み込んだ。
午前中の予定は役場、公民館、社協と町の官庁街を一巡りするはずだったが、一カ所電話でアポを取るつもりが用事が済んでしまった。そうなると態々出向くこともないと話が込み入っることはメールをしてから電話で済ませることにした。
溜まっている仕事に手を付けたが先に進まない。それは外を見ていると朝の霧は何処へ行ったのか青空と白い曇のバランスが良く俺を呼んでいるようなのだ。庭に咲く花はコスモスも終わりタンポポが目立つようになった。ハナの少ない季節になると虫たちも蜜の多い花を探している。ヒラタアブはホバリングをしながら場所を変え角度を変えて先を急ぐようだ。
クロヒラタアブはヒラタアブよりも僅かに身体大きく、羽音も人を驚かすほどにたてる。また、黒に白のストライプからクロスズバチだと言う人もいる。彼もホバリングの名手で僅かに残ったホトトギスに蜜を求めに来ていた。
近くのタンポポでは昨夜の冷え込みにエネルギーを費やしたのか、口吻を花の中に差し込んだまま頭を翅で包み込んだキチョウがいた。長い間このままの姿勢でいるが、近くにいるカマキリなどに食われはしないだろうか。
庭から裏山に入り、いつもの散歩道を訪ねた。風もない穏やか、ツリバナの実を見ると大分弾けて下に落ちている。五つに割れた殻がきれいに広がっているのが秋の終わりを感じる。
ツリバナの木に成虫がいたときに驚いたが ・ ・ ・ あの場所と同じ場所で緑色の繭があった。手で軽くふれると温かい感触が返ってきた。寒い冬をこのまま越して、来春蛹になるのだろうか?黄色みを帯びた緑が美しい。
直ぐ脇ではこの山一帯が秋色はこれだとばかり黄色い葉が森を被っている。僅かな風に揺れる葉の間から陽の光が届いた。
地面ではクローバーが蔓延っているところでモンシロチョウが翅を傷めたのか飛び上がれずに急ぎ足であるいているが、同じ場所を回転しているだけだ。翅に傷はないし羽化したばかりとも思えない。ここで一生を閉じようとしているのかもしれない。
携帯で時間を見ると既に昼の時間は過ぎていた。近道をしようと路のない山を一気に下りようとしたときドキッとさせられた。マムシソウだ。葉もこのところの霜でぐったりとたっれさがり、赤い実の集合体も三角の頭が今にも地面に落ちようとしている。
夜の9時過ぎの出来事だが ・ ・ ・ リビングのガラス戸を叩く音がする。街灯をつけて窓から顔を出してみるがだれもいない。暫くするとまた、同じように手のひらでなでるように叩く。こう言うときの家人はシランプリを決め込む。仕方ないので玄関から外へ出勝手口へ廻ると、昼間見たヤママユが蛹を通り越して羽化したわけではないだろうが、勝手口の階段に止まっていた。
ヤママユ?それとも ウスタビガ(薄足袋蛾) だろうか?
昼に俺がヤママユにそっと手を触れたことで夜になって訪ねてきたのだろう。
あの ツリバナの木にいた繭は鳥や虫たちに食われないで欲しい
決して 誰かの化身として訪ねた訳ではなさそうだ