結婚前に花嫁修業をしながら
6ヶ月間だけ府議会議員の選挙事務所でアルバイトをしていた。
かなりご年配でベテランの府会議員さんだったから
選挙活動にガムシャラでもなくて
70歳くらいのSさん(男性)と
80歳くらいのWさん(男性)と一緒に
ゆったりのんびりと後援会名簿の整理などをしていた。
ふたりの昔話をストーブの近くで聴きながら
襲ってくる睡魔と闘う毎日だった
結婚してから 4年後にその議員さんは引退され
家事や子育てで 私も選挙事務所のことは
すっかり忘れていた。
そしたら先日、主人がお墓の仕事を請け負ってきて
なんとその方は 選挙事務所のSさん
Sさんから、「お宅の奥さんと選挙事務所で仕事をしていたんだよ」と
言われたらしい。
几帳面なのに ちょっぴりおっちょこちょいで
いつも叱られておられたSさんを思い出し
とーっても懐かしい気持ちに・・
仕事の書類や図面を郵送する際、
手紙を書いて同封した。
結婚して16年が経つこと・子供が4人も生まれたこと
短期間、一緒に働いたことを懐かしく思い出していること
などなど・・・
数日後、Sさんから達筆のお手紙が届いた。
~略~
私は太平洋戦争で南千島エトロフ島で終戦を迎えました。
ソ連軍に降伏してシベリアへ連行され
3年間の強制労働に従事しました。
シベリアでは一冬越すあいだに 寒さと栄養失調のために
毎日 戦友がバタバタと亡くなっていきました。
私の人生では忘れることができません。
昭和48年に定年退職をし、その後
霊場めぐりをして 戦友たちの霊安かれと祈りつつ
西国・坂東・秩父百観音巡拝と
四国88ヶ所遍路をして現在に至っています。
私は90歳・妻は87歳になりました。
峠を越えた私達
余生は神のみが知る秘密です
生きながらえて今日、社会に対して
ご恩のひとつでもお返しができれば幸におもいます・・・
~略~
読み終えて、すがすがしくあたたかく
何ともいえずシアワセなきもちになった
と同時に
Sさんがこんなドラマティックな人生を送っていたことに驚いた。
ここには人生のすべてが詰まっているように
思いませんか?
戦争・友・夫婦愛・巡礼・感謝・社会への還元
素晴らしい手紙だと思った。
奥さんとふたり、まったく死を怖れておられない潔さも
素敵だなあと思うし、90歳にしてなお
社会に恩返ししたいなんてすごいなああ
きっと友達がたくさんたくさん亡くなられ
生き残ったご自分には
何か使命があると思われたのではないかなあ
おそらく、この戦争のおはなしも
きっと あのバイト時代に聴かされていた
ように思うのだが、まったく覚えていない
23歳の私には 迫りくる結婚式のことしか
頭になかったのだと思う
今の私なら、ちょびっとはわかるな
自分が神に召されるころになって
みんなに恩返しをしたい・・と思って
毎日を生きられる・・
そんな人生にしたい
ちなみに男前で社交的で毎朝奥様に
お出かけまえのキスをしていた
Wさんも97歳で元気に生きておられるらしい
嬉しい限りだ
6ヶ月間だけ府議会議員の選挙事務所でアルバイトをしていた。
かなりご年配でベテランの府会議員さんだったから
選挙活動にガムシャラでもなくて
70歳くらいのSさん(男性)と
80歳くらいのWさん(男性)と一緒に
ゆったりのんびりと後援会名簿の整理などをしていた。
ふたりの昔話をストーブの近くで聴きながら
襲ってくる睡魔と闘う毎日だった
結婚してから 4年後にその議員さんは引退され
家事や子育てで 私も選挙事務所のことは
すっかり忘れていた。
そしたら先日、主人がお墓の仕事を請け負ってきて
なんとその方は 選挙事務所のSさん
Sさんから、「お宅の奥さんと選挙事務所で仕事をしていたんだよ」と
言われたらしい。
几帳面なのに ちょっぴりおっちょこちょいで
いつも叱られておられたSさんを思い出し
とーっても懐かしい気持ちに・・
仕事の書類や図面を郵送する際、
手紙を書いて同封した。
結婚して16年が経つこと・子供が4人も生まれたこと
短期間、一緒に働いたことを懐かしく思い出していること
などなど・・・
数日後、Sさんから達筆のお手紙が届いた。
~略~
私は太平洋戦争で南千島エトロフ島で終戦を迎えました。
ソ連軍に降伏してシベリアへ連行され
3年間の強制労働に従事しました。
シベリアでは一冬越すあいだに 寒さと栄養失調のために
毎日 戦友がバタバタと亡くなっていきました。
私の人生では忘れることができません。
昭和48年に定年退職をし、その後
霊場めぐりをして 戦友たちの霊安かれと祈りつつ
西国・坂東・秩父百観音巡拝と
四国88ヶ所遍路をして現在に至っています。
私は90歳・妻は87歳になりました。
峠を越えた私達
余生は神のみが知る秘密です
生きながらえて今日、社会に対して
ご恩のひとつでもお返しができれば幸におもいます・・・
~略~
読み終えて、すがすがしくあたたかく
何ともいえずシアワセなきもちになった
と同時に
Sさんがこんなドラマティックな人生を送っていたことに驚いた。
ここには人生のすべてが詰まっているように
思いませんか?
戦争・友・夫婦愛・巡礼・感謝・社会への還元
素晴らしい手紙だと思った。
奥さんとふたり、まったく死を怖れておられない潔さも
素敵だなあと思うし、90歳にしてなお
社会に恩返ししたいなんてすごいなああ
きっと友達がたくさんたくさん亡くなられ
生き残ったご自分には
何か使命があると思われたのではないかなあ
おそらく、この戦争のおはなしも
きっと あのバイト時代に聴かされていた
ように思うのだが、まったく覚えていない
23歳の私には 迫りくる結婚式のことしか
頭になかったのだと思う
今の私なら、ちょびっとはわかるな
自分が神に召されるころになって
みんなに恩返しをしたい・・と思って
毎日を生きられる・・
そんな人生にしたい
ちなみに男前で社交的で毎朝奥様に
お出かけまえのキスをしていた
Wさんも97歳で元気に生きておられるらしい
嬉しい限りだ