事例紹介コラムです。
いよいよ、あと約1ケ月で、2015明治安田生命Jリーグ(早く元の名前に戻って欲しい)が開幕しますね。今シーズンはいろいろな意味で、「変わった」年です。今までの流れを観てきた中で、当ブログとして唯一評価できるのは、「プレシーズンマッチの増加」でしょうか。
まだ、Jリーグが開幕したばかりの90年代、プレシーズンマッチは多く開催されていました。報道でもプロ野球のオープン戦のような扱いで賑やかでした。それがいつしか萎んでいき、ここ10何年はほとんど開催されていなかった状態でした。なぜ、今までやらなかったのでしょうか。Jリーグの方針でしょうが、理由が全くわかりません。その中で、サポから「世界3大カップ」(笑)と言われている「ちばぎんカップ」(柏対千葉)は開催数20回を数えています。今年はJ1柏の、ACLプレーオフの日程の関係で初めて見合わせましたが、素晴らしい事です。
そんな中、産経新聞に「Jリーグ『経済格差』拡大も」という穏やかでない見出しで、記事が掲載されました。以下、抜粋して紹介。
Jリーグは今シーズンより、各クラブへの配分金を成績や入場者数、スポンサーへの貢献度などに応じ傾斜配分を実施。集客やスポンサー協力など、クラブが行う努力を金額に反映することで競争を促しクラブの総合力を上げる狙い。これまでの配分金はほぼ均等で、’13年度はJ1に約2億5千万円、J2に約1億円を支給。村井チェアマンは「協調から競争の段階に入る」と強調。2ステージ制とポストシーズンを導入する今シーズンは賞金の配分方法も変わり、「貧富の差」拡大の可能性も発生。
【スポンサーに配慮】
'15年から傾斜配分を始めるのは、スポンサーなどへの貢献度による配分金に変更。Jリーグのスポンサー企業が、例えばサッカースクールを開催する際に、チーム側が選手や指導者を派遣するなどの協力をすると、イベントに参加するために必要な経費などを、貢献度に応じて傾斜配分。
Jリーグのスポンサーのメリットを企業側に提供するのはもちろん、多彩なスポンサーの要望に対し、チーム側が細部まで対応することに対して金銭面で有利にする考え。村井チェアマンは「クラブの努力に報いていく1つの方法」とコメント。
また、'15年はJリーグに入る放映権料から配分金に回す金額を増額。「スカパー!」への協力や、加入者獲得などで貢献したチームにはより多い配分をしていく方針。
【評価指標の課題】
成績や入場者をもとにした傾斜配分は、今シーズンの実績をもとに、J1で来シーズンから導入の予定。ただし、比較的予算規模が小さいJ2のチームについては、配分金の減少が急激な経営悪化につながる可能性があるため適用しない方針。今後は入場者数や成績による傾斜配分の方法を具体的に協議する予定。
特に注意する必要があるのは入場者数の評価方法。単純に数字だけを評価すると、各チームが使用するスタジアムの大きさによって不公平な状態が発生。例えば、入場者数を収容人数で割った「収容率」などを指標とする事が一案。チームの活動地域によって交通網の整備状況や人口に差があることも考慮する必要性が存在。
【賞金もより上位に】
Jリーグは2ステージ制とCS(チャンピオンシップ)の導入により、大会方式に合わせて賞金の配分も変更。今シーズンの賞金は年間優勝が1億円、各ステージ優勝が5千万円、年間勝ち点1~3位に8千万円、3千万円、2千万円を贈呈。クラブは最大で2億8千万円を得ることができ、今季までのJ1優勝賞金2億円より増加。
年間7位まで賞金を獲得した昨シーズンまでとは大きく変化。上位に食い込まないと賞金は手にできない方式に移行。また、上位クラブへの配分金として総額1億8千万円を用意。ここ数年、成績が出ないACLに出場するチームへの強化費として重点配分する方針。
分配金の傾斜配分、賞金の変更によって、いわゆるビッグクラブに多くの資金が配分される仕組みに変わったと思われるが、苦しい経営を強いられるチームが増加する懸念が発生。
産経ニュース該当記事:http://www.sankei.com/premium/news/141223/prm1412230004-n1.html
当ブログでも、分配金の傾斜配分化はいいが、スカパー!勧誘力で金額を替えたり、単純に観客動員数で振り分けるのは不公平と述べてきましたので、これらの記事を読むと、「そうだよなぁ」と思い直しました。確かにおかしいのです。駅からスタジアムが近く、他にプロスポーツがなく、そこそこ人口がいるところと、駅から歩いて行けず、関東圏のように他プロスポーツに限らず、競合J1クラブのエリアにも入っていて、人口が少ないところと一緒にできるのかと。本当に企業能力が比較できるのかと言い続けてlきました。それだけでなく、前年対比なども加味すべきではないかと思います。まずは、今のホームスタジアムを満杯する事が必要なので、収容率の反映もいいと思います。
次にビッグクラブ化へ舵をきると、クラブ間格差が増えるのではないかという懸念ですが、そのとおりです。今までもどのクラブにも優勝するチャンスがあったから、終盤まで盛り上がったのではないでしょうか。これが一部のビッグクラブだけのリーグになってしまうと、結果的にはリーグは衰退すると思います。そもそも50クラブまで広げてきた拡大路線に逆行する行為です。プレミアリーグ化などは論外です。それは、「スポーツで日本を幸せに」という理念に逆行する行為。早く、商業主義路線から傍士さんがいた頃の「いい時代」に戻って欲しいです。目指すのは、世界一の観客動員数を誇りながら、国の隅々までスポーツ文化が根付いているドイツであって、アメリカやイングランドなどではありません。早く目を覚まして欲しい。この「失われた時代」はいつまで続くのか。
また、この記事とは直接関係ないですが、最近あれっと思う事がありました。書店でいつものように「サカダイ」を手に取ると、冊子がデラックスになっている。さすがサカダイ、週刊サッカー雑誌競争に勝って、更にサービス向上かと思いましたが、何か先週と同じような印象。表紙をよく見ると「月2回刊」って・・・ ついに週刊サッカー雑誌は無くなってしまいました。調べてみると、2014年内をもって21年間に渡った週刊発行を終了し、原則として毎月第2・4木曜日(首都圏基準)発売の月2回刊行に移行したとか。
村井チェアマンが今シーズンから2ステージ制等「チャレンジ」していくのに、それとは逆行する格好になりましたね。単に売上不振が理由だからなのか、ひょっとしたら暗黙の抵抗だったりしてと勝手に深読みしてしまいます。残念ですね。
㈱日本スポーツ企画出版社公式HP該当ページ:http://www.nsks.com/news/19454/
サッカーダイジェストWEB公式HP:http://www.soccerdigestweb.com/
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