事例紹介コラムです。
少し前に地元・J2岡山の運営統括責任者が退任するというニュースが、クラブ公式HPで発表されました。クラブとしては大きなニュースであり、クラブが今後運営面で大きく変わる事は間違いないと思います。後任者が次の春までには着任されると予想していますが、地域の宝となる公共財を守る管理人(運営会社)として、立派に舵とりができる方を個人的に期待しております。
当ブログでは今まで、よそのJクラブ等の事例をずっと紹介してきましたが、J2岡山が進んでいる部分、遅れている部分があると思います。完璧に揃っているクラブは無い訳で、これはしょうがない事。進んでいる部分は、読者の皆さんも十分ご存知だと思うので今回省略しますが、今回少し遅れているのではないかと思われる部分を紹介したいと思います。運営会社としての運営面の転換期と思える時期なので、ちょうどいいタイミングだと思っています。
【後援会】
後援会とは地域の支援者の集合体です。クラブ主催のファン・サポーターの集まりはオフィシャルファンクラブで、クラブ主導の運営になりますが、それが支援の声が集まり、支援者が独自性を持って自主運営し、ヒトとカネの両面でサポートできる独立組織です。よそのクラブの後援会状況は下のリンクどおりです。J1仙台の「ベガルタ仙台・市民後援会」や、地元全市町村に支部会があると思われるJ1新潟の「アルビレックス新潟後援会」が特に活発な組織です。山雅さんも立派な後援会に支えられています。後援会の下部組織にクラブボランティアが所属している事例がいくつもありますね。
ファジアーノ応援団・浅口や、吉備ファジ会という後援会的組織(クラブにとっては「サポータークラブ」というカテゴリのようです)があり、ほぼ毎回当ブログとして参加し、運営面で協力させていただいています。ヒトとカネの面から、陰ながらサポートさせてもらっています。特に浅口の組織は、立ち上げに際して、地域の後援会組織が必要なのではないかという提案も含んでいました。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140607
【情報開示及び情報発信】
公式サイトが今の形になって、もう10年近くなるのではないでしょうか。NPO時代に中国リーグに昇格した2005年に、まだ経営が県サッカー協会(NPO法人 ヒューマンスポーツクラブ)の時に、初めて(初代)公式サイトを開設されましたが、その時に知人のサイト管理会社を紹介しました。一時期サイトの一部分を担当した事もあります。懐かしいですね。当然、当然更新等レベルは低かったです。まあ、昔話はその辺で。
経営面では、株主名簿や役員名簿を掲載しているところがほとんどです。例えばお隣の広島さんは素晴らしい構成です。まさに広島の県民クラブという印象です。ツイッタ―はもう6年やっているそうです。
また、公式LINEアカウントはありますが、公式フェイスブックページと公式ツイッタ―がありません。LINEは登録会員以外は閲覧できません。誰でも閲覧できる情報発信ツールが必要なのではないでしょうか。
経営情報関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140716
SNS関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150530
【選手による地域・社会貢献活動】
今シーズンになって、比較的選手の地域貢献活動が増えてきたのは、新GM効果ではないかと書いてきました。しかし、毎年熱心に学校訪問を実施しているよそのクラブと比べたら、まだ満足できるレベルではないのかもしれません。偶然ですが一昨日、J1柏がシーズン中でありながら、トップ選手が次の水曜日、木曜日に続けて学校訪問の実施が発表されました。確かユメセンの前から長年実施していますが、他にもJ1クラブを中心に多く実施されています。これからも頑張って欲しいですね。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131124
【異競技交流及び他のスポーツチームとの連携】
岡山県の東西南北の隣県はすべて何かしら、異競技交流が行われていると書いてきました。ただ、これは県などの行政が関係してくる部分でもあるので、行政がもう少し音頭を取れば発展するのかもしれません。岡山では昔一緒にダブルヘッダーを開催した実績のある湯郷ベル、同じく確か昔歩け歩けウォーキングで選手に参加してもらった岡山シーガルズがあります。両チームとも日本代表選手を輩出するトップリーグのチーム。時々は同じイベント等で一緒になってはいかがでしょうか。当ブログでは、県主催で岡山総合グラウンドで、「岡山スポーツまつり」として結集したらいいのにとずっと思っています。2006年に傍士前Jリーグ理事の「桃スタ(現Cスタ)を満杯にしたかったら、シーガルズも応援に行くべき」という名言を今でも覚えています。
→このテーマに特化した記事が無かったですね。早速後日紹介したいと思います。
【サポートショップ(協賛店)制度】
FC会員証の提示で、何かサービスを受けられるサービスで、サポートショップはクラブの情報発信基地の一つになり、商店街との連携で街そのものがサポートタウンとなります。当部ブログでは、三位一体の支援に続く第4極が、商店・商店街と認識しています。現在、奉還町商店街と連携事業を行っていますが、もう少し広げてはいかがでしょうか。過去の事例で一番すごかったのが、FC東京の「サポート商店街」とも言えるもので、東京都内のすごい数で商店街単位で協賛商店街として、サービスをされていました。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150512
【キックオフイベント】
財界等のみを招いて開催してもらう「キックオフ交流会」は実施されているようですが、一般のファン・サポーター向けのものは過去に2回ほどあっただけで、最近はありません。新体制発表会と兼ねて開催するパターン、広い会場での開幕前イベントとして開催するパターンとありますが、どちらにしてもシーズン開幕前に、ファン・サポーターに「このチームで闘っていきます」と意志表明する場です。
広島さんは財界向けと一般向けの2段階方式で実施されています。一度にやろうと思うから無理があるのかもしれないので、クラブ主催でオフィシャルファンクラブ会員向けに実施されてはいかがでしょうか。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150208
【サポーターカンファレンス】
一昔前はサポーターが実施要求して、クラブが渋々応えるのが主流でしたが、ここ最近はクラブ主催として、率先してファン・サポーターと意見交換する場として定着しています。最近では札幌ドームで、野々村社長が1人でサポカンに臨まれて、クラブの方向性を熱心に説明されていた事を思い出しました。もし、変な質問をされては困るのであれば、事前に集めた質問のみを対象にすればいいと思います。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131225
以上、あくまで個人的な話なので、興味が無い読者の方はスルーして下さい。2005年(正式には2004年12月の中国リーグ入れ替え戦から)から、ずっとクラブを内外両面から観てきた者として、この機会に一つ記事という形で書かせていただきました。