リスペクトコラムです。
新型コロナウィルスの猛威は収まらず、今日も東京の感染者が最多を記録しました。本当に首都封鎖になるかもしれません。昨日はJリーグの4月中の延期について触れましたが、サッカーよりも深刻な事になったのがラグビーです。何と今季の成績が消えてしまったのです。残酷ですね。シーズンが元々5月までしかなかったからできた事ですが、もしコロナがずっと長引けば、他に延期している競技も同じようにシーズンが成立せずにシーズン自体が無効に終わるかもしれません。
【トップリーグ今季中止 ラグビー 不成立で順位決めず】
「日本ラグビー協会は23日、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、今期のトップリーグ(TL)の残り全試合を中止にすると発表した。リーグ不成立として順位は決めない。TLは2月末から新型コロナと選手の薬物問題を受け、試合を粉っていなかった。5月初旬をメドに、別の形で大会を始めることを検討する。」
「太田治チェアマンは打ち切りの理由を『観戦拡大が収まるのかどうか分からないことが一番大きかった』と説明した。
TLに多くの選手を送り込むオーストラリア、ニュージーランドなどが自国民の帰国を呼び掛けたことも影響した。」
記事によればBリーグが無観客試合を行った直後に再度中段に追い込まれたことも勘案されたとありました。5月23、30日にリーグ上位4チームが出場して開催予定だった日本選手権をどうするか、4月中旬を目処に決まるそうです。TLの第6節(元は15節予定)までのチーム成績は記録上残らないが、トライ数、出場回数などの個人成績は記録に加えられるそうです。それでも誠に中途半端な記録となる事でしょう。とにかく、記録が消滅してしまういわば「没収シーズン」「無効シーズン」というのは口惜しき限りですね。昨年ラグビーW杯で日本全国が盛り上がった分、このダメージは大きいと思います。プロ化構想もありましたが、まだ企業チームリーグだからこその社会的影響もあるようですね。
【トップリーグが異例の早期中止を決定したワケ 企業スポーツが持つ“社会的影響力”】
〔23日にトップリーグ全試合の中止を発表、史上初めて開幕からの全試合が無効に〕
「一部のリーグ参画企業から、自分たちの業種を考えるとラグビーの試合で社員に感染者を出した場合に大きなイメージダウン、社会的に叱責を受ける恐れがあるという意見がでたことも、中止の判断を後押ししたようだ。もちろん、多くの外国出身選手が政府からの要請もあり帰国していることも近日中の再開を難しくしている。もし4月一杯を休止にすれば、5月に残された試合は代替開催日を含めてわずか2節。再開してもリーグ戦として成立させるのは難しいという判断もあった。」
〔プロ化していたなら、いまとは比べものにならない深刻な問題に〕
「TLだけが早々と中止を決断したのには特別な理由がある。TLがプロ選手も抱える一方で、いまだに企業スポーツという形態で運営されていることだ。
選手の給与を含めたチームの運営費は、試合の入場料や広告、放映権収入ではなく、会社の広告費や福利厚生費などから捻出される。そのため、プロスポーツに比べると公式戦開催が死活問題にはならないのだ。昨年6月から協会内で機運が高まっていたプロリーグ構想が足踏み状態に陥っている中で、ある協会首脳が「もし現時点でプロ化になっていれば、選手の給料、チームの運営費で、いまとは比べ物にならない深刻な問題になっていたはず」と語るように、企業スポーツという運営形態が「中止」による資金面の被害を少なくしているのも事実だ。」
〔その一方で、協会のガバナンス面では課題が露呈された。〕
「ラグビー協会は3月9日の会見では、同4日に起きた選手の薬物使用事件を理由に3月末までの公式戦中止を発表した。しかしメディアや選手会からは、社会的に深刻さを増すウィルス感染問題の中で、その対策に触れることなく薬物事件で公式戦中止を発表したことに対する疑問、批判が噴出。薬物問題を深刻に受け止め迅速に対応したという説明もなされたが、事件発覚から18日が過ぎた23日の時点でも、協会側の説明は『チームと協議して考えたい』と主体的な方向性も方針も示せていない。大学生も含めると1シーズンで4人も逮捕者がでたという事実を、どこまで深刻に受け止めているかは疑問が残る。
他競技と比べてラグビーだからこそ、感染問題が大きな痛手となりそうな一面もある。先に触れたようにRWCによる未曽有のラグビー人気の中で、前年度までとは異次元の集客を見せていたTLをわずか6節で中断せざるを得なかったのは、ファン獲得には大きなマイナス要因だ。」
〔W杯で生まれた熱の継続へ、より積極的な発信を〕
「協会や代表チームが独自に開設しているウェブサイト、ツイッターを使った発信も、女子7人制日本代表候補のメンバーが強化合宿中に動画を上げていた以外は積極的には行われていない。
一部の選手やチームは独自にファンへメッセージを送っているが、RWC日本大会でハートを掴んだファンを手放さないためには、代表チームを運営し、日本のラグビーを統括するラグビー協会が、より積極的に発信を続ける必要がある。
協会内でも、感染リスクのないIT技術などを使った発信は考えているようだが、薬物問題への対処と同じように初動の遅さが気がかりだ。」
引用:THE ANSWER
アマチュアリーグでは社会的ダメージ、プロリーグでは金銭的ダメージがあると書いています。あと、巷でささやかれているのが、実は薬物事件の影響もあったのではないかとの声。つまり、他のプロリーグと比べてガバナンスが弱いのではないかという事。昨年W杯で盛り上がったが、ガバナンス面が脆弱な事で、ブームで終わってしまう見方があるというもの。
ただ、コラムでは協会の被害は少なそうとあります。W杯効果で一定のスポンサー料がキープできる見通しがあり、入場料収入についても、6節を終えた現時点での観客数が42万人と、前季の総観客数46万人に近く、深刻な減収は回避できる見込み。4月には、RWC組織委員会からの70億円近い大会収益が協会に移譲されることも決まっているそうです。
それにしても深刻な状況です。特に関東圏に感染者が急増しているのが気になります。主要スポーツリーグのチームは関東圏に集中しています。他にもこのままシーズンが終了してしまう競技が出るかもしれません。Bリーグも少しトップリーグに似ています。B1ではリーグ終了が4/18で閉幕予定なのです。特に地元岡山が所属するB3リーグはプロとアマチュアが混在しており、平均してクラブの経営体力はそれほど高くないので、これ以上試合を興行できないのはしんどいですね。
ラグビートップリーグ関連⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190927
〃 ⑥:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190829
〃 ⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190805
〃 ④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190731
〃 ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190730
〃 ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190716
〃 ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180927
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